61話
短め
「適当に生きたいただの魔物使い(重要)ですが何か」を今日、最終回を迎えさせたため、ちょっと気力がなくなった。ごめんなさい。
「・・・・・」
村を出てから数時間、ジャックはあることを思っていた。
「どうしたんですのジャック?」
ジャックの様子に、ルナは疑問を抱いた。
「いや・・・・・帝国製の馬車ってほとんど揺れないんだなと」
「ああ、そのことですの」
ジャックが驚いていたのは、馬車の乗り心地である。
王国で交通機関として使われている馬車に比べて、今乗っている馬車にはほとんど揺れを感じることができなかったからである。
「あまりにも静かすぎて、驚いちゃって・・・・」
「本当に静かですよね・・」
「揺れをほとんど感じさせんのぅ」
シロとクロの二人も同様に思ったようだ。
「まあ、王族の馬車でもある特注品ですが・・・・帝国には同じようなものが多いですわよ」
「ほんとかよ!?」
揺れをほとんど感じさせない馬車が帝国には多い・・・・王国にも来てほしいよ。
「王国の方にその馬車が来ないかな?」
「帝国の秘密の技術らしくて、輸出はするけど技術面では秘密らしいですわ」
一体どうやって揺れをほとんど感じさせないようにしているのだろうか・・・帝国の技術力ってすごいな。
「そういえば、一緒に帝国に向かうことにしたけど夜中はどうするんだ?」
「一晩中走りっぱなしですわ。揺れがほとんどないので、馬車の中で寝ていてもさほど気になりませんですし」
揺れがほとんど感じられない技術はもともとはそれが目的で開発されたらしい。
馬車の中で寝ていても、揺れがほとんどなければ寝やすいのではと考えられて作られたのが初めだという。
「と言うことは、帝国までの馬車の旅は一緒に馬車の中で寝るってことに・・・」
「ま、ジャックは変なことをしないですわね?」
要は男女でこの馬車の中で寝泊まり・・・・俺の理性よ持てよ。
ジャックは決して妙なことをルナにしないように心の中で誓ったのであった。
(というか、ジャックがわたくしに欲情して襲ってきたらまあこれ幸いとして・・・)
どこかの学園長の思考に似た考えをルナは考えているのであった。
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帝国=王国間にある村に・・・。
「いいか?3日後の昼頃に帝国の第3皇女が乗った馬車がこの村に一時的に水の補給のために立ち寄るはずだ」
村のとある民家に人が集まっていた。
「情報源は?」
「帝国の旅行課にいる同志に聞いたから確かな話しだ。あの旅行課では皇女が帝国に来るでにかかる予定を密かに保管しているからな」
彼らは帝国の政治に不満を抱く貴族たちが雇った強盗集団である。
「だが、皇女は適正者だという話だが・・・そううまくいくのか?」
「それに護衛の騎士団も強いと聞くぞ?」
「大丈夫だろう。適正者とは言っても所詮は帝国の箱入り娘。簡単に我々に従わせられるだろう」
「それに、護衛の騎士たちが動き出すよりも先に隙を見て馬車を襲えばいい話だ」
彼らには、自分たちならうまいことできるだろうと思ていた。
「では、この村に第3皇女が立ち寄ったときに隙を見て馬車を襲うぞ!!」
彼らは自分たちの腕に覚えがあった。適正者ではないが、モンスターぐらい倒せるだろうという自信もあった。
しかし、彼らは知らなかった。自分たちに降りかかる不幸を。
その目的の皇女自身が箱入り娘どころかとんだ撲殺姫だということを。
そして、聖剣・魔剣持ちの適正者も一緒に搭乗していたということも・・・・・。
迫りくる強盗達の不幸のカウントダウン。
彼らは知らない。自分たちが襲おうとしている相手がどれだけ危険かを。
油断から来るかれらの失敗。
次回に続く!!
・・・ひどい未来しか見えないな。




