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閑話 月夜の夜に3

本日2話目

なにげにこの月夜のシロとクロの会話が閑話にしやすい。仲が良いってことなのだろうか・・・・

月明りの元、今日もシロとクロはジャックの部屋から抜け出して、寮の屋上から月を眺めていた。


「魔王城・・・久しぶりじゃな」

「どのぐらいになるんですかね?」


 クロがどことなくうれしそうな様子を見せ、シロはどのくらいぶりになるのか聞いてみた。


「・・・わからん。そもそも、魔王様と勇者の戦いから相当な月日が流れておるじゃろう?正確な年月が今一つよくわからんのじゃ」

「・・・まあ、そういわれるとそうですよね」


 そういわれると、シロも納得した。


 彼女たちは前の所有者・・・勇者と魔王が死んでからはこの世に顕現することはなかった。


 ジャックが適正者となり、彼女たちの所有者となってからやっとこの世に顕現することはできたのだが、すでに相当な年月が経っているようであった。


「よく魔王城も残ってますね・・・・」

「まあ、それだけ当時の魔王様の配下であった変じ、げふんげふん、城の建築家ガーマンドル=ライズの生涯最高傑作らしいからのぅ」

「今変人って言いかけてませんか?」

「いやまあ、それなりに有能な奴じゃったが・・・・その反面、理解しにくい奴じゃったわい」


 思い出したのか、嫌な顔をするクロを見て何か苦労でもしたのかとシロは思った。


「・・・何か大変だったんですかね」

「そりゃもう色々とじゃな。やつは魔族の適正者でな・・・・少々珍しく前世の記憶があったタイプの様じゃ」


 適正者の中には、生まれ変わってきたというモノがいる。


 しかし、生まれ変わりだとしても前世の記憶を持たないものが多いのだ。


「その前世の記憶か、もしくは奴の趣味かは知らぬが・・・・・とりあえず言うなれば、何かと痛い奴じゃった。身体的なものではなく、こう心がのぅ」

「心がですか?」

「右腕に何かいるとか、目からすんごいものが出るとか、まだまだ能力があるとか・・・・・見ているほうがいたたまれぬ気持にのぅ」

「・・・それって確かに痛いですね」

「まあ、実際に体を改造して本当にそんなことをしていたが」

「していたんですか!?」


その事に、シロは驚いた。



「ロケットパンチに目からビーム、口から毒液・・・・まあ、そ奴自身その毒液の時に自身が毒に侵されて生死をさまよったがのぅ・・・あほじゃと思えたわい」

「何を目指していたんですかね・・・・・というか、何をどうしたらそのようなことに・・・・」

「その適正者は指先・・・指?まあ、そのあたりが器用でな、物凄かったんじゃよ。建築家としてだけではなく、医師としてもすごくてな、血管から神経、果ては一度ちぎれた頭を再縫合して生き返らせたという奇跡の医師でもあったんじゃよ」

「・・・すごいのに、そのセンスが残念ですね」

「残念な奴じゃった。いろいろとな・・・・・」


 シロとクロは、両方とも呆れたような声が出た。


「・・・まてよ?そういえば魔王城がそいつの生涯最高傑作と言ったが、よくよく考えれば・・・そ奴の最後の作品もすごかったのぅ。もう流石に壊れているじゃろうが」

「え?他にも何かやっているんですか?」


 府とクロが何かを思い出したようで、シロは気になった。


「うむ、そやつな、なにやら獣人とかそういうのを見て興奮しておったのじゃが、『なんでメイドでいないんだよ』とか言って、自分でメイドを(・・・・)作り上げた(・・・・・)のじゃよ。歯車とか、そういうのを組み合わせて、人工的なものをな」

「・・・・はい?」


 その事に、シロは予想もしていなかった。


「まあ、本人曰く耐久性は100年ちょいしか持たないような感じじゃと言っておったし・・・・今ではさすがにもう動いてはおらぬじゃろうな」


 軽快そうに思い出し笑いをするクロ。


 一方で、その技術の無駄遣い感にシロは呆れたのであった・・・・

次回から新章!

ジャックたちが魔王城にいくぜ!!

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