206話
新年早々2話目!!
やっと退治し終えて・・・
「・・・これでスコヴィルエルダートレントは全滅か?」
最後の一体を切り倒し、あたりをジャックは見渡した。
マザー・スコヴィルエルダートレントを切り倒した後、次々と倒していき、他の適正者たちにも伝わって士気が向上して、一気にスコヴィルエルダートレントたちをジャックたちは討伐し終えた。
「つ、疲れたですわね」
「上カラ見タケド、全部倒セテイルヨー」
皆の状況を確認し、スカーレットが上空から見回ってスコヴィルエルダートレントたちが全滅したことを確認した。
「やっぱ激辛の汁や触手などにやられた人が多いか・・・」
周囲を見渡すと、無事な適正者たちが多いが、その反面姿が見えない人達も多い。
戦闘終了後、重軽傷者たちは病院へ搬送されたのである。
「あちこちまだ汁が飛び散っているから気を抜くなよ」
「転んで掛かったら最悪だもんね」
はっきり言って、今回の被害はかなり大きい。
スコヴィルエルダートレントは大地の養分を吸いつくしていくというモンスターである。そのため、討伐し切ったものの、吸われたよう分までは戻っていないようで・・・・
「不毛の大地と化しているですのん」
「再び元の状態に戻るのはどれだけかかるぜよか・・・・・」
スコヴィルエルダートレントたちが切り倒された跡地は、彼らの死体と枯れ果てた大地だけであった。ひどいところは砂漠化しているようである。
この被害だと、首都周辺ではしばらく草木が生えぬ状態が続くことになり、不便なことが出てくるであろう。
「こういう系統のモンスターがやっぱ大変だよなぁ・・・」
「まあ、そのあたりはお偉いさんに任せた方がいいだろうよ。俺たちゃには専門外な話だしな」
ジャックのつぶやきに、ロイスが答える。
・・・・ん?
「あれ?今回ロイス被害ないな」
「あれ?確かにそうですわね」
「いつもだったらここいらで病院に行く羽目になるよね」
「そうそう」
「おまえらひどくない!?」
全員ロイスの無事に驚き、ロイスはその評価に憤りを見せた。
「俺だってたまには無事でいいだろうが!!」
「たまには・・・・って、認めているよねそれ」
「ひどくないか親友よ!!俺のこの大剣で木の実の攻撃なども防げてなぁ!!」
ロイスがわざわざ戦闘中の様子を再現しようとした時であった。
「・・・・!?皆離レテ!!」
上空を飛んで見渡していたスカーレットの叫び声が突如として響き渡る。
その声は焦っているもので、明らかに危険を知らせるものであった。
ワゼの声が聞こえると同時に、全員一瞬で判断してその場を離れようとした時であった。
ドスッ・・・・・・・・
何かが突き刺さる音が、その場に響く。
あたりに血が飛び散り、誰が何に突き刺されたかはすぐに見ることができた。
「「「「!?」」」」
地中から、鋭いツタ・・・・いや、木の根が伸びて、ジャックを深々と背中から貫いていた。
ギリギリだが急所は外れているようで、とりあえず即死は免れた。
ズボッツ
そのままその木の根は引っ込み、地中へと戻る。
それと同時にジャックは倒れ込み、その周囲に血が流れ出していく。
「「「「ジャック!!」」」」
慌ててルナたちが駆け寄りつつも、先ほどのジャックを突き刺した木の根に注意をする。
引っ込んだとはいえ、また出てきて突き刺す恐れがあるからだ。
「マスター!!」
「まずいのじゃ!!」
慌ててシロとクロが剣から人の姿となり、ジャックの容態をそれぞれが素早く確かめる。
「ジャックはどうなのですの!!」
安全が確保できていないが、素早くルナたちが詰め寄る。
「・・・まずいです。急所は外れて内臓もかすめているようですが、出血が・・・」
「今に一撃で気絶もしておるのぅ・・・」
傷跡をシロとクロは確かめたが、どうやら内臓とかも傷つけずに奇跡的に貫いただけのようだ。
しかし、出血がひどい。
「ずぶりとじゃったな。しかも・・・やや吸われておる」
どうやら先ほどの根はジャックの血を吸っていたようである。
出血量の多さにはそれも影響しているようであった。
「とりあえず、今は傷口を防ぐのが先じゃ!!」
慌てて他の周囲にいた適正者たちが緊急治療の用意をし始めたのであった・・・・
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・・・・ジャックたちがいる場所から離れたスコヴィルエルダートレントが発生した地に、一人の白衣を着た人物がいた。
「・・・お、サンプルが取れたか」
白衣の人物は、戻ってきた根っこから血を搾り取った。
「聖剣・魔剣所持者のサンプルが取れるのはよかったな。これで研究が他にも可能だな」
そう言い、その場から見つからぬように気配を消して、その白衣の人物は去っていくのであった・・・・。
謎の木の根によって、ジャックは体を貫かれ大出血を起こし倒れる。
その根は何なのかと言う謎を残し、病院へジャックは運ばれた。
一方で、動き出す者たちが・・・・
次回へ続く!!
・・・新年早々シリアスなのはごめんなさい。




