210話
新章!!
序盤からわかり切っていたことだけどね。
今回はシリアス少な目にしたいかな。
「それでは、魔王城へ向けての発射カウントダウンを開始するわよ」
「そろそろこの移動方法にも慣れてきたな・・」
「もう、怖くないですわね・・・」
「悟っている人たちがすでに出ている!?」
現在、ジャックたちを含めた学園の2年生一クラス分が、アンド学園長の魔法で顕現した大砲に詰め込まれ、発射されようとしていた。
この移動方法はすでに何度も訓練でも実施されており、実施されるたびに悲鳴が宙を舞った。
そして、今回は魔王城行きと言うこともあって、わくわく感が恐怖を上回っている人もいるのだが、やはり、砲弾となって大空を舞うのは心臓に悪い。
なので、この方法での移動には慣れた人、楽しむ人、恐怖におびえる人、悟って考えるのを止めた人と言った具合に分かれるようになっていた。
「3・・・・・2・・・・・・・・1・・・・・・・発射!!」
ドカァァァァァァァン!!
「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあっつ!!」」」」」
「「「「「ひゃっほーい!!」」」」」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
発射と同時に出る声がバラバラになるのも、別れ方によって違うようであった。
・・・なお、着陸の際はこれまで自力で着地しろというモノであったが、何度も使用しているうちに安全対策もされてきているらしい。
着地時の衝撃を30%カットされているらしいが・・・・・飛んでいる最中に気絶している人がいたら、着陸時転がる羽目になる。
「ここが魔王城・・・・」
「おおおおおおおおおおお!!帰ってきた感じがあるのじゃ!!」
魔王城の城門前に到着したジャックたち。
案の定、クロのテンションがものすごく上がっているようで、人化せずに魔剣の状態でジャックに帯刀された状態で、興奮した声を出していた。
人の姿になったらテンションが上がり過ぎて暴走する可能性があると、一応冷静な部分で判断していたからである。
「・・・なんか、こう懐かしいような感覚があるけど、これって本当に大昔に建てられた城なのか?」
眼前にそびえる魔王城は、大きく、石造りのような外壁はしているのだが、コケやツタがあちこちに絡みついている以外は、まだ人が住んでいそうな感じで古そうにも見えなかった。
「固定化魔法の一種でな、魔王城のその建築者自身が施した特殊なコーティングでもあるのじゃ。点検はあまりしなくても済むほど頑丈にしておるからのぅ」
「あ、言われたわね・・・」
クロが速攻でその疑問に対して答えて、今から皆に説明をしようとして学園長が残念そうな顔をした。
・・・ある意味珍しい。
「あ、そうじゃ。この魔王城には特殊なせきゅりてぃとかいうのがあってのぅ、正面門から入るのは別にいいのじゃが・・・ここ以外からの侵入はできぬようになっておるのじゃ」
「正面はいいのか?」
「まあ、そもそも正面門以外から入ろうとするとな・・・って!話を聞かんかいスカーレット!!」
「エ?」
クロの説明を聞くのから逃げて、スカーレットが門をよけてこっそり魔王城に飛んで入ろうとした時であった。
バリバリバリバリバリバリ!!
「グギュゥゥゥゥゥゥゥウ!?」
「「「「スカーレット!?」」」」
いきなり魔王城のそのスカーレットが入ろうとした部分の空間の目の前で、スカーレットが突如電撃に当てられて・・・
どさっつ・・・
「・・・じゃから言ったのに。一応非殺傷性の侵入者撃退防壁とかいうのが作られているんじゃよ。防壁そのものが判断してな、死なぬギリギリの電撃や炎の壁に変化するという仕掛けじゃな」
「あ、非殺傷性なのか・・・って、それでも物凄く危ないじゃん!!」
スカーレットにジャックが駆け寄ると、すぐに彼女は起きた。
服は所々が焦げてはいるが、肌には特に異常が見られない。
「・・・シ、死ヌカト、思ッタ・・・」
口からぽふっと煙を吐き出し、速攻で気絶したのであった。
「魔王城には現時点で判明しているだけでも数多くの仕掛けがあるらしいけど・・・・飛べる人がすくなかったのでいうのを忘れていたわね」
「まあ、そもそも飛べる魔族とかが意外と少なかったからのぅ。あんまり役に立たぬ仕掛けじゃったわい」
(((((役に立たないのであるなら、何で残っているんだよ!!)))))
その時、クラスの全員の心が一つになったという。
ここはロイスをギャグ要員としてフル活用したい・・・・・
まあ、空の仕掛けはスカーレットがかかってしまったな。




