特別閑話 あけましておめでとう
年明け早々の初投稿
今年もよろしくお願いいたします。
「3!!」
「2!!」
「1・・・・・・・・!!」
「「「「「あけましておめでとぉぉぉぉぉぉう!!ございます!!」
年が明け、全員同時に新年のあいさつをする。
寮内ではすでに新年ムードになって、まだ年が明けたばかりの夜中だというのに騒ぎ始めた。
日が昇り、寮の食堂は年明けの料理や餅つきが開催される。
とはいっても、杵と臼を持った適正者はいないのでただの餅つきであるが。
この餅つきは、過去の適正者が思いついた者らしく、そこから恒例行事となっているようだという説明があった。
「こういうイベントをよく思いついたよね・・・」
「餅をつく際にぺったんぺったんという音がするよな」
「それがどうしたロイス?・・・・あ」
ロイスが何やらニヤニヤした顔をしていたので、何が言いたくなったのかジャックは察した。
・・・余談ではあるが、料理の言葉に「はんごろし」、「みなごろし」と言う言い方がある。
その会話の数分後、ロイスがどちらの状態になったのかは言うまでもない。
まあ、新年早々死ぬはずもなくすぐ復活してはおいたのだが。
そろそろロイスが人間離れしているのではないかと言う突込みが入りそうなものである。
「モチーッ!」
スカーレットができたてのお餅をおいしそうにほおばる。
その餅の色は真っ赤であり、何が練り込まれているかは容易に想像できた。
「モチに醤油が合うかな」
「いえ、ここは砂糖でも」
「あんこも合うぜよな。お汁粉ぜよが」
それぞれおいしく餅をいただき、おせちも食する。
適正者の記録によると、新年のあいさつに願いを込めてとか言って賽銭箱というモノと、鈴が作られていたらしく、新年の願い事を皆そこですることになった。
賽銭箱に金をなげいれ、鈴を鳴らして願いを込める。
「何を皆願ったんだ?」
全員の願い事は何だろうか・・・・・
「まあ、俺はモテますようにとな!!ジャックのように彼女が多くほしい!!」
「かなわないと思うが・・・俺は、普通に健康祈願」
「おなじ健康祈願ですわね」
「右に同じく」
「膨らみますようにと」
「モンスターが今年は少ないようにとですのん」
「まあそれぐらいぜよな」
「長生キー」
「モンスターってどのくらい生きるのじゃ?あ、妾は魔剣として今年もマスターの役に立てるようにじゃな」
「私は聖剣としてですね」
それぞれに多様な願いや、個性あふれる願い事が多いようである。
・・・叶いそうにない願いもあるのはまあ別としてだが。
学園の校庭では羽根つき大会なども開催されていた。
とはいっても、普通の羽根つきとは変わらず負けたら墨での落書き程度である。
「ぐぅ・・・これで10敗だぞ・・・」
「もう書くところがないんだけど・・・・ロイスは大剣が扱えるのになぜ羽子板は扱えないんだよ」
「うるさい!!次羽子板代わりに武器で羽を打ち返す!!」
ロイスのあきらめが悪い。
なので、この際友として徹底的にわからせることにジャックは決めた。
「武器で羽を打ち返すってことで良いのか?」
「ああ、大剣なら側面の部分で撃ち返せるからな」
「なら、こっちも武器を使っても文句は言うなよ?」
「でやぁぁぁぁ!!」
めりぃぃっつ!!
「ぐもぅわぁ!?」
ロイスの顔に、羽がめり込んで撃沈させた。
「ふっふっふっふ・・・一応彼女たちも武器だからなぁ。違反ではないだろうよ」
「うわぁ、マスターすんごい悪そうな顔をしてますよ・・・・参加している私たちが言うのもなんですけど」
「まあ、面白いからいいのじゃ」
シロは苦笑いをし、クロが愉快そうに笑う。
そう、武器がありと言うならばと言うことで邪っは聖剣と魔剣を使用したのだ。
しかも、二剣とも人型の状態にさせて。
武器ありと言う事であり、一応武器にシロとクロは分類されるので十分そのルールをジャックは活用したのである。
実質3対1となって、ロイスは見事に負けたのであった。
「しかし書くところがないのぅ・・・・」
「もう真っ黒ですもんね」
ジャックたちは勝利したとはいえ、ロイスには書くところがなかったのであった。
「戦いとはむなしいよなぁ」
「いや、もう容赦なさすぎだと思うのですわ」
「まあ、面白かったわね」
「ロイス、羽めり込んだまま動かない」
「相当落ち込んだか、はたまた気絶しているかのどちらかですのんね」
「新年も変わらないぜよなぁ・・・・」
全員がそうつぶやいている一方で・・・
「えーっと、次は『聖剣を、かつい・・」
「ハイッ!!」
「スカーレットちゃん速すぎ!!」
「しかも正解の札だと!!」
かるた大会が傍らで行われており、そこではスカーレットの意外な才能が発揮されていたのであった。
次回から本編に戻りますよ




