22話
首が痛い・・・
第3皇女『ルナ=ギアス』が留学してきた。
休み時間となり、皇女の周りに人だかりができた。
皆興味津々で、質問しまくっている様である。
「留学ってどのぐらい?」
「ガントレットってどんな感じ?」
「その髪型どうやったらできるの?」
多くの質問に対し、皇女は全てに答えていった。
時折、ジャックの方を見た様な気がしたが、気のせいだろうとジャックは思った。
昼休み、ジャックたちは食堂の一角で昼食をとっていた。
「にしても、ルナさんいいなぁ」
「ロイス、顔が緩んでいるぞ」
皇女を見てから、ロイスは顔がかなり緩んでいた。ちょっと危ない奴に見えそうだぞ。
「ジャック、お前はよく見ていなかっただろうけどな、干からびた大地よりはむ、ぐべぃぼん⁉︎」
リンのメイスは今日も絶好調の様である。
午後の訓練で鍛えられてきたのか、日々日にロイスの顔にめり込む深さが深くなってきたなぁ。
そして、そのやりとりに全員慣れたようで「いつもの事か」と平然とする人しかいなくなってしまった。
「まったく、いつになったらその口は治るのかしら」
「バカは死ななければ治らない」
カレンがキツいこと言ったが、ロイスには効果はない様だ。というか、死んだとしても治るか?
「そういえば、皇女・・ルナだっけ?食堂にいないようだけど」
食堂を見渡しても皇女の姿がない。
「そういえばルナさんいないな・・・」
「あんたたち聞いていなかったの?」
「彼女は学園長に王内を案内されていて、昼食はいつの間にか済ませていたらしい」
どうやら女子特有のネットワーク情報のようである。
「ふむ、マスターはあの皇女が気になるのですか?」
シロが人の姿となって聞いてきた。
「いや、気になるわけじゃ人だけどさ、なーんかね」
ちらほら視線を感じたような気がするんだよな・・・・。
ちなみに、クロは昼寝している模様。剣の姿のままでじっとしているけど、良く耳を澄ませば寝息が聞こえる。
・・・・寝息が聞こえる魔剣ってどうなんだろう。魔剣のイメージとはなんか違うような。
午後となり、午後の授業である訓練が開始された。担当教官は毎度おなじみゴリアン教官。
学園長の訓練に比べたらまだ楽なんだよな・・・・。
「今日の訓練はぁ!!二人一組で組合、対戦しあうというものだぁ!!」
適正者の役目はモンスターを倒すこと。なので、連携取ったりすることもあるので、まずは二人での即席の連携練習と言う事らしい。
「ルナさん!!俺と組んでくれ!!」
「いいや!!どうか俺と!!」
「まてまてい!!拙者が!!」
今日入ったばかりの留学生である皇女に男子の大半が組んでくれとせがみに行っている。
そして、その光景を他の女子が白けた目で見ていた。
なお、リンはカレンと組み、ロイスは皇女の方に申し込みに行っていた。
「誰か組んでくれる奴いるかな・・・・?」
このクラスの人数は皇女が入ったことにより36人。余ることはないと思うのだが・・・・。
「そこの二つの剣を持ったあなた、わたくしと組んでくださらない?」
「はい?」
声がかけられたので見ると、今まさに男子たちに迫られているはずの皇女がいた。
男子たちの方はいつの間にか殴り合いのバトルと化していて、どうやら皇女が抜け出しているのに気が付いていない模様。
「えっと、俺とですか?」
「ええ、なんとなくですけど」
争い合っている男子はほおっておいて、皇女と組むことになったようである。
まあ、別に断る理由もないので、ジャックは皇女と組むことにしたのであった。
気が付いたほかの男子たちからの視線が痛いが・・・・。
ガントレットと聖剣・魔剣の組み合わせって、ほとんど近接戦闘になりそう。
 




