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92話

ぶっちゃけて言えば、しばらくは旅みたいな感じかな?

「痛たたたた・・・」


 地面に激突したジャックたちは、なんとか自分たちの体が無事なのを確認した。


「大体どの辺まで飛ばされたんですの・・・」



 あたりを見渡してみるが、明らかに首都とかそういたっところではない。


 遠くの方に森が見え、山もある。今のこの場所は平原ともいうべきかもしれないが、時期的には秋なのであちこちが枯草だらけ。


 辺境の地ともいうべき場所にまで飛ばされたようである。


「地図がないわね・・・人を探してどこなのか聞けたらいいわね」

「それで今の居場所を特定する」


 というわけで移動開始。


 枯草で茂っているが、それほどの高さでもないのでいざとなっても遠くまで見渡させる。


「にしても、物凄く飛ばされたぜよな」

「寿命が100年ほど縮むと思いましたのん・・」

「魔族の寿命も人間に近いんでしたっけ?」

「いや、種族によっては違うって聞いたことがある」

「そもそも学園長なんて生ける化石レベルよね・・」


 そのリンの言葉には、全員同意した。







 日が暮れてきたが、どうやら集落のようなものが見えてきた。


「お、ちょうど人がいそうな場所発見」

「これで今いる場所が分かりますわね」


 そういえば、先ほどからシロとクロが何もしゃべっていないけど・・・・あ、気絶している?


 とにもかくにも、まずはこの地がどこなのか知らねば。


 ジャックたちは村に向かって歩み出した。





「すいませーん、誰かいませんか―!!」

「ここがどのあたりなのか教えてー」

「いないんですのんー?」


 村に着いたのだが、どうやら誰もいない感じの村・・・。


「ゴーストビレッジ?」

「廃村?」


 手分けして探してみたが、ほんとに人っ子一人の姿も見えない・・・。


「一体どうなっているんだ?」

「状態から見て、つい最近までいたようですわね・・・」

「村のあちこちの家、どれもボロボロだけどつい最近までいた気配がある」


 どの家もボロボロで、荒れているようにみえるのだが、庭とかある家の状態から見るとそれなりには手入れされていたようで・・・。


「つまり、最近まではこの村には人がいたが、何らかの理由で消えた?」

「結構貧しい村のようですわよ」

「畑とかもあるみたいだけど、土の状態が悪いわね・・」

「無理やり何度も同じ作物を育てていた感じ」


 村で畑仕事もしていたジャックたちには、この村にあった畑の状態がひどいものだと理解できた。


「貧しくて、畑ひどくて、人全員いない村・・・・」

「もしかして、村人全員夜逃げしたんじゃないぜよか?」


 ミツのその予想に、全員同様の事を思い浮かべていた。


 貴族とかそういう物はあるのだが、その中に辺境の地を治める辺境領主となる貴族がいる。


 辺境の地ゆえに、王国からの監視の目がいまいち届かないので好き勝手する奴もいるのだ。


 おそらくこの村は、その辺境領主がよっぽどひどい税を取り立ててきたので貧しくなり、耐え切れなくなって他の安住の地を求めて移動したのであろう。


 村人全員がいなくなるレベル・・・・それがどれだけひどいかわかるような気がした。


「って、ことは・・・・ここにいればその税を取り立ててくるようなやつが来るかもしれないかな?」

「間違いなく来るかもしれないですわね」


 結構面倒くさそうな予感がするが、もうあたりが暗くなってきているのでとりあえずジャックたちはこの廃村で一夜を過ごすことにしたのであった。




 

 

とりあえず廃村に宿泊することにしたジャックたち。

学園の寮とも違うが、とりあえず寝る家をどうするか決めることにする。

出来るだけ状態がいい家があるといいのだが・・・・。

次回に続く!!


・・・夜逃げした?それにしては奇妙な感じがするのだが・・・・。

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