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85話

本日2話目

狂気じみたやつって結構難しいなー

 学園祭がついに開催された。


「お前ら!!絶対やるからには成功させるぞ!!」

「「「「おうっ!!」」」」


 ジャックたちは出し物の店の中で気合を入れた。全員が執事の格好をしているので微妙だが。


 全員この日のためにレンタルしてきた執事服を着用し、本格的な店になるように協力し合ったのである。


 ちなみに、シラタマは黒い小さな蝶ネクタイをつけた簡単な格好である。これが一番シンプルでかわいいからね。


「マスター!!似合いますか!!」

「ちょっとフリフリが多いのじゃが・・・」

「まあ、いいんじゃないか?」


 シロとクロの二人は、店のメイドとして活躍してもらうためにメイド服を着用してもらった。


 どんなものが良いのかわからなかったために、他の男子にプロデュースを任せたのだが・・・なかなか似合っている。


 なお、猫耳が付いているのはメイド服がシロもクロも同様のデザインだったので、何かしらの差別化を図ってシロは白猫、クロは黒猫のものをつけてもらっていた。アイディア出したのはロイスである。


 ピコピコ動いているのは魔道具の一種の性能らしく、本来は周囲の音を聞くための物らしいが、こちらもレンタル品であった。誰が考えて作ったんだろうその猫耳魔道具・・・・。


 男子の何人かがその姿を見ただけで鼻血を吹き出して、急いで掃除する羽目になったが・・・とにもかくにも、「執事喫茶」開店となった。


 なお、執事の指導として学園長の訓練の倍加の代わりに、城から一流の人を呼んでもらって全員に訓練を施してもらったのである。


 学園長はこの頼みを聞いて、ちょっとニマニマ笑っていたけど・・・・。



 一方、ルナたち女子側の方も判明した。


 どうやらあちらはメイド喫茶のようである。



 女子側も本気で勝利を狙っているらしく、ジャックのクラスは男子VS女子という構図になった。


 上級生たちも同じような状況らしい。


 なお、本日適正者全員武器を外している。


 校則では常に携帯が原則だが、本日限り限定携帯しなくてもよいらしい。


 モンスターが出現したら即討伐しに行かなければいけないと思われていたが、こちらはOB適正者の方々が代わりにやってくれるそうで・・・・。



 とにもかくにも、学園祭が開幕された。







「8番テーブル!!ジュースのおかわり!!」

「コーヒー豆が足りなくなっているよ!!」

「砂糖と塩を間違えているぞ!!」


・・・・喫茶店のメニューは食堂の調理場を借りて作っているのだが、地獄絵図と化していた。


 思った以上に来客が殺到して注文がじゃんじゃん入ってきた。慌てて料理を準備し、果物を絞り、運び、食器を洗い・・・・。


 材料がなくなりかけると、調達組が適正者の身体能力を生かして超高速で買ってくるのだが、いくらやってもきりがない。


 ジャックたちはあわただしく働き、昼頃になってようやく落ち着いてきた。


 他の出し物の方に昼食に向いたものが多いので、そちらに行ってしまったんだろうが・・・助かった。


「な、何で予想よりも多かったんだろうな・・・・」

「いや、原因は物凄く明らかなんだが・・・・」

「ん?」

「へ?」

「ピヨ?」


 男子の視線が、ジャック、シロ、クロ、シラタマに向いていた。


 そう、原因はこの1人と2剣と1匹である。


 ジャック自身、無自覚だがそれなりにモテる。あと、シラタマはキュートなマスコット。


 そのため、この1人と1匹には女性客が集中。


 一方、シロとクロは元から美少女だが、今回はメイド服である。


 そのため、こちらには男性客が集中。


 その相乗効果により、激務が発生したのである。


 

 なお、女子達の方もにぎわっていたのだが、男性客のセクハラなどで何人かが激怒して暴れて営業停止状態となっていた。


「結局こういうことになるのですわね・・・」


 ルナがため息をついて、席に座っていた。


 女子側が営業停止となったことにより、まだ仕事をしていたい人たちがこちらに来て、メイドが増えた。


 だが、セクハラを受けた女子はすでに普段着の方に着替えてしまっている。


 この後は他の出し物を見回るそうだ。その前に今はシラタマを堪能しているようだが。


 よく見るとナニワがシラタマグッズをおまけで販売している。抜け目ねぇな・・・。



「そういや、そろそろ休憩時間だな」


 さすがに連続ぶっ通しで働くのはきついので、2時間ほど店を休店させて、全員休憩して他の出し物を見て回るのである。


 まあ、この休憩時間の間に追加の買い出しなども行うのだが。


「やっと休憩ですか」

「疲れたのじゃ・・・」


 シロとクロの二人もへとへとなようであった。


「他の出し物を見て回るけど・・・どこから見に行く?」

「食べ物系は無理ですので・・」

「この劇とかに行くのが面白そうなのじゃ」


 この学園祭で出される出し物のリストを見て、クロが指さしたのは上級生主催の劇。


 これなら確かに楽しめるかもな。


「あの、ジャック、わたくしも一緒に見に行っていいですの?」

「別にいいよ」


 ルナが聞いてきたので、まあ別にいいかとジャックは思って返事した。


「私たちもついでに行くですのん」

「拙者もこういうのは好きぜよ」


 ヨナとミツの二人。


「俺も見て見ようかな」

「ピヨ!!」


 ロイスとシラタマも加えて、全員でこの劇を見に行くことに決めた・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「きゃははははははっ!!」


 一方、学園の劇が行われる会場の裏で、何者かの笑い声が聞こえた。


 わらっている人物の足元には、この劇に出る予定だった上級生の適正者たちが数人ほど倒れていた。


「武器を持っていない同じ適正者はこうも弱いのサ!!みんな(、、、)こいつらに成りすまして、劇を行うのさ!!」


 そう言って笑いながらその人物が手をかざすと、魔法陣のようなものが現れて、そこから黒い人形のようなものが出てきて倒れている適正者たちの影の中に入り込んだ。


 すると、倒れていた適正者たちは起き上がったが、目は何処かうつろである。


「仮面をつけて行う劇だからこれでばれないのサ!!ターゲットが見に来たら、クライマックスのところで明かりを消して暗闇の中一斉に襲うのサ、きゃははははははっ!!」




 この時、このような事態になっているとはだれも思ってもいなかった。


 本来、学園内は普段なら学園長の眼が光ってみている。


 だが、今日この学園祭の時には運悪く国外の方にモンスターが出たらしく、しかもそれがかなりの大物だったので学園長自身が出て、そっちの方に向かっていってしまっていたようであった・・・。




休憩がてら、劇を見に行くジャックたち。

劇のタイトルは「仮面舞踏会」、この国のおとぎ話の一つであった。

そんな中、静かに迫り来る者たち・・・・

次回に続く!!


・・・狂気じみたやつって難しいなー。話し方的には、どこぞやのピンク玉の敵のやつを参考にしてみたんだけどなー。


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