37話
ちょっと珍しく短い間に連続投稿
ロイスの卵をシラタマと名付けて数日後。
「だんだん重さが増えてきた気がするんだが・・・」
「中身はずっと変わらないと思うがな?」
ロイスが肩のあたりをたたくと、シラタマが頭の上から降りて自らの身体でロイスの肩たたきをし始めた。
「結構賢いよなシラタマ」
「ロイスとは違うわね」
「トンビが鷹を生んだ」
「ひどいこと言ってないか!?」
そもそも、生んですらいないけどな。
シラタマは日に日に卵の中身が成長し、外からいろいろ学んでいるらしく、かなりの知能があるようである。
「ここ計算はこうじゃ」
クロが計算を試しに教えてみると、卵の底の部分につけた黒インクで計算を書く。
「ふむ、あっておるのぅ」
嬉しそうに跳ねるシラタマ。
なんか可愛い・・・・・。
シラタマの卵の殻は強固で傷一つつかなかったので、剣としての誇りとかでイライラしていたシロとクロだったが、だんだん打ち解けたようで今では仲良しになっているようである。
シラタマの上の方をなでるクロ。多分頭にあたるのだろうがシラタマは喜んでいるようである。
「なんか寂しいなぁ・・」
ジャックは、ロイスがまるで娘に離れられているような父親の様に見えた。
「おや?卵のうちから親離れですの?」
ルナがそういうと、シラタマは違うというようにフルフル震えて、すぐにロイスの頭の上に乗った。
「あ!!ちょっとまずはインク拭けよ!!」
まだ黒インクが付いたままなので、ロイスの髪にべったりついた。
「結局、なんの卵かは生まれてみないとわからないわね」
「そうですか」
放課後、学園長との訓練の際に、ちょっとこういったことに詳しい専門家とやらがいるときいて、連絡してもらったが、そんなものは聞いたことがないとの回答が来たそうだ。専門家の人は見に来たかったらしいが、生憎しばらくは仕事が忙しいらしく、来れないそうである。
そして、学園長に頼んだせいで訓練が厳しくされた。
「今日の訓練もきつかったですわね・・」
「俺も疲れたよ・・・」
ルナとジャックが寮の食堂へ向かうと、すでにロイスたちが夕食をとっていた。
「おー、今日も疲れているようだなジャック」
「ルナもさっさと食べよう」
「夕食は皆での方がおいしい」
夕食を食べている途中、ふとジャックは気が付いた。
「あれ?ロイス、シラタマは?」
ロイスの頭の上にいつも乗っているシラタマがいない。
「ああ、なんか眠いみたいで布団の上に置いてきた」
「卵が眠いってわけわからないわよね・・」
「不思議な卵」
「いったいなんのモンスターですの?」
全員頭をひねって考えてみるが、答えが出ない。
「孵化するとしたら、多分もうそろそろじゃのう」
クロがいつの間にか人の姿になって俺の膝の上に乗ってきた。
「クロ、席は空いているんだが」
「シラタマに何か対抗心がのぅ」
「私もですね」
シロもちゃっかり人の姿になって二人で乗ってきた。
いや、夕食がすごい食いづらいんですけど。
「もうそろそろそろってどういう事?」
リンが気になったようでクロに尋ねる。
「うむ、中身の感じからして、あと数日内には生まれそうじゃ」
なんとなくそういう感じらしいが・・・。
一応夕食後、ロイスの部屋に向かってみたがシラタマにはまだ変化がないようである。
「シラタマ、風呂に入るぞー」
ロイスがそう呼びかけると、慌ててロイスの方へ跳ねよってきた。
駆け寄ってきたといえないのがなんか不思議な感じだな・・・・。
少なくとも、なんか良い親子関係の様にジャックはそう見えたのであった。
「妾たちも風呂でマスターの背中をながそうかのぅ?」
「いやお前らはだめだろ!!」
シラタマの影響か、シロとクロまで最近対抗するかのようにくっ付いてきているんですけど!!
卵の様子:殻の中から音が聞こえてきた!!もうそろそろ孵化しそうだ!!
なーにが出るかな?卵で生まれるようなモンスターは・・・・
 




