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26話

モンスターって結構種類があるよな・・・・。

 翌日、授業中のことであった。


 昼休み前の授業で、歴史上の適正者たちについて学んでいた。


 この授業担当の先生は最近老眼で悩みのアバソ先生。どう見ても今にも倒れそうな老人であるのだが、本人の強い希望により、死ぬまで教卓に立ちたいというらしい。その教師根性は皆の尊敬を集めており、入学して半月ほどだが、一番好感を持てる先生としての話題にも上っていた。




「・・・で、このハルという適正者は当時の適正者に顕現する武器としては珍しい型の、」


ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!


 先生が説明している最中に、いきなり警報みたいな音が鳴り響いた。


『緊急事態発生‼︎緊急事態発生‼︎緊急事態発生‼︎』


緊急事態?


その知らせに教室内は騒然とした。


『首都内に15体ほどのモンスターが侵入‼︎モンスターはアンデット系警戒レベル大の「デュラハン」‼︎5体は首都内に入る前に討伐されたものの、取り逃がしが侵入‼︎適正者になって3ヶ月以上経過した者たち全員で殲滅せよ‼︎3ヶ月未満の適正者達は校庭へ避難せよ‼︎』


どうやら、モンスターが首都内に入り込んだらしい。しかも、強力な奴が。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「デュラハン」

アンデット系モンスター。頭部と胴体が切り離れており、別々に活動が可能。全身が黒い鎧に覆われているように見えるが、中身がなく鎧そのものがデュラハンである。首がない馬にまたがっているものが多いが、中には鎧の色が真紅のようなもので馬に乗っていない上位種の「デュラハン・クリムゾン」と呼ばれる普通のデュラハンよりもはるかに強いものがいる。

防御力が高く、ダメージを与えにくい。通常4~5体ほどの群れで構成されている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「こりゃいかんな、皆、慌てずに避難じゃぁ」


 ジャックを含む36名全員と先生がが校庭へ避難を開始する。先生は今にも倒れそうな感じなので、数人で体をささえてあげていた。


 校庭ならば、けがなどしても死なない限りは校庭外へ出ればすぐ直るからな。


 ちなみに、同じような場所は城やその他重要な避難場所などにもあるらしい。





 校庭に全員集合したようである。一応、皆それぞれ念のために武器をいつでも構えられるようにしていた。


「点呼開始」


 出席順に点呼をとったのだが、ここで問題が発生した。


「先生!!ルナさんがいません!!」

「な、なんじゃってーーーー!!」


どうやらルナがいないようである。

 

 よく見ると、確かにガントレットを持っているはずのルナの姿が見えない。


「もしかしてだけど、適正者になって3ヶ月未満なのに向かったのか!?」


 誰かがそういった。ありえない話ではない、


 適正者の中には、3ヶ月たつ前に「もう十分戦えるんだ!!」とかいう感じに思うやつが出るらしい。


 だが、それは自信過剰というもの。この3ヶ月の間にしっかりと経験を積み重ねないとやられてしまうことが多いらしい。いわば、この3ヶ月という期間は発酵中のパン生地みたいなもので、それを待たずに勝手に行くとつぶれるようなものらしいのだ。


「誰か、ルナさんを連れ戻してくれんか!」


 先生がそう叫ぶ。


「それじゃあ、俺たちが連れ戻してきます!!」


 手を挙げたのは、たった一日で自称「ルナ皇女親衛隊」とかというものを結成した4人の男子クラスメイトだった。ロイスがちゃっかりその中の一人にはいっていた。


「おお、そうかたのむぞ」

「「「「わかっています!!」」」」


 4人は先生が言うとともに、その場から素早く走っていった。



 ・・・・ちょっと疑問に思ったので近くにいたリンにジャックは話しかけた。


「なあ、リン」

「何よジャック?」

「あいつらさ、ルナのいまいる場所ってわかるのか?」

「・・・・あ」


 ルナが勝手に一人で向かったとしたら、何処に向かうのか。


 モンスターがいる場所に向かったのだろうが、デュラハンは今首都内に15体ほどいると放送であった。

 

 そのどれに行ったのかもわからない。


「あいつら・・・勢いだけで行ったのね」

「ロイスたちはいいとして、ルナが心配」


 カレンがなかなかな辛口を言った。


「マスター、ルナさんならわかりますよ?」


 と、シロが突然人の姿をとったかと思うとそう言った。


「わかるのかシロ?」

「ええ、なんとなくですが」


 どうやら、聖剣であるシロには人間の居場所を探知できる能力があるようである。


 クロにも聞いてみたがこちらは魔族の居場所がわかるそうだ。


 聖剣・魔剣でどうやら能力に対照的なところがあるようであった。


「・・・よし、シロ、そこまで案内してくれ」

「ジャック行く気なの?」

「ああ、戦いたくはないから見つけたら担いででも逃げてここに戻ってくるからな」


 そういって、ジャックはシロの案内によってルナのところへ向かって走り出すのであった。


 もちろん、ロイスたちの方は自己責任という形の方で片付けるつもりであったが。





「命大事に」だけど、まあ、ほおってはおけないのでジャックはルナのところへ向かう。

というか、そもそもこれで皇女が死にでもしたら国際問題になりそうな気がする。

次回、27話をお楽しみに。

・・・・ロイスたち?あいつらはいいやつだったよ(まだ死んでいません)

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