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253話

しばらくは某有名な天空の城ネタがちょくちょく入る予定です。

たまにはこういうこともやってみたい。

SIDE???


「・・・なに?天空都市ピュターラの位置を特定できたのかね?」

「はい、古文書の解析を進めて早数年・・・・ようやくその飛行ルートと現在地を割り出すことに成功いたしました!!」



・・・・とある大陸の国にて、この夜にある報告がなされていた。



 事の起こりは数年前、偶然古代遺跡を見つけて発掘していたところ、幻の空中にあると言われる天空都市ピュターラとよばれる存在を示す古文書が発掘された。


 この国ではクーデターによって軍事政権がなされ、強行的に何もかも推し進めていた。


 別の大陸にあるという国々を支配下に置き、世界の覇権を握って統一してやろうという野望があったのである。


 ただ、この国の軍事力は他の大陸にあるギアス帝国とかいう国よりも弱く、このままではあっという間に敗戦してしまうのが目に見て取れた。


 また、適正者と言う存在も厄介であった。


 この国には適正者がほとんどおらず、力はあれどもモンスターへの対処を追わせるしかなく、軍事的に動かそうにもある程度の被害を考えなければいけなかった。


 

 そんな中見つかったその古文書には、天空都市ピュターラについて詳しく書かれていた。


 

曰く、大昔のこの国の祖先の人達の故郷でもあり・・・・・封印された場所でもあると。

 

 誰もそう簡単に迎えぬように大空をさまよい続け、たどり着くには困難がいると。


 ただ、ピュターラには数多くのゴーレムたちがいるようで、そのゴーレムたちを一堂に操って兵器とする方法も記されていた。


 ゴーレムは基本的に増産が難しく、そう多くは作れない。


 だが、もしもそれが大量に軍に組み込めたとすれば?


 もし、そのゴーレムたちの力が凄まじければ?



・・・世界は簡単に手中に収められるのではないだろうか。



 その考えが当時のこの国の上層部の頭に思い浮かび、ピュターラ発見に心血を注ぎ始めた。


 天空都市と言う名だけに空にあるので、空を飛べるような乗り物を必死に作成し、『飛空艇』と名付けた。


 空からの攻撃が可能になったというのも大きなアドバンテージであり、これだけでもかなりの軍事力は上がっているだろう。


 だが、それでも彼らの欲望は満足しなかった。


 もっともっとピュターラを調べて、完全に手中に収めて世界を握りたい。


 そう考える一心で、ついにこの日ピュターラの特定に成功したのであった。


 


 万が一のことを考え、軍人を飛空艇に乗せ、ピュターラへ向けて彼らは急いで発進した。


 誰よりも先に、確実に我がものにせよという命令がなされて、皆ピュターラ目指して意気込む。




・・・・だが、そんな中でも、ある男だけは違った。


 下っ端から必死になって階級を上げ、つい最近ようやく大佐の地位にまで上り詰めて今回のピュターラを手中に収める計画のために乗り込んできた男。


 彼だけは、不敵な笑みを浮かべてつぶやく。


「・・・・ピュターラは我らのモノだ」と。



 そして、真夜中にもかかわらず、飛空艇は多く発艦していきピュターラへ目指して飛んでいく・・・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEジャック




 ジャックたちは現在、ピュターラにあった宿泊施設へ泊っていた。



 今回のピュターラの合宿の泊まる場所として選ばれたこの宿泊施設だが、この都市に住むゴーレムたちが整備してきれいになっていた。


 

 話によると、かなりの大昔にこのピュターラでは人間がいたらしい。


 けれども、大地に足を付けない生活に嫌気がさしたのか一人一人と消えていき、最終的にはゴーレムたちだけが残ったという。


 そして、長い年月が経つ間になぜかゴーレムたちに自我が芽生え、こうして人と変わらないような存在へと変化したのである。


なぜ、このピュターラが作られたかの目的はわからない。


 けれども、もともと人が住んでいたこともあって、ゴーレムたちを見てもわかる通り高い技術力を持っていたらしく、こうして今でもそれらの施設は稼働して使用できるのであった。



「誰が何の目的で作ったのかもわからない天空都市か・・・・」


 ふとつぶやき、そのことにジャックは考える。



 このピュターラがどうやって宙に浮いているかも謎であり、ゴーレムたちが作られた目的も謎である。


 けれども、何か目的があったのではないかと思うと気になるのだ。


 ・・・都市の中央には巨木があり、まるでこのピュターラはこいつの根っこの上に出来たのだともいうような迫力もあった。


 そして、何やら扉のようなものが付いていて中には入れそうだったのだが、どうにも開かないようだ。


 何かで認証するようだけど、とりあえず今は合宿なので無理やりこじ開けずにそのままにしていた。



「・・・なぁシロとクロ、勇者と魔王はかつてこの都市に来たことがあるだろう?」


 ちょっとこの都市の住人であるドドドズンから聞いた話を思い出し、ジャックは向こう側にいるシロとクロに話しかけた。



 現在、入浴中であり男湯と女湯に分かれて皆入っていた。


 先ほどから覗きをしようとザバルが根性を出しているが、すべて女性陣によって防がれているようである。


 のぞき穴なんてモノも作成しようとして、そこから勢いよくスカーレットがブレスを吐いて撃退したのは数分前の事であった。



「・・・はい、当時の目的としては偶然見つけた場所であって、誰かを仲間にして地上へ戻ったはずです」

「じゃがのぅ、妾たちの自我がまだできていない時期だったようでな、その話は後からしか聞いておらぬのじゃよ」


 ちょうどその勇者と魔王がこの天空都市に訪れた時期は、まだ彼女たちが人格を持つ前だったようである。


 そのため、このピュターラをあまり知らないようであった。



 なお、武器は本来所持者が持った状態のままを言われているのだが、この天空都市はモンスターが発生しないらしく、そのため地上よりは安全の様であった。


 なので、剣の状態ではなく人の姿の状態で聖剣、魔剣、神剣、・・・シロとクロとメゾンは女湯に入ったのであった。




「こうなったら超高速でみてやるわい!!」


 先ほどから必死に覗きをしようとしているザバル。


 けれども、ここまで全部目論見は失敗に終わっているようで、ついには実力行使に出るようであった。


「壁をぶち壊せばこんなもん!!」


ごきぃっつ!!





・・・・・この都市にかつて住んでいた人たちも、きちんとそういう対策はしていたようだ。


「おぉぉぉぉぅぅぅう・・・う、うでがぁぁあ・・・・」

「・・・自業自得ですよ」


 拳で女湯との仕切りを破壊しようとしたザバル。


 だが、もともとご老体なうえに、鉄板でも埋め込まれているのか、彼の手を骨折させるだけであった・・・・・


合宿で天空都市ピュターラに滞在するジャックたち。

そんな中、空から迫りくる怪しい影。

果たして、この合宿はまたもや面倒ごとに巻き込まれる運命なのだろうか!!

次回に続く!!


なお、ザバルの腕はシラタマが治した模様。・・・最近この子ほとんど出番がないような気がする。巣立ちも近いのかね。

ナンバー1の実力を持っている爺さんだけど、こういう時に抜けているところがあるんだよな。

完璧超人はいないという証でもある。

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