2話
短いのが数話ずつでやっと一つにまとまっていく感じかな?
よく午後に投稿されるかな。
「・・・・で~、あるからして、本日諸君らはこの国立中等部学園を卒業することになる。このあと、各自『水晶の儀』を受け、諸君らの人生の分かれ道を体験してくれ」
学園長のものすごく眠くなるような話が終わり、やっと卒業式が終わった。
この時点で卒業生の大半が魂が抜けたように疲れていた。
「・・・もう、水晶の儀受ける前に帰りてぇ・・・」
「あの学園長の話を聞くのもこれで最後だったし、後は適当に受ければいいじゃん・・・」
ジャックはすでに限界だった。
この中等部まではこの国の義務教育の一環である。
だが、これで水晶の儀さえ「適正なし」で通ればこのまま学園から去って、普通に働きに行くことができるのだ。
水晶の儀を受けるのはクラスごとに15歳となっている人だけなので、少し時間がかかった。
その間に卒業したばっか同士で話をする時間もあった。なお、この時に15歳になっていない人は来年受ける。
「しかし、水晶の儀って普通に水晶に触れるだけだろ?適性があればその人専用の武器とかがもらえるとかいうけど、どうやってもらうんだろう?」
「・・・・ロイス、一応俺は嫌々だけど聞いていたぞ。触れた後にその武器が水晶から浮かび上がってくるんだとさ」
「水晶の儀がいやなくせに、そのあたりはまじめなんだな」
「お前が授業中寝ていただけだろうが・・・」
ジャックは少なくとも自分には確実に適性がないだろうと思っていた。
「どうせ、俺は自分の命を捨てられるほどの度胸がないし、確実に水晶から見ても適正なしだろ」
「いや、そういうのは関係ないと確か聞いたと思うが・・・なんだっけな?」
「水晶の儀に関する話は教科書24ページ・・・」
「いや、普通に教えてくれよ。いやなくせに何で本当にそんなまじめさはあるんだよ」
「将来的にしっかり学んでおけば損はないからな」
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「水晶の儀」の適正は、その人が持つ魂によって左右されるという。
魂に素質があれば適正とみなされ、その魂に合った武器が水晶が呼び寄せて顕現させる。その顕現された武器はその人の魂と深く結びつき、一生の相棒としてずっと出現し続ける。
そして、持ち主が命を終えたときにその武器は消滅し、また同じような魂の持ち主のもとに顕現する。
過去に、勇者と魔王が持っていた聖剣と魔剣は現在消滅しており、再び顕現する可能性は、その勇者と魔王の魂の持ち主にしかないであろう。
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「ある意味呪われているような感じだよな」
「なんでだ?」
「要は生まれ変わっても付きまとわれるようなものだぞ?新手のストーカかよ?」
「ひどいいいようだな・・」
ジャックのその発言に、ロイスは顔を引くつかせた。
「いやいやジャック、これでもし聖剣とか魔剣が出たら勇者と魔王の再来となるじゃん」
「そんでもって、いまだに残る差別に火をつけろってか?」
魔族と人間はすでに友好関係にある。だが、中には互いに未だに忌み嫌っている者たちがいるのだ。
もし、聖剣や魔剣を持つ者が出てきたらどうなるか?
どう考えても勇者や魔王の再来だと言われて担ぎ上げられて互いに攻撃するためのきっかけにするに決まっているじゃんとジャックは思っている。
自分とて男子、そういった武器に興味がないわけでない。だが、なんとなく好きになれないような感覚があったのであった。
「フラグとは、思いっきり堂々と立てていくものである」
・・・この話を書く前になんとなくそう思えた。
注意!!8月30日に水晶の儀を少し変更。