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282話

劇の続き

SIDE舞台裏:その1

「そういえば、10歳からの変化を演じているけどさ、身長とかも変わってできているのはどうやって?」

「特殊メイク技術によるものデス。メイドたるもの、主の年齢を大幅に変える見た目にできるメイク技術を持つのデス」

「つまり、40代程でも20代のような見た目とか、子供でも老人と変わらないほどの変化が可能ってこと?」

「極端に言えば可能デス。一応、少々メイク前にゴキッと関節をいろいろしマス」

((((ゴキッっと関節って何をだ!?)))


 シーラのその言葉に、その場で聞いていた全員の心が一致したのであった。

・・・・ジャック演じるライトは、その老人からもらった『導き板』という道具が示す方へ旅をつづけた。


 途中、ライトはある情報を聞くことになった。



 いわく、姫を攫ったドラゴンがいるという数年前に流れた情報だが、実はこの情報は虚偽であり、なぜこの情報が流れたのかというと・・・・



「腐れた権力者の企みか・・・」

「その通りですのん」


 とある酒場にて、偶々絡まれていた女性をライトは絡んできた男たちに『導き板』を利用してぼっこぼこにした。


 この『導き板』。無意識のうちはその目的は不明なのだが、何かを示す。


 また、意識的に・・・・今のぼっこぼこにするようなときにはどこをどうすればいいか指示して呉れて楽に倒せたというわけである。


 


 そして、その助けた女性はどうやら最近まで、とある権力者の家で働いていた娼婦だったそうだ。


「ただね、色々と重要な情報を偶然にも手に入れて、それでその譲歩を手に入れようとしたやつらからこうして襲われそうになったですのん」


 その助けてくれたお礼として、その女性はその情報の真相を話した。



 

・・・腐れた権力者の企みによって、虚偽の情報は取引され、その結果関係のないような人たちに憂さ晴らしのような行為が行われた。


 そして、その虚偽の情報がなさがされた理由だが、その権力者自身がドラゴンを倒して姫と結婚して、権力を得ようとしていたのだという。


 だが、その権力者に来た情報も虚偽だったようで、その憂さ晴らしにと流して・・・・連鎖していったようだ。




 なんという人の愚かさなのだろうか、とライトは考える。


 事の始まりはドラゴンに姫が攫われたことだが、その結果起きたのは権力や欲望にまみれた争い・・・それも、醜いものである。


 さらけ出されたひどい真実に、ライトは思う。


 ・・・・このままだと、近い将来に国が亡びるのではないだろうか。


 そして、そうなれば暴動とかも起きそうで、それに巻き込まれて死ぬのではないだろうか。



 

 それはいやだ、なんとしても生きたい。


 この時、ライトの心に生への渇望が生まれた。


 育った孤児院に恩を返せず、破壊され、自身も人々に虐げられてきたライト。


 このような欲望によって起きたことであり、その真実を知ってむしろなぜ生への渇望が生まれたのだろうか。


 ・・・所詮、自身も生きたいという心があった。それ故に今日まで生きながらえているのではないだろうか。



 自分の本当の望み、「生きたい」ということに気がついたライトは『導き板』にその望みを考えながら導きに従って旅をやり直した。


 


 ライト自身は気がつかぬうちに、徐々に生命力が活気づいてきたのか力も増していき、襲い掛かってくるような盗賊たちも薙ぎ払えるようになった。


 そして、「生きたい」という望みただ一つで彼は旅をつづけた。



・・・・・そして、ある時彼は偶然旅の途中で何やら壊れた遺跡を見つけた。


 大昔に建てられたもの様であり、しばらくの休息地になりそうだなと踏み入れた時、『導き板』が急に強く輝き始めた。


 何事かと思い、その示す矢印の方へ彼が歩むと、そこには台座があった。


 その台座には一本の黄金の輝きを放つ剣と、その両側に白き光と衣をまとった女性、黒き光と衣をまとった女性が目をつぶり静かに並んでいた。


 

 なぜだか惹かれるように、ライトは彼女たちの前へ歩んでいた。


 そしてその目の前まで来た時に、彼女たちの目が開かれた。



『・・・とうとうここまで来ましたか』

『・・・運命の子よ、導かれてよくここに来た・・・』

「っ!?」


 言葉が響き渡り、ライトはとっさに警戒をした。


 目の前の女性たちは武器を持っていない。それでも圧倒的な威圧感を感じたのである。


「・・・何者なんだ、貴女たちは」

『私はこの世の半分をそれぞれ受け持つ女神です』

『そして、世界の乱れし時に調和を保つ・・・』


 白黒二人の女神たちは話す。


 彼女たちはこの世を統べる神の存在であり、常日頃見守っているのだと。


 だが、今この世は乱れており、悪徳貴族とかそう言うのがいるのは世の中がおかしくなってきているからだという。


『それ故に、すべての生物もおかしくなり、ある種は滅亡、またある種は争い滅亡としました』

『そして、それは・・・数年ほど前に起きた姫を攫ったドラゴンの行動にも関係している・・・・』



 いわく、ドラゴンのような強大な生物もこの世界に存在し、その強大な力ゆえに余計に影響を受けてしまった。


 そして、同種族同士の繁殖が行われなく数を減らしてきているのだとか。


「つまり、数年前にローズ姫を攫ったというのは、自分たちを増やすため!?」

『半分正解で、半分間違い』

『その言い方ストレート・・・』


 そもそも人と接触する行為自体がドラゴンたちに求められる行為でもないし、いくらすべてをすべている神とは言ってもその行動目的までは見通せず、さらに今のこの世の中のせいで詳細に見ることができないのだとか。



「攫った理由は不明、そして今の世の中に不安定さはなぜか世界が乱れての事か・・・」

『そういう事です』

『そのため、わら・・・にもすがる思いで、我々は計画したのです』


 その世界の乱れをどうにかしないことにはわからない。


 そこで、この二人の神が目を付けたのが・・・ライトであった。


『世界の乱れを修正するためにも、ここは正しい道を辿ってほしいのです』

『あなたのたどる道で、そこから影響を及ぼして世界は戻る・・・・バタフライエフェクトという現象を利用するのです』


 バタフライエフェクト・・・・立った一匹の蝶が羽ばたけば、その影響はつながりにつながって天候にすら左右するという現象の事である。



「ようは、俺にどうにか正しい道を歩んでほしいという事か?」

『はい、そのためにも私たちは、貴方にある人を送りました』

『そして、その人に渡された道具をあなたは持っています』


 指をさされたのは、ライトの手許にある『導き板』。


 これはこの神たちが創り出し、導くためにライトの手許へ渡るようにされた道具だという。


・・・・つまり、あの時助けた老人は、神からの使徒だったという事なのだ。



「でも、なんで俺なんかにそんなことを・・・・」

『誰でも同じこと、されど人は人で違うのです』

『選んで、その結果があなたに向いただけ・・・・。そのことを話すために、今日この日にその道具はここを指示し、貴方は導かれてこの場に来た・・・・』




 そして、ライトはこの女神たちに役目を与えられた。


 持っているこの「導き板」を頼りに旅することで、この世界を修正するという役目を。



 タダでやってくれというわけではない。


 旅の途中には危険があるのは目に見えており、そして、その修正の最終目的として・・・・姫の奪還もあるのだという。


 ただ、その最終目的を果たすためにはドラゴンと対峙するのは目に見えている。


 そこで彼は武器を与えてもらった。


 黄金に輝く、神より与えられし神剣を・・・・・・・



 そして、ライトは旅を再び続ける。


 神たちに与えられた役割を果たし、その目的へと向かって・・・・・・





次回でようやく劇が終了。これダイジェストのようにしないと結構大変である。

長くなりそうで、本当に疲れる・・・これで新連載やってもできそうな気がする。


SIDE舞台裏:その2


女神演技終了後・・・・白色と黒色の光を放つ女神の役をしていたシロとクロは、舞台裏でほっと一息ついていた。

「いや本当に・・・こういうことをすると物凄く緊張しますね・・・」

「セリフ通りなはずじゃったが、危うくいつもの妾という言葉を使いそうになってごまかしたり、この『~じゃ』とか言いそうになるのを必死にこらえるのは辛かったのぅ」

「あー、わかるぜよな。普通だけど、セリフ通りにやろうとすると疲れるぜよね」

「うんうん、いつの間にかつく語尾の修正はキッツいですのんね」

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