186話
本日2話目
去年は帝国に着くまでごたごたしていたけどね、ちょっと予定的にその間にあったであろうハプニングは閑話に入れる予定です。
「久々のギアス帝国だなー」
「テイコクー、時刻ヲマモルコト?」
「それは定刻ですわスカーレット。ちょっと似ているようで、意味は全く違うのですよ」
村を出て5日、ジャックたちはギアス帝国に到着した。
去年みたいに途中で盗賊などに襲われることもなく、今回は平和であった。
いや、どっちかと言えば理性との戦いとも言えたのだが・・・・・一応健全な交際ですからね。
「馬車は防音仕様になっているのですわ」
「そうは言われても、スカーレットもいるし、騎士たちが護衛で外にいるし、そういうことはきちんとした時じゃないとね」
というか、皇帝の許可をしっかりもらった状態じゃないとなんか本気で殺されそうである。
レント皇帝は適正者ではないとはいえ、以前のミヤゲの例もあってルナに絡むと超強くなっていそうである。
ジャックが勝てそうにない相手でもあった。
去年は入城をすぐにせずに、ルナが皇帝から許可をもらってから入って着ていたが、今年は正面から堂々と入れる。
しかし・・・相変わらずこの国の発展は目覚ましいようで、去年来た時よりも街並みがより整備されており、活き活きと活発に皆動いていた。
皇帝は親バカでもあり、戦争に出たら阿修羅のごとく暴れまわり、そしてこういう国の政治はしっかりと行う賢帝でもある。
その一面は、この街並みを見てもしっかり見て取れた。
スラム街などはどうやらなく、働く当てがない人たちは集めて就職に役立つ経験をさせる職業教習所や、身体の障害などで働きたくても働けない人にはその人の生涯に合わせた仕事が回されるらしい。
足が動かない人には手作業でできるものを、手がない人には、どこかの試合の実況などをさせて、きちんと仕事の場を設けてある。
ブラック企業とか呼ばれるものがないように働く時間なども法律で定められており、働きに応じたボーナスもしっかり査定されているようである。休日もしっかりしているようで、老後には保険とかいうモノもきちんと管理されている
ただ、本気で働く気のない、歴代適正者が言ったとされる「ニート」とかいう人達は何かしらをされて働くようにされるらしい。
なにかしらってなんだろうか・・・聞いたらダメなような気もする。
義務教育もしっかりしているようで、適正者としてなった人は適正者用の学校へと行き、王国の学園と提携したり、適正者じゃなくても学ぶことはできるらしい。
本当に結構進んでいる国だよなとジャックは思う。
ただ、こうして明るい光の様な側面もあれば、暗い影のような面もあり、犯罪率は低いとはいえ起きたりするし、貴族の中には面倒な奴らが出るらしい。甘やかしてバカ息子になって好き放題やろうとしているっていうのがいるとか、そういうのが典型的なわかりやすい例であろう。
しかも、そういうやつに限って発見しにくいようにしていたりするので、皇帝の悩みの種でもあるらしい。
・・・・どこの国でも、そういう困りごと厄介ごとを引き起こすバカ野郎はいるようだ。
とにもかくにも、ギアス城にジャックたちは向かうのであった。
城内に入り、ルナは一旦自分の部屋の方に向かって、ジャックは皇帝との謁見をすることになった。
スカーレットはここまでの道中でルナにも懐いていたので、ルナの方に一緒に行った。
つまり・・・
「一人での謁見という事か」
不安しかない。
去年はまあいろいろあって仲良くなれてはいた。
だが、皇帝は生粋の親バカでもある。
友情と娘。果たしてどちらを取るのだろうか・・・・・・・
まあ、皇帝の評価から考えるとそこまで心配しなくてもいいんだけどさ、やっぱ親バカ度合いを知っていると不安は物凄くあるよね。
さてと、皇帝との謁見はどうなるのかな。
次回に続く!!
・・・ジャックがルナと結婚したらさ、親バカ皇帝をお義父さん、あのシスコンのミヤゲを義姉さんと呼ぶことになるよね。それってどうなんだろうか・・・・・?




