〜デスラ=インダンの実力というモノ〜
「敬語使う敵キャラは大抵最後は醜い言葉を吐きながら死んでいくもんだ」
ルウンがハンマーを押し返しながらデスラに向かう。力で押し負けていることを感じたデスラはすぐにハンマーを引き戻し
「なんとでも言うが良い、しかし我輩の一部を取り込んだと…なのに我輩の支配下にないということは、まさか逆に支配下に置かれたというのか…おもしろい。我輩の肉体コレクションの一つにしてやろう」
「いい趣味してんな。最後のひとつにお前を飾ってやるよ」
ルウンの言葉に口元がひくつくデスラの顔面に拳を振るう、意識が一瞬戦闘から離れたデスラには反応することができない超高速の一撃、しかしデスラは当たった直後自ら後ろへ飛び回転することで衝撃と勢いを殺した、しかし着地を許すルウンではなく飛び蹴りを放っていた。デスラはそれを予測していたらしくハンマーをルウンの体がくる延長線上を横薙ぎに振るう。
ゴウゥゥゥゥウウウン
轟音が再び周囲に響く、力では圧倒的にルウンが上回っており、デスラは蹴りの威力をまともに受け勢いよく後ろへと吹き飛ばされる。民家の壁をぶっ壊しそれでも止まらなかったデスラは訓練所の方にまで吹っ飛んでやっと止まった。
この時ルウンはまだ気づいていなかったが、ガインの無茶な修行・・・もとい スキルを使用しない戦闘 というのがルウンの戦闘能力を跳ね上げた
「く…せっかくダルヴィンからアルスヴェルグに来たっていうのに!」
デスラが悔しそうに地面を叩く、わずかに地が揺れ陥没が出来る。
「デスラインの本体だって聞いてたから、かなり警戒してたんだがな」
ルウンが歩きながら近づく。デスラがフラフラとしながら立ち上がる
「く…人間のくせに…我輩相手にこれだけ…これが…これが我輩が求めて止まなかった、強者との戦闘ということか」
デスラが大きな声で笑う。その声は辺りを振動させ土壁なんかはもろく崩れていく。そして大きく開けた口に自らが持っていたハンマーを突っ込んでいく。
「結構このハンマー気に入ってたんだけどな…」
全て金属でできたハンマーをボリボリと噛み砕いていく、その異様な光景にルウンの動きが止まってしまう。しかしこの食べている瞬間、デスラは隙だらけ、チャンス!と考えが至った時には、ルウンの体はデスラの頭部を殴ろうとしていた。
が、ゴクン…とデスラがハンマーを完全に飲み込んでしまう。
「ワガハイの力の大半を注いだ武器を体に取り込んだ、初めて素手で戦うが悪くない気分だ…」
デスラの体格などには変化がない、しかし何かが変わったというのはルウンの拳を完全に受け止め切ったその力が物語っていた。
「おいおい…まじかよ。自慢じゃないが今の一撃を無音でとめるとか、冗談きついぜ」
腕をふるって掴んでいる手を振り払おうとしたが、デスラに掴み続ける意志がなかったのかすぐに離れ、距離をとった
「なに、気にすることはない。本来悪魔を相手にしてここまで戦える人間などいないはずなのだから」
「だからって負けるつもりはないんだがな。それにお前をしっかり倒してその首を差し出さないと、この国の修繕費とか請求されたらたまらないからな」
デスラが静かに近づく、しかしルウンにすら反応が間に合わない速度で蹴りを繰り出す、気づけばルウンの体は浮かんでおり、壁に激しく激突する。だがルウンはすぐに体勢を立て直し、激突時に壊れた壁をさらに完膚なきまでに壊しながらデスラへ突進する、デスラの頬へ目掛けた拳は届かず、デスラの蹴りが下から上へ顎を貫く。意識を失うことはなかったがすぐに立ち上がることができないダメージを受けてしまった。
その間は致命的であり、デスラは動けないルウンの頭を踏みつけ地面に押し付けた。
「こんなものですか?ワガハイの本気に全くついてこれてないですねぇ」
「っ!!ルウン!!!!!」
当然聞こえた声にルウンは激しく動揺する。たしかについてきているのは知っていたが、これだけ大きな戦闘に近づくとは思っていなかったからだ。どこをどうみても他の者には手を出すことも加勢することもできない状況なのだから、この場でルウンとデスラ以外の存在ができることといえば、ただその結末が訪れるのを傍観するだけのはずだった
しかし
アリスは例外であった。ルウンが地面に押し付けられている現状をみて叫んだのだ、そして明らかに明確な敵意をデスラに向けて見せた。
「おお…これは、悪魔であるワガハイでもわかるぞ。その絶対的な美貌我が意のコレクションに是非とも入れたい。目玉をくりぬいてもいい…星屑のようにきらめき無限を見せる瞳久しぶりに感動を覚えた…そしてどうしても君を殺したくなった」
ルウンのことは後回しと、アリスの首を撥ねようとルウンが高速移動しようとした、その脚をルウンは掴んだ。それによってデスラは顔面から地面にダイブすることとなったが、そのときデスラは気づいてしまう。
さっきがラストチャンスだったのかと
さっきルウンを殺しておけばよかったと
自分の寿命がもう尽きかけているということを




