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267話

今回は会話回かな


 帝国へと馬車は無事に進み、到着する。


 道中、よくわかっていないような大馬鹿な盗賊とかが出たりはしたが・・・・・過剰防衛と言うべきか、オーバーキルと言うべきか。


「手応えなさすぎるどころか、こっちの加減を逆に求められたな」

「強くなりすぎるのも考え物ですわね」

「丸焼キ、ギリギリダッタヨ」





・・・・襲ってきた相手には、むしろ撃退した側が同情しているのであった。特に護衛にあたっていた騎士たちの方が。


 護衛の意味と言うか、いることに本当に何の意味があるのだろうかと、この後しばらくの間は彼らの悩み事になったのは言うまでもない。





「久しぶりに帝国内に入ったけど、相変わらず結構発展しているよな」



 帝国内の様子を馬車の中から見ながらジャックはそうつぶやいた。



 舗装、修繕、警備、治安、市民の笑顔の数・・・・・どれも高いレベルである。


 現皇帝の手腕がどれほどの物か、よくわかる光景でもあるのだ。



「ふふふ、しかも、去年の出来事もあってさらに治安も良くなっているようですよ」


 ジャックのそのつぶやき、ルナはくすりと笑いながらそう言った。



・・・去年の夏、ルナ争奪戦と言うものが行われていたのだが、その際にいろいろやらかそうとした貴族とかを一掃できたので、より清潔な状態へと帝国は変わっていたようである。


 とはいえ、完全に清廉潔白と言うわけでもない。


 光があれば闇がある・・・・完全に善だけの状態にはすることはできないのだ。


 しかし、うまいことそういう存在も受け入れれば、互いに共存しあってよりよく発展させることもできる。


 皇帝は諜報部隊なども潜り込ませて、そう言う部分からもきちんと判断し、政治に役立てているようである。



・・・・たまにわざと不満を爆発させ、愚かな行為に出るやつらを一気に沈黙させるという荒業も起こしているようだが。


 皇帝自身、適正者でもないのにかなり強いというのも関係しているのである。








 ギアス帝国の城へとジャックたちは到着し、馬車を降りる。


 今回は外交として訪れたラン王女たちが乗っている方の馬車も同時に停車し、こちらはその類のお出迎えの者に案内され、城の中へと進む。


 

ルナとは彼女の自室前で一旦分かれて、スカーレットも部屋で待機することに。


 そして、ジャックは・・・





「久しぶりだな、ジャック=ラルゼよ」


 皇帝の前に立っていた。一番最初に面会することになっていることから、どれだけ立場が重いのかがよくわかる状態である。


 レント皇帝の姿は相変わらず変わらないが、迫力と言うか、威圧感はより洗練されているとジャックは思えていた。


 

一国を仕切る王たるもの、その実力もそれにふさわしいモノへと皇帝は考えており、きちんと鍛錬を積み重ねているのもあるのだろう。


 伊達に適正者と渡り合えるほどの実力を持っているだけではないほどの、カリスマ性を伺える一面でもあった。


・・・親バカなのは、ごく一部の者たちが知っている一面でもある。




「お久しぶりですね、皇帝陛下」


 ルナとは将来的に結婚することになるので、お義父さんと呼んでも違和感はないが、まだ時期的に早いと考えているので、ジャックはまだそれで呼んでいない。


 また、最初に出会った時に、話し合って友人のような関係でもあるため、そう呼ぶのに少し抵抗があるのも理由である。



 なによりも、レント皇帝の纏う雰囲気に抑えられているのかのような錯覚もあったのだった。










「・・・もう聞いてはいたが、王国の王女との関係もできてしまったのだな」

「まさか国王様の方からそう宣言されるとは予想できませんでしたからね。一応爵位ももらっていますが、正式になるとすれば学園卒業後です」


 ここ1年の間にあったことを互いに語り合うジャックとレント皇帝。


 はたから見ればまだまともに話せてはいるが、どことなく重い部分があるのはわかるだろう。


「王国のナンバー3、アンド学園長とも関係を持ってしまったのは・・・その経緯を聞けば、まあ同情はできるな」

「・・・・いや本当にすいません」



 ジャックの周囲の女性関係・・・そのことについて皇帝に少し叱られているのである。


 愛娘であるルナが選んだ男でもあり、皇帝自身が認めてもいるから女性関係が増えるのはまだいい。


 しかし、学園長の例のような油断をしているようなところがあったところを攻められているのだ。



要約すれば、「厄介ごとを増やし過ぎるな!!」という小言のような物である。


 まあ、そのあたりは何とかジャックはなだめて押さえることに成功したのであった・・・・・。





 一通り話し終わり、一息つく。



「・・・そういえばジャックよ、ミヤゲ・・・第2皇女の事を覚えているか?」

「ああ、ルナのお姉さんでしたよね」


 シスコンであり、ルナ好きパワーみたいなものでとんでもない実力を持っている第2皇女。


 いろいろと濃かったので、かなり印象には残っていた。


 「この親にして、この子あり」・・・まさにその言葉を表現したような人物だったともいえよう。



 現在は何処かへまた放浪して行方は不明だが・・・・たまにルナの下に分厚い手紙が届くので生存確認はできている。



「そのことだが、ジャックたちが滞在している期間中にどうやらこの城に戻ってくるようでな・・・厄介ごとを持ち込んでくるようだから気を付けておけ」

「・・・了解いたしました」


 皇帝のその言葉にどことなく嫌な予感をジャックは感じ取った。


・・・・そして、その予感は現実のものとなる。

こういう時の勘は冴えるジャック。

嫌な予感を感じ取る時、それは現実となることである。

ルナの姉、第2皇女であるミヤゲが持ち込んでくるであろう厄介ごとに、巻き込まれずに済めるのだろうか?

次回に続く!!


・・・第2皇女を次回だすけど、あの人のシスコンって書いているこっちが大変になるほどなんだよな。アウトな表現が出そうで、そこをいかにやめさせるか減らすかが問題である。


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