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90話

半ば無理やり

「退院できたのはいいけど、えらく早く退院できた気がするんだよな」


 入院してから4日ほど。眠っていたのは3日間だったので感覚的には1日しか入院していない感覚がするジャックである。


「マスターの魔力とかも正常に戻ってますし、大丈夫ですよ」

「眠っておった期間を考えると、それなりの入院じゃった」


 シロとクロが剣の姿のままそう話す。


 なお、彼女たちがきていたメイド服はちゃんと返却済みらしい。


 いつの間にって感じであった。


 ルナたちは今日は全員ちょっとばかし用事があるらしく、どこかに行っているらしいけど・・・。



 


 退院直前に学園長からの手紙が届き、それによると学園祭の翌日から2週間の学園休校が決定されたらしい。つまり、あと10日ほどは学園は休みか・・・。


 原因としては、先日のあのペドラとかいうやつなどの背後にいた対魔勇団に対する会議とか安全対策だとか、その様々な対応に追われているからだとか。学園全体も何やらこのついでに改装するらしい。





 とにもかくにも、まずは寮の自室に戻った。



「体がなまっている感じがするな・・・・」

「安静にしていましたからね」

「寝たきりじゃとそうなるじゃろう」


 学園が休校&改装するようなのだが、寮は改装はしないそうだ。ちょっと残念。


「これから先どうなるんだろうな・・・」


 対魔勇団とかいうめんどくさいような組織の狙いは、聖剣・魔剣所持者のジャック殺害。


 さらに調べていくと、各地に残っている勇者や魔王関連の伝承や物などの破壊などしているらしい。


 すでに被害があり、各国でもかなりの問題となってきたそうな。



「マスターの命も狙われているようなものですからね・・・」

「適正者の武器は、其の所持者が死ぬとこの世から消えるからのぅ」


 要は、ジャックが死ねば聖剣・魔剣もまた持ち手が現れるまで消えるのである。



「まあ、でかい騒ぎを起こして学園側でも警戒しているからそうすぐには来ないだろうけど・・・」

「また同じような奴が来てもおかしくありませんからね」

「何か対策を立てたいところじゃな・・・」


 とはいってもな・・・。



「あら?ちょうど戻ってきているようねジャック」

「ええ、先ほど・・・・ん?」


 悩んでいると、声が聞こえたので後ろを向くと・・・・。


「学園長!?」


 今忙しいはずの学園長本人が部屋の中にいつの間にかいた。



「ふふふふ、元気になったようね」

「いや、あの、何で学園長がここに?忙しいはずじゃ」

「安心して、ちょっと合間にこの部屋に来ただけよ」

「ナンデでですか?」

「安全対策用の魔道具を持ってきたのよ」



 というと、何処からかなにやら目玉のようなシールのようなそういったものを取り出した。


「なんですかそれ?」

「防犯用監視魔道具『壁に耳あり、障子に目あり』の目玉バージョンよ」


 魔道具を作る人たちの中で、誰かがふと思いついて作った防犯用魔道具らしい。


 部屋の隅とかにはっておき、不審者が入った瞬間に目からビームが出て撃退するとか。


 耳バージョンは違う方法で撃退するらしいが・・・・・。



「これをジャックの部屋中にびっしり隙間なく(、、、、、、、、)貼り付けておくのよ」

「どんな嫌がらせですかそれ!!」


壁や天井びっしりに目が大量にあるって怖いんですけど!!


 しかも、あたり付きのものだったらしく、血走ったバージョンも付いてきたとか。


 恐怖以外の何物でもない。


「ジャック、あなたはこれから下手すると命を狙われることがわかっているのよ?このぐらい過剰な防犯をしておけば安心なはずよ」

「目玉びっしりだと怖すぎて恐怖死するんですけど!!」


 気を抜いて忘れて部屋に入ってしまって見たら心臓が止まる自信がある。


「まあ、これは冗談よふふふ」


 冗談かどうか怪しい笑いを学園長はしたかと思ったら、急に真面目な顔になった。


「さて、ここからが本題よ」


 ここまで来るのに時間かかっているんですが。


「対魔勇団・・・調べたのだけれども、物凄く厄介なやつらよ」




 学園長はどうやら調べたらしい。


 話によると、この組織ができたのはつい最近らしく、この組織は勇者とか魔王とかの痕跡を無かったことにする目的がある、元々勇者崇拝集団と魔王崇拝集団とかいうやつらの中から、過激派とかいうやつらが集まってできたらしい、というところまではシロとクロの話から聞いていた。


「だけどね、ここに厄介なものがあるのもわかったのよ」


 崇拝集団とかの方は、まだ小さな集団とかいうような感じでそこまで物凄く力があるわけではない。


 だが、対魔勇団の方にはめんどくさい権力が絡んでいるのだとか。


 様々な貴族や国、その他何かしらの組織にこの集団の一員と思われるような人が侵食してきているのだとか。


「この組織が望んでいるのは、魔族と人間の争い・・・・そして、それによる滅亡らしいのよ」

「滅亡ですか・・・」

「ええ、そしてこの組織だけが生き残って、それで新たに自分たちが偉いとかいうような感じにしようとしているところまでは判明したのよ」


 かなり壮大で、絵空事の様な感じだが、まじめな話しである。


 ただ、これ以上調べたくても・・・・・


「その絡んでいる権力とかが」

「干渉しているようで、これ以上は不明。お手上げよ」


 適正者とか、本来モンスターから国を守るような人たちまでもが入っているらしいし・・・・。



「誰が、どうなっているのかもはやわからない。ただ、言ってしまえば恐ろしく厄介なことになたっというのが分かるだけ」


 学園長がかなりまじめに話す。


 この人がこうやって話すってことは、本気でまずい事態という事である。


「それじゃあ、どうすれば・・・・」

「徹底的に叩きのめしてつぶせばいい話ですわ!!」

「ルナ!?」


バアン!!と、ドアが勢いよく開かれるとともに、ルナが入ってきた。


 その他、リンや、カレン、ミツにヨナ・・・・・あれ?誰か足りないような。


「流石にまずいことだしね」

「ほおっておくのは危険」

「拙者の国、ジポンにも潜り込んでいる可能性があるのだぜよ!!」

「魔族側にもですのん」


 ちょっとまって、なんでこのいつも集まっているような人たちがここに?


「ふふふふふ、驚いたでしょう?退院するまではこの話は秘密にしていたのよ」

「え?どういうことですか?」


 ジャックはさっぱり話が飲み込めなかった。


「この組織が一番狙うとしたら、ジャックよ。というわけで・・・・」

(あ、物凄ーくイヤーな予感が)


 ジャックは久しぶりの嫌な予感を感じた。



「学園長特別命令!!ジャック、ルナ、リン、カレン、ヨナ、ミツ・・・この6人で各地を移動して!!ついででいいからおびき寄せられて出てくる対魔勇団をぶっ潰してちょいだい!!」

「職権乱用ですか!?」


 というか、やっぱり誰か足りない。


 いきなりの学園長のムリヤリな命令に、ジャックはツッコミを入れた。


「各地を移動してってどういうことですか!」

「流石に学園にいられると、ここが狙われる可能性があるからね。各地を点在してもらって行方を一時的にくらませるのよ。学園側としては休学扱いにして、旅費は国から特別に支給されるようになっているわ」


 早い話が、厄介払い。


「ひでぇ・・・じゃなくて!!なんでルナたちも入っているんですか!!と言うか、ルナは帝国からの留学生じゃん!!ミツとヨナは転入生だからいいけど、そこはいいのですか!?」

「そこはね・・・」


 と、学園長が胸から何か出したのは・・・。


「皇帝から直接いいともらっているわよ」


 あの親バカ皇帝がよくこんな無茶苦茶なことを・・・。



 ジャックは知らなかったが、皇帝からすればそのドタバタの隙にルナが見事ジャックの心を射止めきれれば、この対魔勇団の騒ぎが鎮まれば儲けもんだと考えてやったのである。


「私たちが入っているのはね」

「責任感」

「操られれて危害を加えてしまったことへの」

「せめてものお詫びですのん」


 リンたちがそういっているから、学園長も全員容認したらしい。


 いや、それなら自分一人だけの方が気楽なんですがとジャックがツッコミを入れようとしたところで気が付いた。


「あれ?そういえばロイスとシラタマは・・」

「ああ、彼らならもっと強くなって友を守れるようになるとか言ってあの大空に旅立ったわよ」

「もっと強くなるために・・・・・ん?」


大空に(、、、)



 気にしないことにして、とりあえずは・・・。


「つまり、その学園長命令は・・」

「各地をさまよって、ついでに武者修行も兼ねているのよ」


 要は、この対魔勇団の騒ぎが終わるまで旅していろという事か・・・・。


 国としても、こういった組織とかは後々厄介ごとになるから何とかしたくてこうしたらしい。



 こうして、(超強制的に)旅に出させられることにいつの間にか決まってしまったジャックであった。


 


 



学園生活から一転、旅に出されることになってしまったジャック。

この対魔勇団が片付くまでは放浪し続けることになってしまう。

ロイスはどうでもいいとして、他の女子達も一緒に旅させられるってのは何て罰ゲーム?

次回に続く!!


・・・・ロイスの大剣専門家との修行珍道中とか書いてみようかな・・・。

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