〜消滅した街のというモノ〜
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2つの街が消滅していた。そう報じられたのは、人間界全土ほぼ同時だった。本来ディータ博士の衛星が全て健在ならば、いつ、どんな方法でということが分かったのだが、魔王に1台だけではなく全て壊されていたため、発見が他国と同じタイミングになってしまった。
しかし、消滅…壊滅や全滅などではなく消滅である。ディータ博士が作ったカメラのような機械はすでに各国の諜報組織に配られており、今回のような急を要する自体の場合に用いられる。当然国内最強と謳われるガインと、こっそり画像データを全て集約しているディータの手元にはその消滅した街だったものの写真が手元にあった。
文字通りなにも無くなっていた。元の街並みを見たことはないが、写真の中心には巨大なクレーターができており、中心はさらに一段深いクレータが出来ていた。
「この場所、どのへんだ?」
「んー、片方はハーチラス王国の反対にある国だけど、もう一つはここから300キロくらい離れたイグニア王国だよ。俺も昔一度だけ行ったことがあるんだけどね、海辺まで国の領域になっているから魚が特産品なんだけど…ってどうでもいいか。たしか、西にまっすぐ進めばあるはずだよ」
「よし、じゃあいまから入ってくるからちょっと待っててくれ。大丈夫、ただ見にいくだけだから」
「いえ、私もついていきます!追い付けなさそうでしたらルウン様の中に戻ればいいだけですし」
「たしかに俺じゃルウン君の足にはついていけないしな」
「俺の最速ヴァージョンでも絶対無理だな」
リリナがついていく石を示すのと同時くらいに、ディータ博士とガインはすぐに諦め、アリスはどうしようもなくて小さく唸っていると
「私でしたら、ルウンが走るよりも早く全員で目的の場所まで行けますよ」
ベルがそう提案すると、リリナは舌打ちをしたが、ほかの全員はそんなことが可能なのか!と驚きの表情を見せていた。
「一応竜ですので、ルウンすぐに行くのでしょ?それならみなさん外に出ていただけますか?」
ベルに促されるまま、家から出て、すこし開けた場所に移動すると、ベルは急に発光しだし、その光が収まるよりも先に確認できたことがある
竜だ!
間違いなく巨大な体を有した竜が、目の前に君臨していた。その姿は赤色に輝いており、まるで宝石のような鱗が全身を覆い、約30メートルはあろうかという巨体を支えるべく在る足はどっしりと地面を押しつぶすようにして自立していた。
「どうぞ、背中にお乗り下さい」
姿勢を下げても高さ4メートルはあって、アリスだけはルウンが手を貸して登らていると、先に一人で上がっていたリリナが再び舌打ちをして見せたが、全員竜の背中に乗り終えると、これまた美しい翼をバサァと地面に風を吹き下ろしながら、空へと羽ばたいた。
一気に上昇するが、ベルが地味に、だが繊細に発動されている、風系統の魔法により、乗っている人には加速による重力による負荷も、風の抵抗も感じさせない、非常に乗り心地の良い旅だったが、景色を見ることもできないほどの速度で飛んでおり、300キロくらいと言われていた距離もわずか10分ほどで到着してしまった。
「300キロを10分って…時速1800キロ?えっとマッハ1,5くらいか?」
まぁ、マッハに小数点を使っていいのかわからないが、それくらいの速さで飛んでいたという実感はわかないが、距離とそれに要した時間を考えればそうなんだろうなと、思うしかなかった。だが、ルウン自身は気づいていないが、全力で走った時のルウンはマッハを裕に超えていて地形を考えなければ、ベルの竜化よりも早く到着することも可能だろう。
「ルウン、あれ」
ルウンの思考を止めたのは、アリスの声だった。そのアリスもルウンの方には視線をくれず、ただ目の前に広がるクレータを見つめていた。
写真でも見ていたが目の前に広がるただただ巨大なクレーターで、そこには荒れ果てた土しかなく、おそらくあったであろう建物の瓦礫も残骸も無くなっており、どう見ても生物がいる余地もなかった。
「なんだよ…これ」
「か、核が完全に破壊されている…」
「核?それってモンスターの心臓的なものですよね?」
ベルのつぶやきにディータ博士が問いかける
「えぇ、本来人間には知ることはないし、知られてもどうにもできないことですが。人間が多く住む街や、名前の付いているような大きな森の中心には、モンスターや魔物同様に核が存在します。私たち竜が急激に力を蓄えようとすれば、この核を喰らうことが第一の手としてあげられるでしょう。」
「なら、ベルもこんな風に森や街を壊したのか?」
ルウンが真剣な眼差しでベルを見るが、首を振って否定する
「たしかに私も核を食らってある程度力を得ましたが、核の10%を残してそのままにしたので、僅かに生活に支障や森の生態系に異常が生じる可能性がありますが、十数年の歳月をかけて、元どおり復元するでしょう。ですが、この場合はもうに度とこの土地に草木が芽吹くことはなく、生物が住むこともないでしょう。この土地が完全に死んでいることを意味します。」
「そ、そんな」
アリスが口を押さえてつぶやく。ガインもディータ博士も同様に口苦しそうな表情を浮かべていた。ディオスに至っては特に思うこともないのか、表情は変えずクレーターの中心部分を睨んでいた。
「おい…なんだあれは」
睨みつけていたディオスが突然口を開いた、さきほどまで生物の気配を感じなかった、クレーターの中心に突如現れた謎の生物。人型に見えるが人間だとは思えない、思いたくない、それほどまでに圧倒的なオーラを身にまとい、そのオーラと似た黒いローブを頭からかぶっていたために、表情どころか髪型すらも見えない。オーラの総量は、なんとルウンにエネルギーを渡す前のベル以上であった。
「やはり、魔王様の言った通りであったな。ここで待っていれば、ほかの竜がやってくると。だがほかにもなかなか美味そうな奴らもきたじゃないか」
ローブの中から声が聞こえて来る、その声質は男のもので間違いないと思うが、言葉を紡ぐたびに課せられた重力に全員が耐えたが、ガインとディータ博士はこの時点ですでに辛そうだった。
「こいつは結構やばいな…感覚てきにだけど、ディオス10人分以上の強さあるだろ…アリスは大丈夫か?」
あまりの重力の強さに、いつぞや国王陛下にやられた重力魔法を思い出すが、これはその比ではなく、一般人だったら立っていられないどころか、自重に押されて人体に影響があるかもしれないと、考えたルウンであったが、アリスは全く意に介さない様子で、平然と立っており、ルウンと一緒に戦うんだと息巻いて購入した全長1メートル50センチはあろう直剣を構え、ローブ男に向かっていた。
「素晴らしい。全員が仙人クラスの技量、エネルギー量を持ついい餌じゃねぇの、それによく見たら竜と…亜神も悪魔もいるじゃねぇか、大漁大漁!それじゃあ早速、皆殺しにするとしようか」
ローブ男はクレータの中に小さなクレータを作りながらルウンたちのほうに突進してきた




