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278話

劇の内容としては、過去に投稿した作品を少々魔改造したモノを、普通にある童話などにつけ足す予定です。

・・・学園祭まで残り1週間を切った。


 ジャックたちのクラスでは劇をやることに決まり、その題材も数日ほどで決まった。



「童話をもとにしているようだけど、これで良く全員の意見をまとめ上げることができているよな・・」

「何しろ皆の要望が入りますからね」

「なかなか面白そうなものですのん」


 劇を行うにしろ、まずはその原作をいったん皆できちんと読んで内容を理解していく。


 その原作をもとに、さらに編集して皆の要望にあうようにかつ、面白みを増やせるようなモノへと脚本担当メンバーが改稿していくのである。



 皆にはプロトタイプの脚本がそれぞれに渡されるのだが、練習中に次々と改稿され、改善されていくので必死にやらなければついていけなくなるだろう。


 けれども、ジャックたちは皆一生懸命練習をしたため、誰もが付いてくることができた。


「王道と言えば王道の感じの劇だけどな」

「だからこそ、いかに工夫が大切なのかという事もあるぜよな」


 今回の題材にされた原作の話は王道物のストーリである。


 よくあるドラゴンに攫われた姫を助けに行くとある若者の話のようだけど、考えられてはいるようだ。


「でもさ、このラスボス役のドラゴンをスカーレットが演じて大丈夫かこれ?」

「大丈夫!本職、間違イナイ!!」


 ぐっと指を立ててばっちりだというスカーレット。


 一応モンスターであり、役割としては間違えてはいない・・・・はずだけど、その容姿は美少女なのですぐにドラゴンとは思いにくいかもしれない。


 いや、角とか尻尾とか羽とかを見るだけならドラゴンに見えるけど、そのあたりをどうカバーするのかも小道具や衣装を担当する人の見せどころだろう。


 むしろどうにかしないと舞台に立った時に絵面に問題が出そうである。



「そして、なぜ主役に推薦されるんだよ・・・俺の希望としてはこのモブAがいいって言ったんだけどな」

「いい方だろジャック!!俺なんて道中に出てくる怪しい爺さん(M)とかいう謎の役だぞ!!」


 ジャックの言葉に、不満を持ったロイスが叫ぶ。



 劇の役決めは皆の推薦で決められられたのだが、ほぼ確定でジャックが主役に推薦されてしまったのだ。



「満場一致過ぎて作為的なものを感じるのだが・・・・・」

「そんなことはないですわ!!」

「皆きちんと公平に決めた」

「厳選な結果ですのん」

「当然と言えば当然ぜよ」

「まあ、似合うのはあんただしね」

「文句は言うが、主役はお前の方があっているだろうしな・・・・」


「で、やましい事とか作為的なことがないのか?ないのならこっちを向いてくれ」


「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」

「思いっきり全員目をそらしているじゃん!!」



 ジャックの問いかけに対して、その場にいた全員がさっと目をそらし、口笛を吹いたことに、ジャックはツッコミを入れるのであった。


 ちなみに、シロ、クロ、メゾンたちにも今回の劇はそれぞれに役割が与えられている。


 小道具兼役者を担うのである。




 何度も修正される台本、遅くまで続く劇の練習、ほどほどの手加減しあっての剣技の練習など、皆の疲労は貯まる。


 けれども、この劇は必ず成功させたいと、クラス一丸となって取り組んでいくのであった。


「ついでに演出もしっかりと工夫しないとね」

「背後でドーン!!って爆発をどうにかしてやりたいな」

「いや無理だろそれ。しかもジャンル違うし」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDE???



「ぬぐふふふふふふふ、学園祭の時にこそ一番接触しやすいチャンスだぬぅ」

「はい、学園祭の時期は外部からの来客も可能、警備は厳しいですが特に危険性のあるように見せさえしなければ大丈夫でしょう」


 ・・・首都のとある高級宿屋の一室で、わざわざ準備を進めるためだけに借りている者達がいた。


「平民風情が貴族の位を、適正者だとしてもさすがに王女までを嫁がせるというのは気に食わんぬぅ。彼女はこのわたーしにこそふさわしいと思うぬぅ」

「さらには、帝国の皇女及びその他もろもろ綺麗な少女たちを侍らせているようです。そんな輩に第2王女様はふさわしくないでしょう」

「そのとおりだぬぅ!!とはいえ、何かしらの裏の方での人達に処理を任せでもしたら足が残る可能性はあるのだのぅ。ここは自分たちでやるのだぬぅ!!」


 ぐっと、その太い手を握り締め、決意を固めるその人物。


 ・・・・・けれども、彼らの計画は甘かった。


 そりゃもう、とんでもなく甘かったので計画が他に漏れていた。


 そして、それを察知したある人物はすでに対策を練っており、見つからないように今まさにその場で様子を見ていたりもするのであった。


「・・・・ご主人様に手出しをする者には鉄槌を」


 ぽつりとつぶやき、いかにその行為がどれほど愚かだったのか知らしめるために、密かに彼女は動き出す。


 もはやその時点で、この部屋で企みをしていた者たちの命運は決まってしまったのであった・・・・・・

学園祭は近付き、調整をしていくジャックたち。

配役をしっかりと分け、それぞれの役割、セリフもきちんと覚え、練習していく。

観客の安全性確保も必死なので、そこをどう解決していくのだろうか。

次回に続く!!


・・・スカーレットの話し方を考えると、セリフを誰かにアフレコしてもらう方式を取った方が賢明なのかもしれない。衣装案とかもしっかり考えて、皆がきちんと劇をこなせるようにしないとね!!

裏の方では、メイドゴーレムのシーラが邪魔者をつぶすようだけど、本当にメイドって何だっけと言いたくなる。


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