76話
ちょっとずつ主人公は成長しているんですよ。
午後の授業の訓練の時、新しく転入してきたミツとヨナの二人も加わってきた。
「今日の訓練はっ!!新たな仲間が加わったのでっ!!この二人と実力勝負をしてもらうっ!!」
相変わらずムキムキとポーズを決めるゴリアン教官。
夏休みの間に、あのクラーケンの時の経験からさらに鍛えたらしいが・・・魔法を使うタイプの適正者ですよね?
身体を余計鍛えてどうするんだ、と全員そう思った。
「勝負の相手は!!この二人に決めてもらうっ!!」
というわけで、対戦相手を二人が決めたのだが・・・・。
「なんで二人とも俺?」
ジャックが二人に指名された。
「拙者としては、剣が違えど同じ剣士の様な感じがしてぜよな」
「私は鞭の苦手な相手をね、のん」
「いやでも、俺以外にもいるよね」
剣なら他の適正者もいるじゃん。
「ならばっ!!二人同時の相手をすればよいではないかっ!!」
「どうしてそっちになるんだよ!」
2VS1ってきついって!!
だが、ゴリアン教官は聞く耳持たず、ジャックVSミツ&ヨナとなった。
「こちらもペアが欲しいんですけど」
「まずはこちらの生徒の力を見せてやれい!!」
ダメだ、この人聞く耳持たねぇ。
渋々ジャックは剣を構えた。
「こうなったら最初から本気で行くからな・・・」
もうさっさと終わらせるしかない。というか、他の男子からの目線がものすごくいたいんですが。
「本気なら、拙者も本気で行くぜよ」
「この学園の実力を見るのですのん」
あちらさんも本気のようだけど・・・・一気に終わらせるか。
「それでは、ジャックVSミツ&ヨナ始め!!」
ぱぁぁぁぁん!!と、ゴリアン教官が手を打ち鳴らして開始の合図を鳴らした。
「先手必勝!!」
すばやくジャックが地面を踏み込む。
そのまま一気に蹴り上げて加速し、真正面から攻めた。
帝国にて、あの神速の槍使いの人の走り方を参考にしたのである。
その素早さに驚いたのか、二人とも目を丸くした。
そこが隙となり、ジャックは素早く聖剣・魔剣ともに斬り込む。
とはいっても、本気で体を斬るのではなく、皇帝が大剣を扱っていた時のように剣でたたき込むといった使い方である。
瞬時にその場を抜けて剣を鞘に収めたときには、二人とも何をされたのかわからぬまま、その場に倒れたのであった。
「・・・『疾風斬り』かな?」
今のに技名をつけるならこういう風かなとジャックはつぶやいた。魔法とかにも名前はあるんだし、こういう物にも名前を付けた方が良いかな?
剣で相手を素早く連打して、一気に気絶させるだけの技。
あまりにも早く動くので、モンスター相手に斬りかかろうとしても、うまいこと斬れない可能性があるからちょっと使えないかな?
とにもかくにも、あまりにも早く決まったので、その場にいた全員はあっけにとられた。
「は、速過ぎだろ・・・・」
「見えなかったぞおい」
周りがざわめくが、ルナはジャックの今のやり方が帝国での経験を生かしたのだと理解した。
とりあえず、気絶した二人は保健室行きとなった。
その後、訓練の授業中は目を覚まさなかったようで、この話を聞いた学園長にこの後ジャックたちはさらに厳しい訓練を受ける羽目になった。
や、やらなきゃよかった・・・・・・とジャックは後悔したが既に遅し。
この日の学園長は、いつもの3倍は厳し訓練を行ったのであった・・・・。
ジャックの剣を受け、気絶した二人。
二人ともジャックの強さを確認し、どこかへ連絡する。
密かに動いていく物語・・・・
次回に続く!!
・・・・結構夏休みの間にレベルアップ。ジャックは強くなったが、学園長からの訓練も厳しさを増した!!




