83話
主人公出番なしの話
短め
「対魔勇団ですのん?」
「はっ、我々とは相容れぬとでも思ったのか、脱退した者達が作り出した組織です」
放課後、ヨナは魔王崇拝集団からの使いに報告をしていたら、その話題が出た。
「勇者や魔王様がいたということをなかったことにしたい狂ったやつらのようです」
「無理に近いのに、なんてやつらですのん」
歴史上、しっかり勇者と魔王がいたというのは残っている。そんな歴史をなかったことにしたいなんて、狂っていると思えた。
「やつらは、我々側にも攻撃を仕掛けてきて、被害が出ているのです」
魔王崇拝集団も、魔王のことに関しての記録が多々あり、そのため狙われやすいとか。
「むう・・・ジャックにも危害が加えられる可能性があるですのん」
聖剣・魔剣どちらも勇者と魔王を象徴する剣。
その両剣とも破壊目的で狙われる可能性がある。
それらを所持しているジャックもだ。
警戒を強めようという話になり、その日の報告は終わった。
同時刻、ミツも勇者崇拝集団から同様の事を聞いていた・・・
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首都内のとある宿屋。
そこに集まっている者達がいた。
灰色のスカーフを皆首に巻きつけ、それぞれ全身を灰色っぽくしていた。
「・・・両陣営に我らの存在が知れ渡ったようだ」
一人がそう呟くと、周りがざわめく。
「我らの目的、勇者と魔王の存在をなかったことにすること」
「我らの目的、人間と魔族に争いを引き起こさせること」
「我らの目的、両種族とも減らし我らが台頭し導くこと」
「我らの目的のために何をすればいいのか」
一人が疑問の声をあげる。
すると、別の人が言い始めた。
「一つ、記録を抹消」
「二つ、聖剣・魔剣の破壊」
「三つ、聖剣・魔剣所持者の殺害」
「四つ、崇拝集団どもの駆逐」
「五つ、国を乗っ取る」
「「「「「そして、人間・魔族に争いを」」」」」
全員で同時にそう叫び、宣言した。
彼らは「対魔勇団」であった・・・
   
狂気に染まった集団ってこんな感じかな・・・
 




