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50話

後始末

「・・・・また保健室か?」

「違いますよ、合宿所の救護室ですよ」


 目を覚ましたジャックがそうつぶやくと、シロにツッコミを入れられた。見ると、シロとクロの二人はなぜかナース服に着替えていた。


 どうやら人手が足りないようで自ら動いていたようである。


 よく見るとシラタマがパタパタ飛び回って回復魔法のようなものをかけて回っていた。


 周りを見ると、床に布団などが敷かれ、他の怪我した適正者たちが横たわって寝ていた。


 窓の外の感じからして夕暮れぐらいだろうか。となると、襲撃から12時間ほどたったこととなる。


「・・・あれ?クラーケンはどうなった?」


 ジャックは気絶した後のことが分からなかった。


 クラーケンはどこへいったのか、なんで今ここにいるのかなどもあり、少々混乱した。


「マスター、覚えていないんですね・・・」

「無意識のようじゃったからのぅ・・」


 シロとクロの二人がどこか呆れたような顔をしながら言った。


 覚えていないって・・・・気絶していりゃそうだろ?



「ジャック気が付いたですの?」

「気が付いたかジャック?」

「あんた本当に滅茶苦茶なことをしたわね・・・」

「シラタマいなかったら少し危ないとこだった」


 ルナにロイス、リン、カレンたちを城が呼びに行って皆来た。


 全員ところどころに包帯を巻いたりしていた。ロイスは無傷のように見えるが、シラタマ最優先で治療したようである。



「クラーケンとかはどうなったんだ?」


 ジャックがそう質問したのを聞いて、全員なぜか呆れる顔をした。


「お、覚えていないのですわね・・」

「シラタマが居なかったらこっちも危なかったんだが」

「はあっ、なんというか、呆れるというか」

「覚えていないことに驚く」


説明をしてもらうことになった。


「ジャックはな、クラーケンの触手攻撃によって気を失った。ここまではわかるよな?」

「わかるが・・・・ちょっとムカつくから他の人にチェンジ」

「なんでだよ!!」


 ロイスに説明を受けるのはなんかむかついた。


 なので、他の人から聞くことにした。





「・・・なるほど、全然わからん!!」


ずこっつ


 説明を聞いた後、ジャックがそう言ったとたんに全員ずっこけた。


 ほかにいた適正者たちも同様に全員ずっこけた。


「わからないんかい!!」


 リンのそのツッコミにその場にいた全員がそうだと一致した。


「だってな、無意識で動けるか?それに、魔力を流したと言われても感覚が全く分からないんだけど・・・」


 自分のことだと言われても、なんか納得がいかないジャックである。


「全く、あの時の魔力の量には妾たちも驚いたというのに・・・」

「物凄い感じでしたからね・・・・・」


 思い出すかのように頬を赤らめるクロたち。おい、何で頬を赤らめるんだよ。



「とは言われてもなぁ・・・・やっぱり自分だとわからな・・・あ」

「何か思い出したのか?」

「いや、これ学園長に知られたら相当まずいんじゃ・・・・」

「うっ!?」

「ひっ!?」


 その可能性にジャック、ロイス、ルナの学園長の訓練を受けている組は顔を青ざめさせた。


 学園長のことだ、このことを知ったら扱えるようにとか言って訓練を増やすかもしれないのだ。


 その可能性に背が冷たくなった。


「あのさ、この話ってどれだけ・・・・」

「そうですね・・・応援に駆けつけてくれた適正者の方たちも遠方から見たようですし、内より教職員とクラスメイトが見ていましたから・・・」

「人の口には戸が立てられぬ。噂として広まるじゃろうな」


 あ、これ確実に学園長の耳にも入るわ。


「・・・夏休み明けまで合わないだろうけど、なんか夏休みが続けとものすごく思ってきた」

「それは同感だぜ・・・巻き添えでこっちまで厳しくされる未来しか見えねぇもんな」

「少なくと、今まで以上に厳しくなりますわね・・」


 ジャック、ロイス、ルナの三人はそのことで物凄く落ち込んだ気分となった。


 空気が重く感じられたので、リンが話題を変えることに。



「そ、そういえばさ、今日が本当は合宿の最終日で遊べるはずだったじゃない?」

「・・・そういえばそうだったな」

「でも、いきなりの襲撃で出来なかったから、明日回復した適正者は遊べるらしいわよ」


 今回のクラーケンによってけが人は複数出たが、シラタマのおかげで皆すぐに回復してきているらしい。


 そのため明日は今日できなかったから遊ばせろと直談判した人たちがいて、遊べるようになったらしい。


「合宿所が半壊したから泊まれる場所が余りなくて、もしかしたら外で寝ることになるかもと言われていたけど、駆けつけてきてくれた先輩の適正者の人たちが修復をしてくれているらしくてもう数泊はできるそうよ」


 と言うわけで、遊べるらしいということが分かり、その場に漂った空気が明るいものに変わったのであった・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 同時刻、城にて回のクラーケンについての報告などが挙げられていた。


「・・・・クラーケンが今度は7体か・・・」


 その報告に頭を会議室に集められていた全員が頭を抱える。


 クラーケンが1体だけでも大変なのに、それが7体。


 この間のデュラハンといい、確実にモンスターの数が増えているような気がする。



「聖剣・魔剣所持者が撃退したようですが・・・・その威力もとんでもなかったと」


 7体同時撃破。


 その知らせだけでもかなり頭を抱えることになる。


 適正者はモンスターに対抗できる者たちにして、強力な力を持つ。


 戦争などではモンスターの対策などから極力出さないようにはしているものの、一人いるだけでもかなりの戦力ともなる。


 そして、今回のクラーケン7体同時撃破についても相当な実力を持っていることは明らかなので・・。


「仕掛けてくるところが出てきそうだな」

「取り込もうとしてくる勢力が出そうでありんすね」


 さらに、今回の件に関しては調査してみるとどうも人為的な可能性も出てきたのだ。


「勇者をあがめる集団と、魔王をあがめる集団の動きも活発化してきているようだしな・・・・今年は厄年か?」



 国王は頭を痛める。国際関係などでややこしいことが起きそうだ。


「今回のクラーケンにしても、聖剣・魔剣所持者にしても、世の中が厄介なことばかりに・・・・・・」



その場にいた全員が満足して眠れる日は当分なさそうに感じ取れたのであった・・・・・。



他のところでも、動きが出てきそうだ。

しかし、ジャック本人は学園長の訓練のことに関して不安になってきている。

果たして世界はこれからどうなっていくのか・・・・。

次回に続く!!


この次回予告みたいな感じって結構楽しくなってくる。

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