58話
正攻法で行くと思うか?
さすがにまともに戦っても、この自分も含めて5人と1匹と2剣ではサイクロプス5体は厳しカモと思ったジャックは、素早く作戦を立てて伝えた。
「・・・・と言う感じだけど、行けるかな?」
今の時間帯が深夜と言うのを生かしての作戦である。
月明りが明るいので、それなりには見やすいがまだ真っ暗な感じがする中、ジャックたちはその作戦を決行するのであった。
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サイクロプスたちは、獲物の匂いがしたところまで来た。
しかし、何処にもその姿が見えない。
逃げ出したのかとサイクロプスたちは思ったが、それなら追いかければいい話だとすぐに思った。
臭いをたどればすぐにでも食べ物にありつける。
バン!!バン!!バン!!バン!!バン!!
その時、何か音がしたかと思うと、いきなりサイクロプスたちの足に痛みが走った。
そこまでたいしたものではないが、彼らは不快に思った。
あたりを見ると、自分たちに向かって何か小さなものを向けている生き物がいた。
その小さな何かが自分たちを不快な気分にさせたのだと思い、サイクロプスたちはちょうど獲物たちと同じような臭いがしたので追いかけて喰らおうとした。
サイクロプスたちがその獲物に向かって駆けだした途端、その獲物は素早く後ろを向いて逃げ出した。
追いかけるサイクロプスたち。単眼だが、この月明かりの元しっかりと獲物の姿をとらえることができた。
獲物が逃げ込んでいったのは、木々の中。
木々の枝を起用に飛び移っていく。
しかし、サイクロプスたちの身体は大きいので、木々にいちいち引っかかっていく。
それにイラつき、サイクロプスたちは棍棒を振り回して木々をなぎ倒して進んでいく。
そうなると自然とスピードが乗っていき、歩幅が大きいこともあって見る見るうちにその獲物までの距離を詰めよっていった。
もう少しで追いついて、獲物を口の中に入れられると思った時だった。
「うまくいけよ!!」
何かがその目の前に飛び出してきた。
薄く光る二振りの剣をもった生物である。
「くらえや!!」
その瞬間、片方の剣がものすごく眩しい白い輝きを放った。
月明りで見やすい状態とはいえ、薄暗い。
そんな中に、いきなりものすごい光が入った瞬間に、サイクロプスたちは目がくらんだ。
「グォォォォォォォォッツ!?」
いったい何があったのか、サイクロプスたちの頭ではすぐには理解ができなかった。
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「よっしゃ成功!!」
ジャックはガッツポーズをとった。
今光らせたのは、白い光を放つ聖剣の方である。
クラーケンの時、ジャックは気絶しながらも聖剣・魔剣に魔力を流していたという。
この話を聞いたときは、このことを学園長が聞いたら「もっかいやってみろ」とかそういう理由でできるまでにさらに厳しい訓練が課せられそうだったので、合宿終了後から村に帰るまでに魔力を流すことぐらいだけはできるように何とかしたのである。
まだほんの一瞬しか流せないのだが、これを考えて思いついたのが今回の作戦だ。
サイクロプスたちとまともに戦闘するのは無理がある。
カレンの拳銃であの単眼を撃ち抜いてもらう手段を思いついたが、もしかすると上位種とかが混じっていて無効化される恐れがあった。
そのため、今回の目くらまし作戦を思いついたのである。
さすがに銃声がしてから目に到達するまでにはタイムラグがある。
しかし、剣を光らせるだけならタイムラグがなく、ほんとに一瞬だけ物凄く光るのだ。
夜中なので、白い光を放つ聖剣の方が適任だと思い、今回は聖剣に魔力を流したのだ。
この場所にまでサイクロプスたちを誘導したのは、あのまま村の方にて戦闘したら村の建物などに被害が出ることを考慮したためである。
誘導するためには、まず遠距離攻撃ができるカレンにサイクロプスたちに適当に攻撃してもらった。
案の定、カレンを獲物と見定めたのかすぐにサイクロプスたちがカレンを追いかけ始める。
そして、村から安全な距離まで離れたこの場所まで誘導してもらい、カレンにサイクロプスたちの目線が集中した瞬間に素早くその前へとジャックが出て、聖剣に魔力を一瞬流して物凄い光を放ったのであった。
一斉に見ていたため、サイクロプスたちの目はかなりくらんだようである。
このひるんだチャンスを逃してはならない。
「今だ!!全員攻撃だ!!」
合図をして、隠れていたの全員で飛び出して一斉に攻撃した。
ただし、相手は大きいのでまずは移動手段である足狙いだ。
そこは素早くジャックとロイスが切り付けてサイクロプスたちを地面に倒していく。
倒れ込んだサイクロプスたちに対し、腹部にルナとリンがガントレットとメイスで殴りつけてサイクロプスたちに重い一撃を与える。
カレンに銃でこの身動きが一瞬取れなくなった隙に、サイクロプスたちの身体に銃を乱射してもらう。
ここまでの攻撃で弱らせたところで、全員で一斉にサイクロプスたちの首をとった。
聖剣・魔剣で切り付け、大剣で切り落とし、ガントレットで殴ってもぎとり、メイスで頭をつぶし、拳銃で脳天を撃ち抜く。
それぞれの一斉攻撃を受け、サイクロプスたちはその場で撃沈したのであった・・・・・。
聖剣が輝くのを利用した目くらまし作戦。
閃光弾とかはないからな・・・・間違った使い方をしているような気がしなくもないけど。
正々堂々とまともに正面から戦わずに、思いっきり奇襲かけました。




