6話
毎日投稿目指せ!!
とりあえず、夕食の時間となったのでジャックは寮の食堂に向かった。
剣は部屋に置いておこうかと思ったが、適正者に渡された規則表を見ると、
「『第2条、適正者の武器は手元に置いて自分で管理しておかねばならない』か・・・」
要は常に持ち歩けという事である。
なので、左右にそれぞれ帯刀して食堂に向かうと、意外に食堂が広く、今日の水晶の儀で適正者だった人たちでにぎわっていた。
そして、それぞれ背中にメイスや斧を背おっていたりする人がいたが・・危なくないか?
「あ、おーいジャック、ここだここだ」
「あ、ロイス・・・・ん?」
夕食を受け取り、何処で食べようかと思ったら、ロイスが声をかけてきたのでその隣で食べようかと思ったが、あるものが見えたのでその正面に座って食べることにした。
ロイスの左右の席は空いていた。なぜなら彼の武器は大剣。席に座るなら武器を横に置いたりするのだが、何を思ったのかこの親友は背中に背負ったままだったからである。
うかつに横に倒れてきたら危険極まりない。
「・・・横に置いたりしないのか?」
「いや~、なんかこうしてるほうが落ち着くんだ」
照れるように頭をかくけど危険すぎるからな。あっているけど違う意味で危険人物になっているぞ。
まあ、気にせずジャックは食事をとることにした。今日のメニューは定食セットである。この食堂のメニューって見ると結構あったけど、ゲテモノが多いのだが。「目玉(生き物)焼き」、「虫のソテー」とか何を考えているんだここの料理人。まともなのが少ないじゃん。
聞いた話だと、適正者が学園で受ける訓練の中にはなぜかサバイバル訓練があるそうだが・・・それに慣らすためにか?
ジャックが適正者になりたくなかった理由はその訓練もあるのであった。
「にしても、ジャックが触れた後に水晶が割れたのは驚いたぜ」
「それは触れた本人でも同感だ。そのあとに今のこの二つの剣が出てきたしな」
食事をしていると邪魔だったので、膝の上に置いた剣をジャックは指さした。
鞘をしていてもまだ存在感があるこの剣は周囲の視線を集めていたが、ジャックは気にしなかった。
(いちいち気にしても仕方がないしな)
ジャックのことはすでにこの場にいる人たちの間に知れ渡っていた。水晶が割れたのも驚くが、何よりその二つの剣が皆の好奇心を寄せたのである。
だが、そう他人に来やすく話しかけられるほどでもないので、皆ジャックとロイスのやり取りに耳を傾けていた。
「ちょっと、何を話しているのよ」
「おっ、胸無し番ちょぐぼうっ!?」
「誰が胸無し番長だぁぁぁっ!!」
ジャックたちが話していると、そこに二人の少女が会話に入ってきたが、ロイスが何か言った瞬間にそのうち一人の少女は腰のメイスをロイスの顔面にめり込ませた。
一応手加減されているようだし、適正者となったことにより身体能力が上がっているのでロイスの顔がつぶれたアンパンみたいになったが、すぐに元通りになっていた。
というか、ロイスの打たれ強さはその少女が9割ほど原因であると言っても過言ではないが・・・1割はジャックである。
「今日の水晶の儀のことについて話していたのだが・・・ロイスの顔にメイスはひどくないかな?」
「イスつながりでちょうどいいじゃない。このアホにはこのぐらいがお似合いよ」
「リン、さすがにそれは本当にひどいような、かなりあっていてむしろもっとひどくすべきだと思うけど」
「カレン、お前が一番ひどいことを言っているような気がするぞ」
カレンの発言に、ジャックはツッコミを入れた。
気の強く、胸がない方がリン。何気に毒舌なおとなしく、リンとは比べ物にならない物を胸に持っているのがカレン。
初等部、中等部からの腐れ縁でもある幼馴染たちであった。
なお、顔が元通りになっているがロイスはまだ三途の川を渡りかけている状態であった。
幼馴染み達登場。なお、比べ物にならないというものは語るまでもない。