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67話

N6784DN 「魔物使いは自由に生きたい」も連載開始しました。こちらは、毎日更新と言うわけではなく、前作「適当に生きたいただの魔物使い(重要)ですがなにか」の最終話に出てきた二人の話となります。ご興味のある方は、読んでみてください。

(し、しまった・・・・一生の不覚!!)


 レント皇帝はそう思った。


 この部屋にいるのが自分で、今こうして姿をジャックに見られてしまったのである。


(ど、どうすればいいんだ・・・・)


 いつもの冷静さを失いかけて、焦ったその時だった。


「・・・・誰ですか?」

「へ?」


 まさかのジャックのその質問に、皇帝は目を天にさせた。


 と、ここで気が付く。


 そういえば、面としてこうして会うのは始めてだと。


(ということは、つまり・・・・)


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 ジャックはジャックの方で驚いていた。


 物音がしたので見て見ると、何やら壺のようなものを手にもっている男性がいたのだ。


 だがいったい誰なのか、ジャックはわからなかった。


 この人こそが、このギアス帝国現皇帝、レント=ギアスである。


 しかし、こうして多岐に面として向かうのは始めての事だったので、ジャックは皇帝だとは気が付かなかった。


 ジャックのことを皇帝はわかったのだが、ジャックの方は皇帝のことを誰かが分からなかった。


 皇帝の見極めの方がこの場では上だったようであった。


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 皇帝の方は、ジャックが自分がこの国の皇帝とは気が付いていないという考えにたどり着いた。


 そもそも、こうして顔を合わせるのは初めてだったのであるから。


 だが、わかっていないのならこの場は好都合。


「ゴホン、わ、儂はこの部屋に迷い込んだただの人だ」


 ごまかそうと皇帝は思った。

 

 この場はこうして皇帝とは違う全く別の他人としてふるまい、表彰式の時には顔を合わせるだろうが、そこは後で何とかごまかす方法を考えることに決めたのであった。



「ただの人ですか・・・もしかして、あなたも何かあってこの部屋に閉じ込められたのですか?」

「あ、ああそうだ。儂も何やらこの部屋についうっかり閉じ込められてしまったのだよ」


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 ジャックは皇帝の言ったことに納得した。


「なるほど・・・と言うことは、この部屋に来る仕掛けは誰が仕掛けた物なんだ?」



 それは偶然の産物であった。


 ジャックと皇帝、互いに直接出会っていない者同士で、それぞれの状況理解の相互がこの状況を生み出したのである。


 もし、ジャックが相手を皇帝だとわかっていたら。


 もし、皇帝がジャックをジャックだと直感的にわからなかったら。


 どちらの未来も悲惨な結末があったであろう。


 互いに、面として向かい合ったことがなかったので、このような状況へとなったのであった。





「とにもかくにも、互いにこの部屋に閉じ込められたのなら協力して何とか外に出られないか探してみませんか?」


 ジャックは皇帝にそういった。


 いや、皇帝だと知らないから言えたのである。


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(互いに協力か・・・好機!!)


 これは願ってもみないチャンスであった。


 皇帝自身はこの部屋の仕掛けのことを知り尽くしている。


 なので、協力して脱出する振りをして、うまいことこの部屋から出られればいい。


 そして、表彰式の時に出会うことになろうが、その時までに何とか考えておけばいい。


「・・・わかった。協力して共にこの部屋から脱出しよう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 どうやら、この男も協力してくれるようなのでジャックは安心した。


「ともかく、おそらくどこかに出られる仕掛けのようなものがあるはずです」

「うむ、それを探せばよいのだな」




 と言うわけで、二人で探すことにした。


 ジャックは壁際、男の人は銅像などを触ってである。



(どこかに仕掛けはないか・・・?)








 20分ぐらい経過したころであった。


「あったぞ!!」

「本当か!!」


 男の人の方に行くと、いろいろ飾られていた台が横にずらされており、その下に何やら階段のようなものがあった。


「出入りできる場所としては、これぐらいしかないからな。おそらくこれでいったん下にいったあとに、上に登れるに違いない」

「よかった・・・これでこの部屋から出られる・・・」


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(もしもの時のために作っておいた避難経路だが・・・・まさか役に立つ時がこようとはな)



 皇帝は内心安堵した。わざと時間をかけたのは、すぐに見つけては怪しまれると思ったからである。


 これまでの経験を生かして何とか自然な時間までじかけ、この階段を出したのであった。


 なお、階段の出口は城内の廊下につながっているのだ。




 かくして、皇帝の秘密は一時的にばれない物かと思われた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「・・・やっと外に出られた」


 階段を使い、どうやら城内の廊下に出られたようでジャックは安堵の息を吐いた。


「と、とにかく儂はここでしつ、」

「あれ?お父様・・・?」


 廊下で、ルナにジャックたちは鉢合わせをし、ルナは皇帝に対してお父様と呼び掛けてしまった・・・。








廊下でルナと鉢合わせしたジャックと皇帝。

ついに皇帝の秘密が知られてしまうのか!!

そして、どう皇帝は出るのか!!

次回に続く!!


 ・・・こういうときって、ジャジャジャジャーンとかいう感じの低い曲を流したいかも

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