216話
本日2話目
こういう城とかに実際に泊まってみたらどういうもんかな?
「ん~~~~~!やっぱこのベッドすごく快適に眠ることが出来るな」
魔王城滞在2日目、ジャックは魔王の私室のベッドで目覚めた。
この魔王のベッドは本当に超・快眠を提供させてくれて、物凄く良いベッドである。
「久々に寝て思ったのじゃが、やはりこのベッドは良いのぅ」
「こういう快適なものがあれば、本当に疲れとかも取れますからね」
剣の姿で寝ていたクロとシロも、ベッドに横たわっているだけで快眠を得たようである。
・・・剣が寝るという表現は変かもしれないが、もう考えないでおこう。
「オハヨー」
ジャックがその声に気が付くと、ベッドの下の方からひょっこりとスカーレットが顔を出した。
「・・・いつの間に?」
「昨晩二ダヨ」
寝起きたばかりのようだが、元気に返事をするスカーレット。
にっこりと笑い、尻尾をぶんぶん振るその姿はどことなくジャックにとって犬を連想させたのであった。・・・一応、元は火炎龍らしいけど犬同然としか思えない。
朝食のために、魔王城の食堂とやらにクラスメイト達が全員集まって朝食をとっていた。
魔王城の食堂はどうやら自動的に席に直接メニューが出現するらしく、その仕組みは不明と言う事らしい。
きちんとその人にあった食事となり、アレルギーや好き嫌い、食欲や栄養バランスもしっかりと考慮されたものとなって出てくるようだ。
「健康はまず食事からと言うことで、このような仕組みが食堂に作られたらしいんじゃよね」
クロの解説によると、身体を作るのに必要な栄養管理をしっかりと整えることによって、健康促進、体力向上などするので、それを目的にして食堂にそのような謎のシステムが設置されたのだとか。
どういう仕組みなのかは、クロも知らないらしい。
「何せこの城の建築・設計したやつの頭は言うなればブラックボックス。誰もが考え付かぬようなことを次々と考えだし、城にその仕掛けを増築して施していったからのぅ・・・・」
建築者のその頭の中身はどうなっていたのだろうか。
その話しを聞いた全員が気になることでもあった。
「おはようですわ・・」
「あ、おはようルナ・・・って、なんか寝不足?」
ルナの声がしたので振り返ると、目元の方にクマができているルナの姿があった。
よく見ると、他にもカレンやミツ、ヨナまで目元にクマができている。
「・・・寝られなかったのかい?」
「まあ、そういう感じですわね」
ジャックが訪ねると、ルナはそれとなく目をそらした。
「?」
同時にカレン、ミツ、ヨナたちも目をそらしたので何があったのか気になったが、下手に突っ込むと藪蛇なような気がしたのでジャックは質問することを止めた。
「さて、魔王城滞在2日目ですが・・・」
クラス全員が集まっていることを確認しつつ、学園長がいつの間にか設立されていた壇上に立って説明をしていた。
魔王城ツアー2日目は、この魔王城の隅々まで全員で探索してみるというものである。
魔王城は内部が概観よりも広く作られており、その全容はまだ明らかになっていない。
「・・・調子に乗って部屋数を増やし過ぎたバカのせいじゃ」
クロがポツリと、この魔王城の建築者に向けてか言葉を漏らした。
(本当にどういう人だったんだろうか・・・・)
クロのそのつぶやきを聞いた者たちは、本当にどの上な人物がこの魔王城を創り上げたのかが気になったのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・あれが魔王城ですか」
魔王城近くの湖にて、ぽつりと立つ白衣の人物がいた。
「あの城自体の耐久性も相当なものらしいですが、この試作品の攻撃性のテストが出来そうです」
白衣の人物は、懐から試験管を取り出す。
その中には、何か脈を打つ不気味な小さな塊があった。
その試験管のふたを開け、湖の中にその塊を投げ入れる。
「・・・相変わらず稼働までに時間がかかる点をどうにか改善をしたいですね」
そう白衣の人物がつぶやくと、その場から安全な場所へと非難していったのであった。
・・・湖の中で、投入された塊はより激しく脈動をし始める。
水を吸収していき、自身を大きく・・・・・・・
魔王城の全容を調べるために、クロの案内の元ジャックたちは動く。
かつて魔王が住んでいたこの城には、どうやらまだまだいろいろな秘密があるらしい。
だが、その一方で謎の人物が投下した物体が湖で成長をしていく・・・
次回に続く!!
・・・ロイスの種族について、様々な意見をありがとうございます・・・・が、やはりロイスは人外認定をしたほうが良さそうだというのが多いですね。あいつやっぱりもう人間やめていると言っていいのかぁ・・・どのあたりで判明させた方がすっきりするかな?




