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60話

村はこのあたりで出る

 村で過ごして数日、今日ジャックとルナはこの村から離れて帝国へ向かうことになるのだ。


「迎えの馬車が来るのは昼頃とか言っていたけど、もうそろそろだよな・・」

「手紙によるとそのはずですわ」



 村の入り口にてジャックとルナはそれぞれ荷物を整理し、用意して待っていた。


 ロイス、リン、カレンたちは夏休みギリギリまでは村に居続けるつもりである。


 見送りのために三人とも一緒に来ていた。ちなみに、ジャックの両親たちは家の前で見送ってもらった。さすがに恥ずかしいからな。


「あー、俺もルナさんと一緒に行ってみたかったよ」

「まあ、表彰式はジャックが呼ばれているしね」

「ロイスは多分一生ムリ」


 うん、それは言えている。



 と、カレンのロイスに対する評価にジャックが同意した時である。


「あ、来ましたわ」


 ルナがそういった。


 その視線の先には、ちょっと高級そうな馬車とその周りには何人かの鎧を着た騎士たちがいた。


 馬車につけられている旗や鎧の模様からギアス帝国の物だとわかる。



 そのままルナの目の前まで進み、そこで停車した。



 騎士たちのなかでも、先頭を走っていた人が前に出てきた。


「・・第3皇女ルナ=ギアス様、表彰式に呼ばれているジャック=ラルゼ様、お迎えに上がりました」

「ええ、ご苦労ですわ」


 なんか「様」って言われるのはちょっとな・・・。


 この騎士は他の騎士たちとは違って鎧が少し豪華なような感じである。


「今回、第3皇女様の護衛に充てられた第2騎士団隊長セバスチャンです。以後お見知りおきを」


 帝国には騎士団がいくつかあるようで、番号で呼んでいるのはかなりの実力がある騎士団らしい。


 第2騎士団と言うことはかなりの実力者たちだろう。


「では、どうぞこちらにご搭乗ください。今回の馬車は帝国の最新型の物です」


 案内されるままに、ジャックたちは荷物を持って馬車に搭乗した。


「それじゃあ、行って来るな」

「皆さま、夏休み明けまでごきげんよう」


 ドアを閉める前に、ロイスたちに別れの挨拶をする。


「うう、俺も一緒に行きたかったぜ・・・」

「帝国での話を聞かせてよね!」

「お土産よろしく」


 手を振り、馬車の扉が閉められてジャックたちが乗った馬車はそのまま帝国へとむけて出発したのであった・・・・。



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「・・・本日昼頃、予定通りに第3皇女様と今回の表彰式に呼びました聖剣・魔剣所持適正者のジャックと言う者を迎えに来たことを確認。到着予定は5日後です」

「うむ、ご苦労。ではこれよりルナを監視をしていた者をさがらせよ。ここからは護衛たちがいるからこれ以上警戒する必要もないだろうからな」

「はっ・・・そういえば皇帝陛下」


 命令を聞き、下がろうとした者が何かを思い出したようである。


「皇女からの手紙が陛下あてに届いていますが」

「見せろ」


 

 皇帝が見て見ると、手紙が出された日はルナが村に到着した時の夜中のようである。


「ふむ、後で読むから持っていこう。命令を速やかに実行せよ」



 この場から皇帝は出ていき、自室の隠し部屋にて開封した。


「娘からの手紙・・・・いったい何が書いてあるのだろうか」


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お父様へ


誰かにつけられているなと思いまして、見て見ますと城の監視部門の人のようでしたけど・・・・なぜ、わたくしを監視しているのですか?


城に戻ったときにそのことについての理由をお伺いいたします


ルナより

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 バレてる。思いっきりバレている。



 皇帝は背中に物凄い量の冷や汗が出た。


 どうやら、初日からルナにはばれていたようである。


 どういうべきかと皇帝は一生懸命考える羽目になったのであった。








帝国へ向けて出発

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