215話
真夜中・・・
風呂も終わり、ジャックたちクラスメイトは魔王城のそれぞれの客室にて寝ることに・・・
「なったはずだけど、まさか魔王の私室で俺が寝ることになるとはな」
「まあ、良いじゃろう。魔王様のかつての寝床で、マスターが寝ることになるのじゃからな。おかしくはないのじゃ」
なぜ、ジャックが魔王の私室で寝ることになったのか。
・・・クロがそう望んだからである。
「魔王様の部屋でまた寝たいのじゃが、いいじゃろうが?」
「いいわよ」
と、学園長に許可をお願いしたところ物凄くあっさりと許可が下りた。
「もともと、この魔王城にすんでいたのは魔王とその魔剣・・・別におかしくはないわよ」
と言うのが理由であり、またクロはジャックの武器でもあるのでその所持者であるジャックも一緒にと言うことになったのであった。
正直言って、ジャックにとってはこれはこれでうれしい事でもあった。
なぜなら・・・・
「あ~・・・・すんごい快適・・・ぐぅ・・」
魔王の私室のベッドは超・快適に速攻で寝ることができるのである。
客室の方のベッドで寝るよりも、魔王のベッドで寝たほうがジャックにとってはよかった。
シロとクロも剣の姿の状態のままでかいベッドの上に置かれて、こちらも速攻で眠りにつく。
魔王のベッド・・・・ある意味最強であった。
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深夜、そろりそろりと魔王の私室に近づくものたちがいた。
「・・・・こういう時ぐらいはいいですわよね」
「・・・サイズ的にも大丈夫」
「行けるはずですのん」
「どうせ速攻で寝てしまうからぜよな」
ルナ、カレン、ヨナ、ミツの4人である。
客室からこっそり抜け出し、ジャックの元へと彼女たちは廊下を歩いていた。
場所もわかっているし、罠があってもある程度ならすでにロイスで確認済みである。
・・・・一応、不純異性交遊が目的とかではなく、あの気持ちよさそうなベッドで一緒に寝たいだけという動機である。ついでに朝驚かせてみたいというドッキリも企んではいたが。
ジャックがいるはずの魔王の私室前に彼女たちはたどり着く。
鍵がかかっているようだったが、魔力による感知式の鍵である。
で、昼間についでにクロが皆が入ってもいいと言って登録をどうにかしてくれていたようで・・・それぞれの魔力でもあいた。
・・・クロはこうなることを分かっていたのではないだろうか。
「いましたですのん」
魔王の私室内のベッドに、ジャックがベッドで気持ちよさそうに寝ていた。
「「「「突撃!」」」」
ベッドのサイズは大きいので、それぞれの方向から潜り込む。
そして、全員速攻で眠りに落ちたのであった・・・・・・。
「って、させると思うかしらね」
「「「「!?」」」」
潜り込もうとした瞬間、いきなり全員の首根っこが素早くつかまれ、まとまって拘束された。
「「「「が、学園長!?」」」」
まさかのアンド学園長が全員を拘束したのである。
「ふふふふ、一応目的としては寝るだけであってというところは別にいいわよ」
「ならなんで・・・」
「私に断りもなく、無許可でこっそりと部屋を抜け出したからかしらね。一応生徒の安全を心配しているのよ」
そうにっこりと学園長は微笑んだが、雰囲気からしてちょっとやばいものを4人は感じた。
「・・・朝まで説教ね」
「「「「ええええええええええええええええええええええええええええ!!」」」」
そのままずるずると全員連行され、学園長が泊まっている部屋で全員正座をさせられて朝まで本当に説教を長々とされるのであった。
「グギュ・・・・スヤァ・・・・」
しかし、彼女たちは気が付かなかったが、すでにスカーレットがこっそりジャックが寝ているベッドにもぐりこんでいて寝ていた。
ある意味、今回の勝ち組であろう。
今回の勝者:スカーレット
魔王城1日目はこんな感じになったが、2日目はどうするのであろうか?
次回に続く!!
・・・スカーレットの場合、ペット感覚なところがあったので誰も不自然に思っていなかった。役得である。




