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82話

本日2話目だよん。

81話少々改良しています。

「学園祭?」

「そ、今度やるっぽくてさ、このクラスでも出し物を出そうかという話をしているようだぜ」


 秋が深まってきた今日この頃、朝教室内でジャックはロイスから学園祭の情報を聞いていた。


 エーランド学園は適正者専用の学園。


 普段は一般人は入ってくることはないらしいが、この学園祭の時期だけは誰でも入れるようになるらしい。


 そういったところは学校らしくしようとしているのである。


「適正者のクラスごとに出しものとかをやって、一番評価が高かったところに何かしらのご褒美があるようなんだぜ」


 ロイスがこの情報を知っているのは、クラスの情報通から得た情報らしい。


 本当は女子の情報を集めていたらしいが、ついでにもらったそうだ。


 


 話に興味が湧いているうちに、授業開始の合図が鳴った。


 先生が入ってきたが・・・ゴリアン教官である。


 ちなみに今はまだ1限目で、午後の訓練授業の時間ではない。


「諸君!!いよいよ学園祭の時期がっ!!迫ってきたのであるっ!!」

(((なんでゴリアン教官が仕切っているんだ・・・・?)))


 その場にいた全員の心が一致した。相変わらずマッスルポーズをいちいちとっている。


「本来ならばっ!!諸君らの担当をするのは他の先生方!!しかぁぁぁぁしっ!!今回の学園祭は一味も二味も三味も違うのだっ!!」


 一つ余計に多いんですが。


「今回の学園祭ではっ!!最も評価の高かったクラスに!!何かしらのご褒美が出されるのは例年通りだっ!!」


 話によるとご褒美の内容は、授業3日免除、テストの点数20点+、首都内の飲食店1週間タダ券などあったそうだ。


「だがっ!!今年はもう一つおまけのご褒美があるっ!!」

「おまけの?」


 全員が疑問を浮かべた。


「それは・・・『適正者に支払われるお金3ヶ月分』か、学園長考案の『選んだ人とキスできる券』もしくは『会員限定公式シラタマグッズ1年分』だっ!!担当していた教員には給料Upもでているっ!!」

「「「「うぉぉぉぉぉぉぉっしゃぁぁぁあぁぁぁっ!!」」」」

「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」


 女子と男子からそれぞれ歓声が上がる。


 券は男子から、グッズは女子の方でやる気を上げたようである。お金の方は全員どうでもいいようで。


 というか、その給料Upが教官の狙いだよな。


「しかぁあぁぁあっし!!全員が獲得することはできない!!」

「「「「「え?」」」」」


 全員から疑問の声が上がる。



「出し物を作るかは個人の自由と来たっ!!仲良しでグループを作ってやるのもよしっ!!一人で孤高にするのもよしだっ!!」


 クラスとか、学年とか関係なくやっていいという事である。


 つまり、自分一人だけ手に入れることもできるし、協力して手に入れることもできるという物である。


「なのでっ!!今から学園祭が開催されるまでの間は授業は休校のようなものだっ!午後の訓練授業とっ!!モンスターが出たときの対応はいつも通りだがっ!!これから精いっぱい準備をしてくれっ!!」


ゴリアン教官が言い終わった後、全員が素早く学園祭に向けて動き始めた・・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「これで、派手に動けるかしらね・・・」


 学園長は、各学年のクラスの様子を魔法で見ながらつぶやいた。


 今回の学園祭でこのような事をしたのにはわけがある。




 ミツとヨナを密かに監視していた人や調べていた人たちからの報告を受け取った。


 内容は、それぞれやはり勇者崇拝集団・魔王崇拝集団と関わっていたというものだったが・・・。


「集団にも、内部分裂が起きているのね」


 延長線上で調べてみると、それぞれの集団でどうやら過激派とやらができて動き始めたらしい。


 しかも、それぞれの派閥から出た過激派同士がまとまって新たな勢力となっているようである。


「この過激派の方が厄介そうね・・・」



 勇者崇拝・魔王崇拝集団は穏健派のようなものだ。


 そこまで物凄く目立った活動をするわけではないが、魔族と人間が仲良くすることに異議を唱えているので問題視されている。


 だが、過激派・・・・「対魔勇団」と名付けられているというこれが厄介である。


 彼らは勇者・魔王をむしろなかったことにしたい集団らしい。


 この勇者と魔王があってこそ、今の人間と魔族が仲良くなっている状況。


 その存在をなかったことにして争いを生み出したい、いわば戦争狂みたいなものに変貌しているらしい。


 歴史上、この二人が出たのはどこの国の記録にもあるのだが、その記録を隠滅しようとしたりして博物館などで被害が出ているのだ。


 そこで問題になってくるのが聖剣・魔剣所持者の存在。


 聖剣と魔剣、この二つの存在こそがまさにかつて勇者と魔王がいた証拠。


 それを所持しているジャックもその二人の生まれ変わりみたいなものだから・・・・


「全力で消し去りたいと思うわね・・」


 この学園がその争いに巻き込まれる可能性がある。


 そうなることは避けたいけど、遅かれ早かれまずい事態となる可能性が高い。


 だったらいっそのこと、ここで学園祭にて生徒同士を争わせることによって、そのどさくさに紛れてくるであろう「対魔勇団」の刺客を撃退できればよいのではないか?


 騒ぎになりかけたとしても、出し物の一つですとか言って何とかごまかせるだろうし・・・



 とにもかくにも、警戒を強める必要性を学園長は思ったのであった・・・。

「対魔勇団」・・・本来は、勇者と魔王どちらも崇拝していた者たちの集まり。しかし、魔族と人間が嫌いになりすぎて、いっそ戦争でも起こしたらどちらも大量に減らせるのではないかと過激な思想を持った集団が創り上げた組織。


・・・・どこの世界にも、過激派というのはあるんですよ。

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