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84話

ちょっと出てきてたやつの名前判明

 学園祭・・・それは、ご褒美をかけて争う適正者たちが多数出て開催される、外部からなら平和の祭典、内部からしたら死闘の祭典である。争い、負けたら地に沈み、勝利した者たちだけが栄光を手に入れられる激しき戦いの場であるのだ。


「おい、そんな感じなのかよこの学園の学園祭って」

「そういう感じやで。わいの予測やと、今年はさらに学園長立案のご褒美のせいでさらに激化するのではないかと言われているほどや」


 ジャックは、どことなく大げさな感じの説明をした、ハリセンを持った同級生にジト目を向けて尋ねると、まさにその通りだと返事を返された。


 ハリセンを持ったこの同級生の適正者・・・・・自称「この学園一の情報通」、ハリセンという変わった武器を手にした男子、ナニワ=サイカンである。


 ナニワは自称の通りかなりの情報通らしいが、情報料金がやや高い。だが、その分かなり信頼性が高いのである。


「わいが手に入れた情報やと、出し物としては、お化け屋敷、綿あめ、射的・・・・などなどやる人が多いようやが、大半は飲食関係になるようやで」

「飲食関係か・・・」






「・・・というわけで、飲食関係の出し物が多い中で、俺たちは何を出店するのか決めたいと思います」

「「「「「イエ―――――イツ!!」」」」」


 ジャックが号令をかけると、今回の学園祭で出し物を一緒にやる適正者たちが歓声を上げた。


 学園祭開催まであと1週間ほど。


 なぜ、ジャックが仕切っているような状態になっているのか・・・・。


 話は2日前のゴリアン教官が話し終えて教室から出ていったところから始まる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ジャック!!俺たちと出し物を組んでくれ!!」


 ・・・・ジャックはクラスの男子の大半に土下座されて頼み込まれた。


「え?なんで俺?」


 あまりにも急すぎて、ジャックは理解できなかった。



 なぜこうなったのか?実は、ご褒美の内容が問題であった。


学園長考案の『選んだ人とキスできる券』もしくは『会員限定公式シラタマグッズ1年分』。


 金は皆どうでもいい。この二つが原因なのだ。


 前者は男子が、後者は女子で見事に真っ二つに分かれたのである。


 そのため、男子と女子とで自然に分かれてしまっていたのだが・・・・


 ここで出てくるのがジャックとロイスの存在。


 女子側はロイスを引き込もうとした。


 なぜなら、ロイスが来れば確実にシラタマも付いてくるからである。


 だが、ロイスは男子側についていた。


 残るはジャックなのだが、ジャックの武器が聖剣・魔剣でその剣たちが人の姿をとれることはみんな知っている。


 そして、その姿が美少女だということも。


 ここでジャックも引き込めればこの少女たちもおまけで付いてくる。


 そうすれば、喫茶店などをやって、この剣の二人に接客でもさせれば確実に客をとれると踏んだのであった。



 そのためジャックに土下座して頼み込んだのだが・・・・。


「俺は金の方が気になるんだけどな」


 券やグッズよりも、現実的思考であった。


「そもそも、女子の数がこの二人じゃ確実にダメだろ」


 普通に考えれば相手側の方が多い。


「だったらジャックには何かいい案があるのかよ!」

「ない!!」


 はっきりジャックは答えた。

「だったらどうかおねがいしますよー!!」

「このままじゃ、俺たちはこのチャンスがなくなってしまう!!」

「だいたいお前が女子にモテているからいけないんだぞ!」

「そうだそうだ!!」

「はぁっ?」


 男子のその発言にジャックは呆れた声を出した。


「いや、別にモテていないんだが・・・」

「うそこけ!!」

「この間の休日の時に女子に囲まれていたとかいう情報が!!」

「情報通の情報だし!!」

「証拠だってほらこんなに!!」

「いやでも、これは・・」

「まだしらを切るのかよ!!」

「俺たちはどれだけの汗と涙と血を・・・!!」

「あの、」

「だからどうにかしてください!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 というわけで押し切られ、なぜだが現在仕切り役にされてしまっているのであった。


 まあ、乗り気では無かったものの、やるからには全力を尽くしてやろうかとジャックは思い、こうしてナニワから情報を仕入れてどのような出し物をするか決めることにしたのである。



 次々と意見が出されていき、最終的にジャックたちは「執事喫茶店(メイド2名含む)」を行うことに決めたのであった。



 一方、女子側でも何やら出し物を決めたようだが、互いに学園祭の日まで秘密なようである。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



丁度そのころ、首都の宿屋で集まっていた対魔勇団は、とある人物が来るのを待っていた。



 部屋の扉が開かれ、その人物が来た。



「おお、よく来てくれたな」

「きゃははははははっ!!面白そうな依頼だったからサ!!」


 代表格である男が出迎えると、その人物は何処か狂気じみた笑い声をあげた。


「これも我らが目的のため、とある人物の殺害を依頼したいと言ったが・・・・受けてくれるとは」

「きゃはははっ!!こういう依頼ほど、面白みがあるってもんなのサ!!相手が面白そうならどんな依頼でも受諾する!!それがミーのモットーなんだよ!!」


 対魔王勇団は狂気じみている組織。だが、この人物はそれよりもはるかに上を行く狂気を感じさせた。


「にしても、面白そうなものもやっているみたいなのサ!!これに乗じて、必ず成功させてやるのサきゃはっははっははははっははっは!!」


 狂気じみた笑い・・・・それは、どことなく怖ろしいものを彼らにも感じさせたのであった・・・・・。




 

開催される学園祭。

ジャックたちは喫茶店を開く。

一方、忍び寄る影が・・・・

次回に続く‼︎


・・・ハリセン持ち適正者に、ついに名前がついた。

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