表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
248/344

219話

事後処理的な感じです

「・・・・魔力の急激な消耗と、無茶苦茶な荒業による貧血の様なものね」


 ジャックがぶっ倒れ、その場で学園長が診察をした結果貧血に近いものが原因の様であった。


「火事場の馬鹿力とかいうやつかしらね。余りの気色悪さにトラウマレベルになる前に理性が吹っ飛んだので、ついでに制限とかも吹っ飛んであんなことになったのかしら」


 学園長が見た方向には、わずかに残ったワームの破片があった。


 文字通りの爆発四散によって、哀れな最期を遂げてしまったモンスターでもあった。



「にしてものぅ・・・・さすがにこうなる(・・・・)とは思ってなかったのじゃ」

「このタイミングでというか、今の無茶苦茶さが原因と言うべきか・・」



 クロとシロがそう言いながら、肩をすくめる。


 その姿は、何時もの少女の姿ではなかった。



「もうそろそろ力が戻ってくるころあいじゃと思っておったのだが・・・」

「今の魔法の行使の際に、通常よりも多くの魔力を一気に流されたことによって完全に戻ってますね・・・」


 そのシロとクロの姿に、驚きで目を見開く者やその姿に見惚れてしまう者がいる。



 そう、彼女たちはなぜか今回のことで一気に勇者と魔王に仕えていたころの力と姿を取り戻したのであった。


 一気に体が成長したかのような姿となり、大人と言っても可笑しくはない体つきへと変貌していた。



「シロとクロの本来の姿ってそのような感じだったんだ・・・・」

「今のでまさかこうなるとは・・・」

「サイズも・・・・・・なんで剣なのに大きくなっているのよ・・・」


 何か悔しがるつぶやきが聞こえたような気がした。












「・・・・・・痛っ!?」


 ふとジャックが目を覚まして体を動かそうとすると、全身に激痛が走った。


 例えで言うならば、筋肉痛を濃くしたかのような感じである。


「あれ?確かぶにょぶにょのぐにょぐにょがあって・・・・?」



 ギガントワームの触手に巻き付かれて、その気持ち悪い感触からここまでの記憶が途切れていた。


 なにか無茶苦茶なことをやったような気がしつつも、今一つ不鮮明である。


 そして、今いる部屋はどうやら魔王の私室のベッドの上の様であった。


筋肉痛の影響か、それとも単純に眠気がないだけか眠くはない。



「ん?なんだこれ?」


 意識がだいぶはっきりしてきたところで、ジャックは気が付いた。


 何か柔らかいものが押しつけられているかのような、そんな感触である。


 ここで、ジャックの脳裏に「デジャヴ」と言う言葉が思い浮かんだ。


 よく見ると自身にかぶせられている布団に何か自分以外のふくらみができている。


「・・・・まさかとは思うけど、また?」



 この感じ、ジャックは以前にも味わったことがあった。


 そう、その感覚は聖剣と魔剣が・・・・・




 恐る恐るジャックは痛みに耐えて布団を思い切ってめくった。



「お、気が付いたのじゃな」

「よかったですよマスター!」


 そこにいたのは、シロとクロ・・・の様な女性であった。


 ここで確信を出せなかったのにはわけがある。


 シロとクロに似てはいるが、見た目の年齢が明らかに成長しており、大人と言ってもいい。


 そして、その恰好が・・・・・全裸である。


 先ほど押しつけられていると感じたのは、彼女たちの生肌であり、その豊満な・・・・




ぼん!!



・・・・純情さもあり、ジャックは再度気絶した。










「・・・つまり、本来の聖剣・魔剣の力に戻ったという事か」

「はい、マスターの魔力によってこれまで徐々に戻ってきていましたが、今回の件によって完全に元の状態になったのです」

「ついでに体も元の状態・・・つまりこの状態になってのぅ、せっかくじゃから寝起きどっきりとやらを仕掛けて見たのじゃが・・・・ルナたちや、そろそろ妾たちを天井からおろしてくれんかのぅ」

「だめですわ!!」

「私達がいない隙にそのようなことを仕掛けたのはまだ許せない」

「一応情けで服を着せているだけいいですのん!!」

「まあ、これはこれで面白いぜよがな」


 とりあえずジャックが再度気が付くと、シロとクロは服を着た状態で天井からつりさげられており、ルナたちが部屋に入ってきていた。


 ロイスが床にめり込んでいるのは、裸だったシロたちを見たようで、そのすぐ後にリンによる追撃を喰らったらしい。


 完全には見ていなかったようだが、それでも見たことには変わりはないようだったので、ついでにジャックもなんかむかついたので筋肉痛気味ながらもとどめを刺しておいた。


 しかし、これでもロイスは蘇るであろう・・・・・・もう人間じゃないよな?



 とにもかくにも、詳しい事情説明を皆にジャックは聞いた。



「俺が逆ギレして、ギガントワームを木っ端みじんの爆発四散させたという事か・・・・・」


ジャックにとっては今一つ実感はなかったものの、その事に関しては筋肉痛が証拠の様なものであった。



 どうやらギガントワームを蹴り飛ばすなどの無茶苦茶な行為により、一時的にだがその反動が来たらしい。


「逆ギレによって、火事場の馬鹿力の様な状態となったのよ。それで、落ち着いた今はその時に無理をしたぶん、身体のあちこちに反動が出たというわけなのよね。まあ、一晩ほど眠れば自然と治るものだし、それまでは安静にしているだけで大丈夫よ」



 学園長も部屋に入ってきており、詳しい状態を聞いた。



 あのギガントワームは爆発四散で肉片もわずかにしか残っていないようだが、どうやら国の研究機関とやらに輸送されたようである。


「明らかに異常で、そのため何かあるのではないかと調べるためにわずかだったけど肉片を回収し、すべてもう輸送されたわ。ただ、ジャックのあの技のせいで焼け付いている部分も多くて、詳しい結果は出にくいでしょうね」

「いや本当に何かすいません・・・」




 とりあえず、一応それで今回の件の事後処理は完了らしい。


「明日は予定通りに学園に戻るし、今日はもうゆっくりとしていなさい」


 学園長はそう言い残し、何か仕事があるらしく部屋から出ていった。



「あー・・・ゆっくりと言っても体中が本当に痛いんだよな」

「マスターが無茶しすぎたからですよ。魔力も一気に使用したし、その分負担が半端な方用ですからね」

「まあ、そのおかげで妾たちも本来の状態になったのじゃが・・・そろそろおろしてくれんかのぅ」

「「「「あ」」」」


 吊るしっぱなしになっていたのを、全員忘れていたのであった。


今回から、シロとクロの人の姿が大人Verへとチェンジ!!聖剣・魔剣の姿もパワーアップ!!

なお、もうそろそろロイスの種族的な話を出す予定。

やっとその話にいけそうで、内心今さらかとも思えているけどね。・・・この時点で人間やめているようなものと宣言しているけど、いつごろからそうなったのかがわからないんだよね・・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ