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閑話 ロイス=ボン

作品中、ほとんどいいところがないこの人です

 俺の名前はロイス=ボン。大剣を操り、可愛い我が子(シラタマ)の父親代わりとしている一介の適正者だ。


 学園祭から1日経ち、俺は目を覚ました。


 昨日、暗殺者とかいうやつが我が親友ジャックを狙っていた。


 俺たちは武器を持って一緒に戦おうとしたのだが、卑怯な手段によってその暗殺者の手駒にされて親友を殺しかけていたらしい。


 なんてみっともないんだ俺は!!


 親友を助けようとしたのに、むしろその逆で殺しかけてしまうなんて!!(正確にはルナさんが一番ダメージ与えたらしく、俺の攻撃は全て簡単に避けられていたようだけど)





 適正者になれたときは、俺は金がもらえることに関して歓喜していた。だが、今はどうだ!!


 金の話ではない!!親友の命がかかっていたんだぞ!!


 それなのに、操られて襲ってしまうとは・・・・・。







「・・・というわけで、どうか俺をもっと強くして、親友すら超える強さになって守れるようにしてください!!」

「なるほどね・・」


 現在、俺は学園長の前で土下座をして頼み込んでいた。ジャックは現在病院で眠っている状態。双頭体に無理をさせてしまったらしい。


 そこまで親友(ジャック)を追い詰めてしまったなんて・・・・(全く俺の攻撃は効いていなかったようだが)。


 この人の訓練は厳しいことはもうすでに誰もが知っていることである。


 だが、親友を襲ってしまったこのふがいない俺を鍛えられるのは、この人しかいないんだ!!


「ピヨヨヨヨヨ!!」


 シラタマ(可愛い息子)も一緒に体の構造的に無理があって土下座し切れていないが、一緒になって土下座してくれていた。



「はあっ、わかったわ・・・と言いたいのだけれども・・・」

「何か問題があるんですか!!」


 やっとOKかと思ったら、何か問題があるのか!?


 学園長はちょっと難しそうな顔をしていた。


「だって・・・大剣は私の専門外なのよ?これ以上強くなりたいんだったら私の訓練を受けるよりも、専門家の指導を受けたほうがいいわよ?」

「専門家!?」


 え、じゃあ学園長の今までの厳しい訓練って、もしかして専門家の方がやるようなものに比べれば・・・


「別にそういうわけじゃないわよ」


 違うの?


 聞くと、学園長の訓練はぎりぎりにまで追い込むことによって、限界を超えさせるらしい。


 だが、その方法だと当の前に限界を迎えている人には無意味になるそうで、学園祭の時点ですでに俺は限界らしい。


 ルナさんと、ジャックはまだ限界がないらしいけど・・・・・え・・・・・・。



「だからね、当の前に成長の限界を超えられなくなっているあなたには私の訓練はこれ以上無駄。ここからは、専門家の人に任せて技術を向上させた方がいいのよ」


 適正者には、様々な武器を持つ者がいる。


 大剣、長剣、サーベル、レイピア、出刃包丁、大斧、トマホーク、ハンマー、ハリセンなど。


 それぞれの武器の扱い方や戦い方を極めた人も当然いて、そのような人たちの総称を「武器職人(ウェポンベテラン)」とも言うらしい。めんどくさいので最近では普通に専門家と呼ぶらしいけど。


「だったら、その専門家の人を!!」

「それが簡単にできたらもう紹介しているわよ」

「え?」


 この専門家、それぞれたった一つの武器を極めた人たちらしいのだが、各専門家とも現在行方不明。


 適正者なので、モンスターを狩るはずなのだが、更に極めるために様々な猛者たちに挑み続ける武者修行の旅をしているというのだ。


「で、この専門家たち全員の共通点がね、極め過ぎたことによって起きた悲劇・・・」

「悲劇・・・?」

「全員、重度の方向音痴&地図が分からないらしいのよ」

「は?」



 その武器の道を極めた専門家たち。だが、ありとあらゆることを犠牲にし過ぎて方向感覚なども犠牲にしてしまったのであるという。


「ある時は密林、ある時は氷山の一角、ある時は砂漠のオアシスの中と神出鬼没。そんな人達の中で、大剣を極めた専門家を見つけようとするのは、たとえで言うならば私が結婚できるようなものなのよ・・・」


 説得力がありすぎて怖い。


 というか学園長、それってつまり自分が結婚するのは不可能とも言っているよいうなものですよね?


「それじゃあ、俺はこれ以上強くは・・・・」

「まあ、手段がないわけじゃないわよ」

「え?」


 学園長の眼がきらりと光った。







「あの・・・学園長・・・」

「何かしら?」

「いや、これってもしかして・・・」

「ピヨヨヨヨヨ・・・」


 ロイスとシラタマは恐怖のあまりに震えた。


「もしかしてって?」

「今俺たちが入れられているのって・・・」

「『気分次第(どこに行くのか)(わからん)大砲(カノン)』・・・爆発系の魔法よ」



 魔法によって顕現した古代にあったという兵器「大砲」とかいうのを再現した物の中に俺たちは入れられていた。


「専門家はどこに現れるかはわからない・・・・だったら、いっそ適当にどこかに飛ばされるこの魔法で適当に向かって(逝って)探しに行け(逝け)ばいいのよ」

「それ死亡確定していませんか!?」

「ピヨヨヨッ!?」

「覚悟はあるんでしよう?それに、普段ボコすかやられているあなたなら平気よ」

「これ確実にあの世へGOしますよ!?」

「発射」


ドカァァァァァァァァン!!


「無慈悲ですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「ピヨォォォォォォォォォォォォォォッ!!」


 こうして、シラタマと共に、俺達はより強くなって、親友やルナさんも守れるぐらい強くなるためにあの大空へと旅立ったのであった・・・・・。


「しばらく休学扱いにするから、帰ってこれたら宿題は山もりよ・・・」




後日、ロイスが吹っ飛んだのは別の大陸にある国らしいと手紙が届いたそうな。

奇跡的な確率で、大剣に関する専門家にもあえて、現在修行中らしい。


親友をも守れるために旅立ったロイス・・・

居なくなったことに気が付かれたのは、ジャックが退院してからであった。

そんな友人の事を聞き、驚くジャック。果たして、彼はどうするのか。

次回に続く!!


・・・ロイスはね、お星さまになったんだよ(死んでいません)。

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