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65話

現実がそろそろ忙しくなってきますので、少しだけ投稿が遅くなる可能性があります。

「と言うわけで、これから表彰式の日まではこの部屋に寝泊まりをしてくださいですわ」


 適当に安い宿屋にいると、ルナが馬車に乗ってやってきて泊まれる許可をもらったと言って、ジャックはギアス城の客人専用の部屋に連れてこられた。


「なんか・・・高そうだけどいいのか?」


 絨毯がきちんと敷かれ、きれいに整えられた感じの部屋は明らかにものすごい高い宿のような感じがした。


「大丈夫ですわ。お父さん・・・皇帝も許可いたしましたし、この部屋でご自由にお過ごしてくださいですわ」


 まあ、2日後に表彰式だからそれ以降はすぐに王国へ帰国しようと思っているし、短い間だからいいか。


 ・・・・ちょっと落ち着かないけど。








「・・・・寝れん」


 夜中、ジャックはベッドで目がさえてしまっていた。


 シロとクロの二人は剣の姿のままですでに寝ているようである。


 ちょっと目がさえてしまっているので、少し城の中を歩くことにした。


 一応客人扱いらしく別に出歩いても構わないらしいからな。



「にしても、物凄いよなこの帝国・・・」


 城の屋上で城下街を見て見たが、あちこちに灯がともっており明るかった。


 星空が見えにくくなってはいるが、暗いところが余りなく犯罪者とかも隠れにくそうな感じである。



ガタン


「ん?」


 ふと、物音がしたので気になったジャックはその方向へ行くと・・・・。


「なんじゃこりゃ?」


 変な銅像が一つだけおかれている行き止まりだった。


 銅像だけで、物音がするようなものはどこにもない。


 

「しかし・・・・結構変な銅像だな」


 何を模したのかは知らないけど、見たことがないような生物の銅像だった。


 頭がでかく、二頭身ぐらいか?


 ひげが数本、首輪に鈴、腹の方には袋が付いている感じだった。


「案外この鼻が何か隠された仕掛けを動かすような物だったりして」


 ジャックは適当にその鼻と思われるような丸い部分を押した。


ポチッ


ガタン


「・・・へ?」


 本当に何かの仕掛けの起動させるようなものだったらしい。


 押した瞬間、足元が無くなった。


 どうやらここの開閉するための物だったと気が付いたときには、ジャックは下に落ちていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「娘よ!!この父はお前を思っている!!」


 同時刻、レント皇帝は自室の隠し部屋に入っていた。


 城のあちこちから(、、、、、、)実はいつでも入れるようにしており、緊急脱出経路にも使用したりしているのである。

 

 今日は廊下にある銅像の仕掛けからこの部屋に入っていた。


 あの銅像は大昔、とある適正者が作ったものらしく、まるで狸のモンスターのようにも見えるのだが、猫だと言い張ってそのままあの場所に置かれていた物らしい。


 皇帝はそれをこっそりと改造して、この部屋にいつでも行ける仕掛けの一つにした。そう簡単に仕掛けを見破れまいと思っていたからである。


 なお、改造は皇帝自身が毎晩こっそり行っているのものであり、ギアス城七不思議「不気味な物音」として広まっているのを皇帝は知らない。


「あんな銅像よりも、我が娘や息子たちの銅像を置きたい!!しかし、置く理由が見つからない!!」


 できれば、娘や息子たちの銅像の方がよかった。


 だが、作るためのもっともらしい理由が思いつかないのである。


「ああ!!それにルナの馬車が最近襲われたらしい!!儂が近くにおれば未然に防いだものを!!」


 天を仰ぐように自分の世界に入った皇帝。


 その時だった。


 床の一部が開き、そこから何かがせり上がってきた。


「あいたたた・・・なんだあの仕掛けは・・・・」


 何者かが入ってきたようで、この姿を見られるのはまずいと思い皇帝は素早く物陰に隠れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「どわぁぁぁぁっつ!!」


 ジャックはそのまま真下に落ちた。


 適正者の身体能力を生かし、無事に着地する。


 どうやらそこまで深くはなかったようだ。


「これは一体なんだよ・・・」


 ジャックが考えようとするもつかの間、次の瞬間床が横に動いた。


「うおっと!?」


 そのまま動いたかと思うと、壁に激突して止まった。


 その時に勢い余ってひたいも打った。


 そのまま上へとせり上がり、ジャックは何処かの部屋に入った。


「あいたたた・・・なんだあの仕掛けは・・・・」


 どうやらこの部屋に移動するためだけの仕掛けのようだが・・・・・ん?


「なんだよこの部屋・・・」


 壁にはルナや他の人が描かれた人物画が大きく飾られており、周りにはガラスで囲われた様々なものが置かれていた。


「人物画の下に名前とかあるな・・・・第1皇女、第2皇女、第3皇女・・・・もしかして、皇帝の子供たち?」


 と言うか、何でそんなものがこの部屋に所狭しと飾ってあるんだ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ジャックが首をひねっている一方、物陰に隠れている皇帝は心臓がバクバクしていた。


(な、なんでこの部屋に人が・・・・まさか、銅像の仕掛けを見破ってしまったのか!?)

 

 とにかく、このままではまずい。


 このまま見つかってしまったら、自分のイメージとかが崩れてしまう。


 最悪、世間に言いふらされてしまうかもしれない。


(見たところ、ルナと同い年ぐらいの青年・・・そうか、あれが聖剣・魔剣所持者のジャックとかいうやつか)


 報告でしかまだ聞いたことがなかったし、城の客専用の部屋に滞在させるのを許可した後もその姿を見ていなかったが、人を見る目がある皇帝は一目でそれがジャックだとわかった。


(誰かに言いふらすような男には見えんが・・・・・・だが、娘とも仲が良い。娘にこの部屋のことを話されたら・・・)


 さすがにそれはまずい。


 みたところ武器を今は持っていないようだし、この場で亡き者にしてやりたい。


 だが、相手は適正者でかつ明後日の表彰式の時に表彰する人物で娘の友人。


 下手に手出しもできない。


(落ち着け・・・・まだ儂の隠し部屋だとばれたわけではない。正体不明の部屋だと思っているはずだ・・・・)


 この瞬間から、皇帝の静かなる戦いが始まった。



皇帝の秘密の隠し部屋だとは知らないジャック。

バレないかと内心物凄くひやひやしている皇帝。

果たして、皇帝は自分の隠し部屋だとばれずに済むのか!!

次回に続く!!


・・・・予想あたった人どのくらいいるのかな?

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