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40話

次回から新章だけど、その章だと学園長の出番が減りそうなので忘れ去られないように。

「はあっ・・・・・・」


 学園長は学園から自宅へと帰っていた。そして、風呂に入りながらため息をついた。


 理由は明白である。


「なーんで、他の皆は結婚してしまうのかしらねぇ・・・」


 今年の夏、学園長は友人親戚等の結婚式に連日招待されているのである。その数、30件ほど。


 普段学園では明るくしてはいるが、こうして自宅にいる時はちょっと(うつ)な状態になっているのだ。風呂入るまえにワインを飲んでいたので、ホロ良く酔っているというのもあるが。、


 夏休み中はジャックたちに集中訓練でも施してやろうかと思ったところでの出鼻をくじかれる形となった。


 学園長の本名はアンド=レアス。実は、レアス家と言うのはエルフの中でも上のハイエルフの中でも地位が高い家なのである。


 


 そもそも、エルフは実はそこまで攻撃魔法が得意ではない。学園長が特殊すぎるだけなのである。


 幼い頃からなぜか攻撃魔法だけは誰よりも強く、そのため15歳になった時に受ける水晶の儀の際には「適正者だったら今より強くなるんかい!!」と一族全員にツッコミを入れられたほどであった。


 一応、適正者としての素質はあったようだが・・・・学園長としてはまあどうでもよかった。




 学園長としては、他の皆の様に回復魔法などを極めてみたかったのが、なぜかその過程で攻撃魔法をより強力にしたりするような方法を見つけてしまっていたのであった。



 実力をメキメキとつけ、ドラゴンですら己の魔法で地に這いつくばらせるほどまでなった。


 しかし、ここまで強すぎると逆に縁談の話が入らなくなってしまったのである。


 年齢はすでに3桁、エルフ特有の老化の遅さから未だに見た目はほとんど変わっていないのだが、その年齢の重さに耐えられないような男性が多かった。


 さらに、いろいろあって学園長は今の地位についている。


 そのため、この地位を狙おうとして縁談を申し込む貴族がいるのが分かっているのだが、結婚するために試しにお見合いして見たりするものの、どうしても不快な時は殺気を飛ばしてしまい、土下座して謝られてしまうことが多かったのである。


 友人経由で合コンとか呼ばれるようなものに行ってみたりするが、学園長のことはほかのエルフの人たちにも知られているので、畏敬のあまりかあまり寄り付かないのだ。


 また、学園長自身も理想というモノがあるため、ちょっと選んだりしてしまい条件が合う人がいないのも現状であった。


「・・・はぁ」


 再びため息をつく学園長。そこにいたのは、エーラン学園の学園長としてではなく、婚活に悩む女性であった・・・。





 風呂から上がり、明日のジャックたちの訓練内容を考え、学園外でもできる書類などを片付けて寝巻に着替えて布団に入る。


 こっそり権力で根回しして買った「シラタマちゃん抱き枕(もうじき発売)」を抱く。


 学園長は大人の女性のように見せてはいるが、そういった感性とかは普通の女の人と変わらないのであった。


(いい男が現れないかしらね・・・・ジャックのようなのがもう少し成長したのが良いのだけれども・・・)


 さすがに生徒に手を出すのは自分でもどうかと思う。ジャックを好いている生徒がいるようだし。


 しかし、学園長の好みとしては、ジャックがもう少し大きくなって、もっと強く頼りになったような感じなのがである。


 まあ、相手(ジャック)から求めてきてくれれば拒否はしない。そう考えて眠りにつくのである。



 翌日、いつものように着替え、朝食をとり、支度をきちんとしてから学園へ出勤する学園長であった。・・・・。 

ちなみに、シラタマグッズはほかにもぬいぐるみや枕カバー、マグカップなどにも広がる模様。

その経済効果は高いものだと言われています。


次回から新章だよん。

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