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201話

学園祭開幕!!

ついに学園祭当日となった。


 今年の学園祭は3日間連続で行うようになっており、去年よりも多く人が訪れているようだった。


 原因として一番大きいものとされていたのが・・・・・・・・・・



「ようこそ、『勇者の喫茶』へ」

「まじもん!?」

「いや本当にすごいな!!」

「聖剣は本物だしね!!」



「・・・・内心、こうして見せるのがものすごく恥ずかしい」

「ジャック、まだまだお客が来ているから頑張るのですわ!!」


 喫茶店をしている教室の奥で、客の出迎えをした後引っ込んできたジャックが顔を赤くしかけており、ルナが励ます。


 午前中すぐにジャックのメンタルが限界になりかけた。



 1日目は午前勇者、午後魔王。2日目は午前魔王、午後勇者。3日目はランダムで変える。


 という方式で、ジャックは喫茶内をうろつき、勇者や魔王の仕草をして客を喜ばせることになっていた。


 ルナやカレン、ミツ、ヨナの格好はジャックとペアになっており、こちらはジャックが勇者の格好の時は清楚なお姫様の格好で、魔王の格好の時は悪女的な妖艶さあふれる格好にさせられる。


 他の女子はメイド服、男子は執事の様な格好で対応をしていた。



 勇者と魔王の人気は、人間魔族のどちらからも高く、慕われていて、その二人そのままに再現したようなジャックの姿は非常に大きな反響を出した。



 勇者の時のジャックの姿は鎧のように見せかけた精巧なレプリカを着用し、魔王の時のジャックは全体的にに畏怖感を溢れ出させる。


 口調もシロとクロの指示により、それぞれの姿の時の再現を叩き込まれた。


 ついでに、勇者時には帯刀されないクロが、魔王時には帯刀されないシロがメイド服で出迎えるのも人気が出ているようだ。去年からのファンもいるようである。



 スカーレットはシラタマ同様マスコット枠としていくことになったのだが、見た目が美少女で、来ている服もメイド服で天然の角も翼もあるので一部の層には人気が高くなっているようである。


 もらっているのはお菓子だが、激辛系統ばかりと言うのはスカーレットらしい。なお、激辛なお菓子好きの情報は別の場所で売られて、激辛お菓子を販売するクラスが出てきて儲かっているというのはどうなのだろうか。


 「勇者とのツーショットは有料やでー。きちんと予約時間とかも記入してやー」


 ちゃっかりこの人気に乗っかり、商売し始めた人も出てきた。本人の許可をせめて求めてください。





 とはいえ、なかなかの盛況っぷりで皆も大忙しである。


 列の順番整理や、喫茶店のメニューの材料買い足しなどと慌しい。


 ジャックの場合、一応その勇者の格好でうろうろし、来た客に対して歓迎の言葉を述べたり、注文の品を届けたりするのだがこれまたいろいろと忙しかった。



「きゅーけーいーでーす!!」


 やっとお昼頃になって休憩の時間となった時には、皆死屍累々ぐだっと倒れていた。


 目も回るような忙しさとは何か、身をもってその言葉を理解したのである。



 ここから約1時間ほど休憩のためにいったん喫茶店を休業し、その間にジャックの服装も魔王の服装へとチェンジ、ルナたちの服も同様に着替えさせられる。


「と言うわけで、帯刀も交代なのじゃ」

「次は私が接客の番ですね」


 シロとクロもそれぞれ姿を変えて、クロは魔剣の姿となって帯刀され、シロはメイド服に着替えて接客することになる。


「ウマイ、ウマイ」


 スカーレットは先ほどからもらっていた激辛お菓子を消化し始めているようである。


 見るからに真っ赤っかなお菓子なので超激辛であるのは間違いなさそうだが、よく食べることができるよなと全員思った。


 なお、試しにとロイスが一口もらって撃沈しているところを見ると相当な辛さである。



「これ多分やけど3年の方のクラスの出し物に売っているやつやな。今のところバカ売れしているが、その場で食べるやつがいないという・・・・そういえば、好みの情報を売ったんやった」


 絶対それ仕組まれているよね。ナニワの売った情報が伝わり、超激辛のみを専門にして販売し、確実に儲けを出そうとした人がいるな。



「にしても、その恰好は魔王様を思い出すのぅ」

「敵ながらにして、結構すごい人でしたからねぇ」


 クロとシロが、魔王の格好をしたジャックの姿を見てそれぞれの感想を述べた。


 一応当時両者の姿を見ている二人にデザインをとことん議論してもらってできた衣装だから、再現度は高いのであろう。


「ただのぅ、マスターにもう少し威圧感が欲しいのじゃ」

「威圧感と言われても・・・・あ、そうだ」


 帯刀した状態で魔剣の柄を持って魔力を流し込む。


 魔剣の輝きが増し、その黒い光が強くなる。


「うーん、威圧感不足ですわね」

「もう少し眼を細く睨むかのような感じを」

「いや、このままでいいと思うぞ」

「威圧出しすぎたら客が寄ってこんだろ」


 威圧が増したようだが、まだ魔王には届いていないようで、一応そのままのほうが良いという意見が皆からでた。



魔王にまだ及ばないんだなとジャックは思いつつも、魔力の流し込みをジャックはやめて普通にするのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 学園がある首都から少し離れた森の中。


 そこである一人の白衣の男性がいた。



「・・・そろそろ首都にある学園で学園祭が行われていたはずだな」


 学園祭の時期、学生たちがめいっぱい楽しめるようにモンスターが出たときの対応のため、OBの適正者たちが首都に集まってくる。


 そのため、通常よりも首都には適正者が多く集結してるのを白衣の男性は知っていた。



「適正者が多ければ、それだけデータも取りやすい。うまい事育てば行けるだろうな・・・」


 そう言いながら、白衣の男性はポケットから不気味な色をした液体が入った試験管を取り出し、地面に誑していく。


 5本ほどあったが、その内容物をすべて地面に撒いた後、白衣の男性はすぐにその場を去った。


 己の探求心を満たすためだけに、彼は実験によって得たモノを放出したのである・・・・・・・・・



怪しげなものがまかれ、それは不気味な活動をし始める。

一方で、ジャックはメンタル面での修行とでもいうべき状態であった。

果たして、学園祭は無事に終わるのであろうか。

次回に続く!!


・・・スカーレットの食べている激辛お菓子ってあるけど、辛さの単位で言ったらどのぐらいになるのかな?

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