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4話

サブタイトルはこの○○話の書式で行くつもりです。

01話とか言った具合に変更する可能性もあるのでご了承ください。

 本日、国立中等部学園を卒業した生徒の一人が水晶の儀にて水晶を割り、さらに何かものすごく存在感ある剣を顕現させたというのはすぐにアールスライド王国のバッハムド城に報告された。


 水晶が割れるのはまだいい。水晶の儀に使われる水晶は万が一に備えて、いくつものスペアが用意されているからだ。まあ、割れた原因は不明だが。


 むしろその剣の方が問題となり、すぐさま国王は招集をかけて会議を開いた。



「では、今回の報告を聞かせてもらおう」


 国王、ゼクト=アールスライドは会議室の中心で肘をつきながら、今回の報告を聞くことにした。


「では、報告いたします」


 報告するのは水晶の儀にて適正者の観察を行う観察者の一人の男性だった。


「本日、国立中等部学園にて卒業式が行われ、15歳に達していた340人が水晶の儀を行いました。そのうち、適正者は35人と判明いたしましたが、最後に判明した適正者が水晶に触れ、いつものように輝いたかと思うと水晶が急に砕け散り、その内部から光る球体、黒い靄の球体が出現。その内部より二つの剣が顕現しました」

「その水晶が割れたことに関してはまだいいとして・・・・その剣が問題なんだな?」

「はい、それまで出てきていた大剣や普通の長剣などに比べて圧倒的な存在感があり、何やらオーラのようなものをまとっているようです」


 そのような剣はこの世にはたった二つしか確認されていない。


「『聖剣』と『魔剣』か・・・・」

「その可能性は十分あり得ます」


 国王と、観察者のその言葉にその場は重い雰囲気に包まれた。


 どちらも大昔に勇者と魔王が使用されたという伝説級の剣。


 双方の死後、その存在は確認できていなかった。


 だが、その特徴は歴史にしっかりと記録されており、その力の強大さは各地にツメ跡を残しているのである。


 記録によると、聖剣・魔剣ともに天を切り裂き、地を割り、海を焼き尽くしたとまで言われているのだ。


「ですが、年月が経ちすぎたのか記録上の物よりも力が弱まっているようです。記録によりますと聖剣は太陽に輝き、魔剣は闇夜の様に黒く染まっていたとありましたが、今回のは薄く光っているようなもの様です」

「経年劣化か?」


 適正者の武器とて永遠にそのままであるわけがない。ちゃんと普通の包丁や斧などと同様に手入れをしなければいけないのである。


「現時点では不明ですが・・・・おそらく違うかと」


 聖剣・魔剣ともに使用されている金属は不明だ。一説によると永遠にさびも砕けも溶けもしないという「永遠の金属(エターナル・メタル)」でできているようだが・・・・。


「あと、それらの剣の所持者となる適正者についても報告いたします」

「そうしてくれ。危険人物だったらシャレにもならない事態になりそうだからな」


 ぶっちゃけせん滅兵器と言っても過言ではないと言われる聖剣と魔剣の所持者になる適正者の情報に会議室に集まったものは興味を示した。


「適正者名:ジャック=ラルゼ 15歳。アールスライド王国のいま我々がいる首都アールスライドの東部に位置する山村のラルゼ家の長男。家族構成は農民である父と母のみで兄弟はいません。6歳の時に義務教育制度によりこの首都の国立初等部学園に入学し寮暮らし開始。年1回の帰郷には必ず参加して両親の農作業を手伝っています。そのまま中等部へと進み本日卒業し、今回のことを起こしたようです」


 なお、寮暮らしとなってはいるが義務教育制度なので学費などは免除されている。


 そのため、教育をしっかり受ける人が増えこのアールスライド王国の識字率などは非常に高いのであった。


「魔族か人間か?」

「両親ともに人間で、家系図を見ると魔族はありません。また、本人も人間のようです」


 ちなみに、こういった個人情報は国がしっかりと管理しているため20世代前ぐらいまでなら個人の家系図を調べることも可能であった。



「しかし・・・聖剣と魔剣と思われるものが同時に出たか」

「いったいどういう事でしょうか?」

「適正者が持つ武器はその魂に左右されるはずでありんす」

「魂が同じならば武器はそのままだと聞くが・・・」

「聖剣は勇者、魔剣は魔王のそれぞれ全く別の者が所有していたからな・・」

「魂が混ざり合った・・・という感じでしょうか?」


 少なくとも、この場にいる全員が一致している認識はかなり厄介なことになりそうだという事である。


 魔剣はいわば魔族の象徴の魔王の剣。


 聖剣はいわば人間の象徴の勇者の剣。


 現在、魔族と人間は友好関係にある。しかし、中には毛嫌いしているような者たちがいるのもまた事実。


「下手するとそれぞれが勇者とか魔王とか言って、争いごとに発展しかねないな・・・」

「どちらの種族にとっても英雄ともいうべき存在ですからね・・・・」


 この場にいる全員にとって頭の痛い問題になりそうなのであった。



どこの世界でも時代でも種族でも悩みの種は尽きないんですよ・・・・。

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