255話
短いかな?
「・・・・・」
「そのまま心を無我の境地へとやるのじゃ」
現在、ジャックは3人の王国で強い適正者に囲まれた状態で座禅をさせられていた。
理由として、今回のジャックの合宿での強化があるのだが・・・・
「お主は戦闘面での実力がある。じゃが、精神面ではまだまだ甘い。この合宿中は精神面を鍛えるものと思うのじゃ」
戦闘技術とかはすでにジャックはかなりのものだとザバルは断言する。
しかし、まだまだ精神的にも甘いところがあり、そこを徹底的に鍛えあげれば実力はまだまだ伸びるというのだ。
そのため、精神面の修行として、最初は座禅で心を落ち着かせていくというものであった。
「精神面の攻撃を時々行うので、それを耐えきると良いのじゃよ」
「ひゅっひゅっひゅっひゅっ、あちきの『黒日記』での精神攻撃が来るのだ」
ナーキゾレムのその言葉に、それはいろいろきついとジャックは思った。
王国ナンバー2の適正者・・・ナーキゾレムの武器は「黒日記」。
物理攻撃でも魔法攻撃でもなく、精神的面から攻撃をしてくるという恐ろしい武器である。
以前、対魔勇団をつぶす際にその攻撃の一部を垣間見ているので、どれだけ恐ろしいのかはよくわかっていた。
・・・ちなみに、その恐ろしい精神攻撃なのだが、ザバルにはどうも効果がならしい。
すべて笑い飛ばせるだけの精神力があって負けたのだとか。
どれだけ図太い神経だとツッコミも入れたくなるが・・・・。
夕暮れ頃、ジャック以外の全員が宿泊場に戻る時だったが、ジャックはその時点で真っ白に燃え尽きていた。
「あはははは・・・・・」
「なんか怖いんですわね」
「ちょっと精神崩壊していない?」
「あー、マスターにとってキッツい思い出話のようなことを黒日記でささやかれたようです」
「妾たちには聞こえ寝ぬように配慮されておったがのぅ」
「・・・あの性悪な人殺していいかな」
「それはだめでしょ!!」
・・・ジャック、この時点ですでに何か違ったところに足を踏み入れかけているようであった。
「・・・どれだけの事を言ったのかのぅ?」
「少々自我が壊れるレベルの物を」
「それ死ぬじゃん!?」
「ロイスだったら多分平気」
「俺をどう思っているんだよ!!」
ロイスのツッコミが入る中、合宿2日目は静かに終わるのであった・・・・・。
この日、ジャックが復活するまで時間がかかったのは言うまでもない。
誰しも人には触れられたくないような過去があるのさ。
小さい時は平気でも、成長した時には超・キッツいことになるんだよね。
なお、何を言われていたのかはジャック自身の自己崩壊を防ぐために黙秘させていただきます。
・・・・ナーキゾレムの黒日記攻撃が、現時点での精神への攻撃力最大な気がする。これでナンバー2の実力だから、ナンバー1のザバルの精神力ってどれだけすごいんだろうか。




