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182話

本日2話目

少々のサービス回

・・・スカーレットの扱いについて、一応シラタマ的な感覚で接することで一同は決定したのだが、村の人にはどう説明した者かと悩んだ。


 だが、良くいえばゆるい感じの村であり、割と何のごたごたもなく自然とスカーレットも村に入ることを許可された。


 話し合った苦労はいったい何だったんだろうか・・・・・。




 家にジャックが戻ると、毎回恒例のジャックの母、父のランとホンバが出迎えて、手紙でいろいろ学園であったことを伝えていたため、喜んでいた。


 ルナもカレンもジャックの彼女であるので、二人ともジャックのうちに泊まれば同どうかなと堂々とラン(ジャックの母)はそう言ったのだが、一応カレンの方は両親と過ごしたいわけなので、ルナだけジャックのうちに今回は泊ることになった。


 ついでに、スカーレットはどうしようかという話になったところ、こちらもジャックのうちで泊まることに。


 ただ、問題としては・・・・・。



「あの・・・なんでルナとスカーレットと同室?」

「あら?やることやってないのかしら?」

「「健全な付き合いですってば!!」」

「ギュウ?」


 ランがそうあっけからんと言ったので、ルナとジャックは顔を赤くしてそう怒鳴り、スカーレットはいまいちわかっていないのか首をかしげていた。


(一応私たちもいるんですけどね)

(剣としての扱いに慣れられたのはいいことなのやら、悲しむべきなのやら・・・・・)


 シロとクロは互に何かぽつりと言っていたようだったが、ジャックには聞こえていなかった。



 とにもかくにも、何とか別室で寝られるようにしたところで・・・・・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「また村の共同風呂ですわね」

「ジャックのうちの風呂・・・・また?」


 村の共同風呂で、ルナたちは浸かっていた。



 なんでも、実家の風呂がどうも今年も壊れたらしい。


 なので、今回もこの村の共同風呂を使用することになったのである。



「にしても、今年はふざけないでくださいね、クロ」

「まあ、今回はそんな気はないのじゃ」


 去年は風呂でクロが悪戯をしたが、今年はその気がないらしい。


 でも、その目線は・・・・


「ギュルル~・・・・」

「・・・・お主、風呂に入ってすっかり力が抜けておるな」


 一緒に風呂に入っているスカーレットがそこにいた。


 最初、ジャックと同じ方に入ろうとしたので慌てて止めて、女湯の方に引きずってきたのである。


 風呂に入ったとたん、すっかり気に入ったようであった。


「流石に泳ぎはしませんでしたね」

「それは子供に見過ぎかと」


 なお女湯には全員浸かっているが、男湯の方は今の時間帯はジャックとロイスが浸かっているのであった。


 シラタマは水浴びだけで速攻で森の方に飛んでいった。


 なんとなく森に惹かれたのであろう。



「にしても、風呂に入っていてもその尻尾とかは邪魔ではないのですの?」

「ギュ?」


 スカーレットはルナの質問に対し、わからないとでも言いたげな顔をした。


 翼や尻尾などは入浴の邪魔になりそうなものだが、別に何ともないようである。


「まあ、その辺は別に大丈夫じゃろう。魔族にも翼を持つ者がおったが、別に入浴の邪魔にもならぬようじゃった。そう言った特徴はその人自身なんとも気にしておらぬじゃろうしな」

「でも・・・スタイルを気にするのはいるのよね」


 と、リンが風呂の端っこの方にてやや恨めし気なめでルナたちを見る。


見ている個所が分かり、ルナたちは苦笑した。


「あははは・・・リン、そこはやはり個人差ですわ」

「人それぞれ。リンのその虚空の胸も需要はある」

「誰の胸がそれだぁぁぁっ!!」


 この中で最も大きいものを持つカレンの一言に、リンが切れた。


「これか!!これは諸悪の根源なのよぉぉぉぉぉ!!」

「痛い痛い痛い痛い痛い!!」


 カレンらしからぬ悲鳴を上げて、泣き叫ぶ。


 そして、その怒りの余波は他にも持つ者たちへとむけられる。


「みゃあぁぁぁぁっ!?ちょっとリン!!」

「ガントレット振り回して金良くありそうなものなのに、ここには筋肉じゃなくて脂肪が詰まっているじゃないのよ!!」

「いや、それはどうかと!!」

「えーい!!」


「わきやぁっ!?ちょ、ひん!?そこ!!」

「大体魔剣がなんでこんなにあるのよ!!無機物なら詰め込み放題ってか!!」


「ひゃぁぁっ!!痛くはないけど痛い感覚が!!」

「聖剣は聖剣で清楚なイメージがあるのにこの部分は慎ましさはなくてしゅちょうしているのはどういうわけよ!!」



・・・・カオスであった。


 一通りつかんだ後、次にリンはぎらんとスカーレットの方を向いた。


 その顔に、スカーレットは一瞬驚いた顔をしてびくっとする。


「モンスターの方も、何でこんなに」

「ギュゥゥゥゥゥッ!?」


 危険を察知し、リンがとびかかる前にスカーレットは翼を広げて湯から飛び出た。


 モンスターでも、怒りに燃えるリンが怖ろしかったようである。


 で、ここは共同風呂。向こう側の男湯の方にはジャックたちが入っているわけで・・・


「あ」


 スカーレットが男湯の方に飛び込んだ後、ジャックの悲鳴が上がった。


「ぎゃーっ!?なんでスカーレットが男湯の方に!?」

「グギュゥゥゥゥッツ!!ギュウッツッギュゥゥゥゥ!!」

「ちょっとまてぇぇ!!役得とか言いたいところだけど、スカーレット!!そのまま思いっきり抱きしめていたらジャックのやつが窒息死か乳死で死ぬぞ!!」

「もがぁぁぁっつ!!もごぉぉぉぉっつ!!」

「ギュゥゥツ!!ギュウギュウギュウ!!」



・・・どうやら、男湯の方でもカオスなことになったようであった。


 とはいえ、さすがにルナたちには男湯の方に飛び込む勇気がなく、こちらから呼びかけるしかない。


「スカーレット!!リンはもう落ち着いてますから大丈夫ですよー!!」


 いつのまにか、何か鈍器で殴られたらしく、リンが湯に浮かんでいた。


 近くにある桶に血が付いているが、誰がやったのであろうか。


「ギュウググギュウッツ!!」


 嘘だ嘘だ怖いって!!みたいに鳴くスカーレット。


 その胸の方には、ジャックがすでに半分棺桶に突っ込んだ状態と化していた・・・・。



 それから必死の説得のかいもあり、なんとかスカーレットは女湯の方に戻っていった。



「・・・おーいジャック?生きているか?」

「・・・・死にそう」


 男湯の方で、ジャックは死んだかのように真っ白になっていたが・・・・・。



果たして、ジャックは無事に夏を過ごせるのだろうか・・・・・。

すでに無理な感じが漂っているけどね。


なお、「スカーレット男湯飛び込みジャック死亡しかけ事件」と今回のは命名されて、スカーレットがまた飛び込まぬように、見張ることになったのだとか。

・・・なお、スカーレットの脱衣についてですが、大事な部分を隠してある鱗が外れた状態だとかそう言うふうに解釈してください。モンスターに服を着る文化というのを教えるのは骨が折れそうだ。

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