191話
今回はちょっと微妙
SIDE帝国特設競技場建設現場
「よぉぉし!!あともう少しで完成予定日になるができるかぁ!!」
「「「「うぃーっす!!十分余裕でっすうよぉぉぉ!!」」」」
帝国特設競技場の建設現場で、その現場監督がそう聞くと、作業員全員が同様に答えた。
あと1日ほどでこの競技場が完成するようである。
様々なイベントに対応するために広く作られており、周囲には観客席も設置。
さらには、あちこちに面白みのあるような仕掛けが設置されているのだ。
「この闘技場だが!!数日後に初めての使用がされる!!使用するのはこの国の皇帝陛下だそうだ!!」
「「「「失礼のないように、万全に建設したしまっす!!」」」」
カァン!!カァン!!と釘が打ち付けられる音や、ギコギコと木材が着られる音が鳴り響き、闘技場は間もなく完成間近であった。
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SIDEギアス城中庭
「『魔王のかぎづめ』!!」
魔力が魔剣に集中し、黒い大きなかぎづめがジャックの魔剣を持つ手に重なる。
「・・・・やっぱまだ片手か」
ジャックはその自身の状態を見て、不満そうな顔があった。
本来、この剣技は両腕に展開されるようだがジャックは未だに片腕の魔剣を持つ方にしか展開できていない。
できない理由として明白なのが・・・・
「聖剣を片方に持っているからか」
「打ち消しておる様じゃしなぁ・・・」
「それが私の性質でもありますからね」
聖剣側の方に展開しようにも、どうもやっぱり聖剣と魔剣は正反対の性質があるらしく、打ち消してしまっているようなのだ。
前に混ざったエネルギーを空中で爆破したことがあったが、やはりそううまく混ざりはしないようである。
「というか、聖剣を持っていない状態でもできてないけどね」
「・・・まあ、マスターの魔力操作が魔王様に及んでいないという事じゃな」
「『白き翼』も勇者様のような操作性はないですしね」
クロとシロの言葉に、軽くジャックは落ち込む。
剣技を解除し、元の状態にしてその場に背中から寝転ぶ。
「あ~、やっぱり難しいな」
「でも、あと2日で試合ですけど、これって確実にオーバーキルできますよね」
「もともとモンスター相手に使う物じゃからな」
「まあ、いざって言う可能性もあるからね」
ジャックの脳裏に思うのは、あの牛男の時である。
あれは元々人で、何か怪しい薬を飲んでモンスター化したのだ。
あと少しで行われる試合で、そのようなものを飲む輩がいないとは限らない。
念には念を押して一気に叩き潰せるような剣技もこうして練習しているのであった。
「でもそういうことは起きないほうが良いですわ」
と、近くで見ていたルナが寝転んでいるジャックの頭を自身の膝の上にのせて、上からジャックを覗き込んだ。
「まあ、そうやすやすと似たようなことが起きてたまるかって話だしなぁ」
(・・・・というか気持ち良いな)
声には出さないモノの、心でその感触にジャックは喜んだ。
「というか、やっぱ魔力消費もあるこれ」
「もう少し無駄を省かぬとのぅ。魔王様はこれの1000分の1ほどじゃ」
・・・・遠回しに、1000倍無駄があると言われている。
「・・・そういえばさ、魔王とか勇者とかって皆は言うけどさ、今更感があるけどこの二人って本名なんだろうか?」
ふと、ジャックは気が付いた。
昔から勇者や魔王の話はよく聞くが、本名を聞いたことはない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「え?」
黙り込んだシロとクロの反応にジャックは思った。
「もしかしてだけど・・・本名忘れたとかはないよね?」
「あ、当たり前なのじゃ!!」
「そうですよ!仕えていた相手の名前を言わないで、皆が呼んでいたので同じように呼んでいただけですよ!!」
「じゃあ、本名は?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「おいっ!?」
この日ジャックは学んだ。
愛称とかあだ名とかがあるが、それらで人を呼び続けると、その本当の名前は忘れ去られるのだと・・・・。
あだ名とかで呼んでいて、その名前を忘れたっているのは作者の実話です。
皆さんも思い当たることはないですかね?あの人なんて名前だっけ・・・・・。
なお、勇者と魔王の本名は後々出す予定です。
ちなみにシロとクロがその名前を忘れている理由としては年月の経ち過ぎというのがあります。




