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291話

・・・新章ですが、ついにこの時期がやってきました。

SIDEジャック


 冬休みも開け、季節は春へと移り変わっていく。


 ジャックたちの学園卒業も間近となり、それぞれの今後の進路についての相談所なども学園内に設けられていたりもした。



 適正者はモンスターが出現時に討伐するという役割を持つが、何もそのとき以外はだらだらと過ごすのは意味がない。


 国からの収入はあるとはいえ、加齢やケガなどを理由に戦えなくなる者も少なからずおり、そのため一応の就職先は必要となるのである。



 様々な地方・・・モンスターが出現した時にすぐさま対応できるようにと行先を決めるという事もあるので、その地にある職業選びというのも大変なのであった。



 ある者はパン屋、またある者は農家としてそれぞれ就職していくが、適正者ならではの身体能力を生かしたい人の中には人力車として働く人もいたりした。


 とはいえ、適正者だからという要因だけで楽に就職先が決まるわけでもない。


 きちんと有能か無能なのかも判断されるのであった。





・・・・まあ、ジャックの場合はというと。


「俺の場合は子爵として領地経営が待ち受けているからな・・・・」

「貴族用経営学の勉強が大変そうですわね」

「まあ、私たちは永久就職だけど」

「そこを考えると、ある意味ラッキーだったのん」

「でも、妻たるゆえにに夫を支えられるように、拙者たちも勉強に付き合うぜよ」


 子爵として国に爵位を与えられており、就職先が同行などといった問題はない。


 むしろ、経営の方で頭を抱えたくなるので他の人よりも大変でもあった。




「そういえば、ロイス(どうでもいい友)とリンは卒業後どうするんだ?」

「なんか今ひどい言い方してなかったか!?」

「それは別にいいわ。ロイスがどう扱われようともこっちには関係ないし・・・・まあ、しいて言うならこっちはこっちで王国の別の地方の方で就職先が見つかったわね」


 と、リンが出してきたのは就職先の内定決定と、詳しい情報が書かれた書類であった。


「昔からの友人たちが、こうしてバラバラになっていくのはどこか寂しいものがあるな・・・」

「まあ、こうしてみんなでからむ機会も減るのは寂しいですね」

「最初は俺ら4人だけだったのに、いつの間にか増えたよな」

「3年なんてあっという間だったわね・・・」


 ジャック、カレン、ロイス、リンの4人はどこか寂しいような気持ちを感じていた。


 最初の頃は、この4人でよく絡んで遊んでいたりもした。


 適正者としてこの学園に入学して以降、徐々にこのメンバーも増え、今のメンバーになっているのだ。


 だが、卒業後はそれぞれ別の道に行くことになり、ロイスとリンはほぼ確定で当分会えないようなことにもなるのが目に見えている。



「ま、万が一にも職で困ったらこっちこいよ。一応貴族となるし、何とか雇えるようにはするからな」

「・・・就職先そっちにしようかな」

「ロイスは年中無休に」

「やめておきます」


 さらっと出たひどい条件を前に、ロイスは慌てて今の言葉を取り消した。


 ジャックとしては半分冗談のつもりだったのだが、こうも素早く撤回するのはまあ予想可能だった。


(まあ、この二人の就職先は同じところに行くようだし、問題は特に起きないだろうな。少々血の雨が降る可能性があるけど・・・・・)


 毎度おなじみのロイスの余計な発言で、職場にリアルな血の雨を降らせることだけは不安になったジャックであった。


 まあ、リンが物理的に降らせるのだが。


 爆発四散、もみじおろし、すりつぶし・・・・と、最近はどうロイスに制裁を与えるのかというレパートリーも増えているようである。






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SIDEアンド学園長



「今年もこの時期が来るのね・・・」


 エーラン学園の卒業式の日程も決まり、教師陣たちとの会議を終えて、アンド学園長は学園長室でお茶を飲んで一息ついていた。


 長年この学園での学園長を営み、毎年毎年送り出されていく適正者の生徒たちをいつも子供のように思いながら彼女は見送っていた。



 そして、もうじき行われる予定の卒業式だが、今回は学園長のにとっても大事な人・・・・ジャックが卒業することになる。


 

 学園から彼が去り、貴族経営をしても愛人とかそいう立場みたいなものでサポートはするつもりであった。


 でも、こうやって学園長として仕事をしていると、確実に会う機会は必然的に少なくなるようだともアンド学園長は考えていた。


 そのため、長年続けたこの学園長としての職務も、そろそろ誰かに引き継ぐべきかしらねと、職員たちの名簿を見ながら思索にふける。



 学園長という職務から離れ、より近くでジャックの手助けをしようと考えるアンド学園長。


 その様子は、いつものような学園長としての雰囲気ではなく、愛する人を思う女性の魅力が漏れ出ていたそうな・・・・・・。




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SIDE王城


「ふむ・・・・ジャック子爵殿に与える領地の最終的な統合案がまとまったか」


 王城にて、国王はその報告書を読んでいた。



 ジャックは卒業後、子爵として貴族となり、領地経営を行うことになる。


 彼の立場は複雑な立ち位置にもなり、その領地としてもできるだけ会うところにするように努力をしてきた。


 何せ、国王の娘である第2王女が嫁ぐばかりか、ギアス帝国の第3王女をも妻としてジャックは迎えるために、王国帝国の両国にとっても互いに重要な人物という認識があるのだ。


  

 幸いなことに、領地を決めるさいに帝国からもその決めた領地のすぐ真横に隣接する地域をジャックに与えるという申し出もあり、このさい王国と帝国互にその地域を統合し、新たな領地としてジャックに与えることが決定したのである。



 まあ、王国帝国の境目にあるので、いざという時にはここが仲介地になるのは両国としても都合がよかった。




・・・・けれども、一部の貴族とかからは未だに反対の意見もあり、将来的に面倒ごとを引き起こすのは目に見えている。


 だが、なぜか不思議なことにその面倒ごとを起こす前にその貴族達の不正やその他あくどいことなどがさらけ出されて、ジャックに直接害を及ぼす前に、未然に防がれているという減少が起きているのであった。



 そのため、貴族たちの間ではジャックに対して、妨害とか嫌がらせをしたら逆にひどい目に遭うような、返り討ちをする者としての認識がなされ、むしろ仲良くなった方がいいのではいいではないだろうかと画策する者たちの方が最近増加したようである。


 

 そのため、特にたいした問題も起きずに、ジャックに正式な領地の通達を送る事にも平和にできて、ジャックを攻撃しようとしていた者たちが粛清されて、その者たちが王国に害をなすような者達であったがゆえに掃除ができて、ありがたいと国王は思うのであった。



・・・しいてジャックに文句を言うなれば、何が原因かは知らないけど検挙されるものが多いがゆえに、閉じ込めるための牢屋の数不足や、改易などの処分が大変になったことであろう。

考えてみれば、ここまで来るのに結構時間かかったなぁ。

当初は毎日投稿の予定はなかったのに、なぜかしているし。

これも読者の皆様方からの感想や、ご指摘のおかげです。

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