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自殺転生〜死そして生へ〜  作者: 月山
竜そして戦争へ
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〜天使と人の間のモノ〜

ギリギリセーフ!!今日中更新です

ぶっ倒れて空を見上げる。転生前も含めて空をここまでじっくり見る機会などほとんどなかったルウンは、水色に深く無限に続くようなそれは、先ほどまで欲していた力の存在が小さいモノに思えた。しかしそれでも、前の世界においても、今現在においても力は必要で、やはり求めるのには違いは無いが、そこまで固執して力を得ようとは思わなくなったルウンは、体にある疲労感の他に妙な脱力感を感じて、ステータスを問い合わせた。


《ルウン=ローレン(双魂(そうこん)) レベル1 身体年齢20歳(最大値)

筋力 3000

防御力3000

魔法攻撃力0

魔法防御力0


称号 『脳筋』魔法系スキルの獲得不可(思考、記憶系スキルの取得不可は解除されました)

スキル なし》


身体年齢は上昇していたがステータスは明らかに大幅にダウンしていたうえ、今まで獲得していたスキルが消え去っていた。脳筋の制限解除についてはきっと、『脳筋』に居たもう一人のルウンみたいな存在が、いなくなったために起きたことだろう、それに、俺の名前の次に告げられた双魂(そうこん)はきっとそういう意味だろう。だが、心の中に語りかけても反応はない、眠っているだけなのか、そもそも反応しないのかわからない。


「くくく、まったく貴様は、おかしな人間だな。話は聞いていたが、転生者でもそこまでの強者は今までにいなかった。悪魔のなかにもな」

「じゃあ、天使のなかにはいるのかもな、俺よりも強いやつ」

「?何を言ってるんだ、貴様の近くに天使が一人…いやあれは…人間のものも混じってたし…まさか天人(てんにん)か?」


グガルディンは、何かぶつぶついっているが、それに対して追求する気力はなくただ空を見上げていた。




「ルウン!!」

少し経ってから倒れている二人の元に十数人の兵隊と、アリス、ガイン、リリナとディノス、ベルが来た。そして叫ぶようにしてルウンの名を叫んだアリスは、周りの目を気にすることなく、ルウンに抱きついた。

「心配かけたな…あ!ちょっと待ってくれ」

アリスの頭を撫でながらルウンは、グガルディンを捕らえようとしていた、兵隊を止めた。しかし、そのなかにいた一人の兵士が反論した

「なぜ止める、こいつは先ほどまでハーチラス王国を攻め入ろうとしていた魔物どもの主犯格なのであろう?ならばこいつは、皆の前で処刑するべきだ!」

「確かに、そいつは統率者であり、憎しみや恨みでここを狙った。だが、そいつをけしかけたのは魔王なんだよ、だから許せとは言わないが殺さないでやってほしい」

ルウン自身、どうしてグガルディンを庇っているのか分からないでいた。しかしそれは、全力でぶつかった者同士に生まれた奇妙な友情のようなもので、ルウンが読んだことあるヤンキー漫画のライバル同士の気持ちがなんとなくわかった気になっていた。

「…魔物を許せというのか!!この化け物を!!まさか…貴様も化け物か!!それなら納得がいくぞ、あれだけの力を人間が持つはずはないからな!!」

「そ、そういうことか」

「…なら、この戦いは演技だったとでも…そうかそうやって俺たちを取り入ろうと」

は?こいつら何言ってんだ?ルウンは意味不明な発言をする兵士を呆れたような顔で見ていた、それはグガルディンも同様で、両腕を兵士に捕まえられているが、ため息をついていた。ルウンの仲間たちも呆れたような素振りを見せており、ガインが止めに入ろうとしたが、一人だけ別の感情を持っていた者がいた。


「あなた方何を言っているんですか?」


急激に全身に液体窒素でもぶっかけれたような悪寒が走る、肉体的疲労ではなく、体が動かなくなるほどの殺気。ルウンですらそれなのだから、それよりもステータスの劣る兵士たちは、もしかした鎧の中で漏らしている可能性もある。現に数名からは謎の湯気が出ている。オーラだったと思っておくことにしよう。ステータスが下がったことで、この現象が起きているのだとすれば、おそらくグガルディンと、ベルは大丈夫だろう、と思っていたが、ベルは自分の両腕を抱えるように震え、ルウンの視線に必死に首を振って見せた、グガルディンに至っては、半分くらい白目をむいておりあへ顔っぽくなっている、男のその面は色々ダメージでかいな。


「私のルウンを、化け物扱いですか?ルウンが認めたその者を化け物扱いですか?」


「い…いぇ!!し、ししししかし、アリス様!!相手はあ、あ、ああ、あの魔物で、ありま、、して」


「それがなんですか?」


変わらず、静かに語りかけるアリスだが、その視線は現存する全ての刃物よりも鋭利で、液体窒素がぬるま湯のように感じるんじゃないかと思えるほど冷たかった。あれは究極のドMでも絶対耐えられないな…いや容姿が容姿なだけにありなのかもしれない。


絶対女王アリス=ハーチラス


その名で呼ばれる発端はここに違いないと、のちのルウン=ハーチラスは語った。



アリスのその後の処理によって、グガルディンは無罪となった。そこにいた兵士達以外、グガルディンの姿を見た者がいないため、このままハーチラス王国内に残ったとしても、問題はないだろうということだった。そして今、ルウンは他のメンツとともに、ハーチラス城の王の間に居た。そして、そこには今まであったことのない、女性が居た。美しい紺色の髪の毛は、アリスのそれよりもわずかに濃く見えるが、艶やかさは同じく綺麗な光の輪が見える。長さはそれほど長くはないセミロングといったところだろう、そしてやはり特徴的なのは瞳だろう。クリアな青色に輝く瞳はあの青空よりも広く深い、そうやって見惚れていると、ガインからの咳払いとアリスからの鋭い怒気が飛んできた。しかし、口を開いたのは、その女性だった

「初めまして、ルウン=ローレンさん。わたくし、ハーチラス王国の王女を務めております。アネル=ハーチラスと申します。この度はこの国と国民を守ってくださりありがとうございます。申し訳ありませんが、彼らと内密の話をしたいので、他の方々は退室していただけませんか?」

物腰を柔らかくして話す女性は、想像の通りアリスの母親であったが、どうみたってアリスの姉にしか見えないほど若くみえる。そのアネル女王に促されて、部屋に居た10人の兵士が速やかに退室し、残ったのは、ルウンを中心に左側にアリス、ガイン、ディオス、右側にリリナ、ベルとなぜかいつの間にか居たディータの順に座って、4メートルはある長方形の机を挟んで、アネル女王が座っていた。


「はぁ、息苦しいのは疲れるんで、こう話させてもらいます」


突然雰囲気の変わったことに動揺したのは、ルウンだけだったようでキョロキョロと周りを見ても全員が黙ってアネル女王の言葉を聞いている。そして次に語られる言葉は、ルウンにとっては予想外だった


「あたしは、天使と呼ばれる存在です」


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