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276話

帝国の第1,2皇子たちは現在海外へ留学中。

登場はまだ先になる模様。というか出る機会があるのだろうか?

・・・・帝国での滞在も終わり、ジャックたちは馬車で王国へ向かっていた。


 夏休みの終わりが近づいていることを示し、来年からは学生という身分ではないのでどうなるかはわからない。


 そんな思いを皆が抱きつつも、馬車にはついでとばかりにミヤゲが同乗していた。


 放浪癖がある故に一か所の場所にずっととどまれないようであり、彼女自身もはや旅が人生の中心となり、生活に欠かせないことになっているのだ。



 途中の村で下車して、そこから別方向へと向かうようだがそれまでの間ずっと馬車内でルナに「ぎゅうううううううううっ!!」と抱き()いているのだった。


 とり憑いた幽霊のごとく、べっとりと。



 その様子を向かい側の方で座っているジャックは苦笑いを浮かべ、ルナは渋々と言った顔をしているが、次に会えるのはいつなのかがわからないので強く突き放すという事もしなかった。


・・・いや、抱き付く力が強くてはがそうにも離せないので諦めたというのが正しいであろう。


 結構重量のあるガントレットを装着して振り回し、ドッカンドッカンたたきつけるぐらいの腕力をルナは持っている。


 過去にジャックを抱きしめすぎて病院で入院期間が延びたという事をするほどなのだが、それだけの力をもってしても引きはがせないのはミヤゲの力が上回っていたからであろう。


 とにもかくにも、その離れる場所までミヤゲはうっとりとルナをなでながらしがみついているのであった。


 






 それから時間が経ち、ミヤゲとジャックたちはわかれる場所まで来た。



「さてと、愛しすぎる妹ともここでお別れね」


 物凄く名残惜しそうだが、ミヤゲは下車し、ジャックたちとは別の方面へ向かって歩み始める。


 次に会えるのはいつになるのかはわからない。


 けれども、また必ず会えるだろうと皆は思いながら手を振って見送るのであった・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEラン王女&アンド学園長



「・・・ふぅ、何とかミヤゲさんに気がつかれずに別れていきましたね」

「ええ・・・でも、もしかしたら彼女は気がついていたのかもしれないわ」


 ラン王女が乗る馬車の中で、アンド学園長は思っていたことを話す。



・・・ミヤゲは類を見ないほどの物凄いシスコンである。


 その可愛いと言っている妹であるルナといつでも気軽に会えるような関係になりたいのであれば、一番楽な方法があるのだ。



「ジャックと婚約を本格的にして、完全に結ばれればいつでも気軽に尋ねたり過ごせたり出来たのよね」



 卒業後、ジャックの立場上ミヤゲがルナの親族であっても、旅人として訪れたときに気軽に会うことはしにくくなる。


 それならいっその事、ルナ同様ジャックの妻になってしまえば、妻として帰ってきてルナに迫ることだって可能なはずである。



 そのことに、ミヤゲが気がつかないはずはなかった。


・・・・ただ、この方法はミヤゲにとっては選択できないことだったのだろう。


 ミヤゲにとっての一番はルナであり、ジャックはその愛しい妹の愛しい相手。


 もしミヤゲもジャックと共にとすれば、妹がジャックと居られる機会が減るのはわかる。


 そして、そのことはすなわちルナにとっていいことではないとミヤゲも理解しているのだ。



 また、ジャックの事を恋愛対象として見て取ることができず、結局親しい友人として割り切っているところもある。


 そのため、ミヤゲはジャックのそばにはいかず、ルナを違う立場で見守ることに決めたのであろう。



 真のシスコンは、妹を本当に思いやる心を持っている。


 そのため、ミヤゲはそのジャックのそばに立つという事を放棄した。


 すべては可愛い愛しい、命にも代えがたい自身の妹のために・・・



・・・その様に、アンド学園長は予測した。


 そして、その予測は合っていた。



 ミヤゲはもしかしたら一生独身なのかもしれない。


 けれども、その一生は全てが愛しい妹のためにと費やすためにあるのだと心に決めているのだろう・・・・・・。





 馬車は進み、王国へ向かう。


 日が短くなり、夏休みは明けて季節は秋へ、月日は経っていく。


 学園長の長い生でも濃く感じた今この時を、しっかりとアンド学園長はかみしめる。


 死ぬ時まで、ずっと一生の思い出に残るような現在、未来に想いをはせて・・・・・・

閑話を挟んで新章へ。

バルビモル王国の3人の王子たちのその後、もしくは別の方視点での話にする予定です。

でも書くのがちょっと怖い。王子たちに開いてはいけない扉が開いていそうでためらってしまう。

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