181話
短め
名前決定!!
どうしてこうなった。
以前も同じような事を思ったことがあるなとジャックは考えながらも、現在の状況整理をしていた。
流れるように周囲の景色が前から後ろへといき、物凄いスピードで進んでいるのがよくわかる。
一緒に乗っているルナやカレンはこのスピードを楽しみ、リンは自身の持たぬものが振動で揺れているところを見て悲しみ、ロイスは振り落とされかけて落ちそうになっている。
現在、ジャックたちは馬車から降りていたので、リアカーを村にいた人から一台譲ってもらい、そして・・・・・
「スカーレット、もう少しスピード落としてくれ!!」
「ギュルゥ!!」
了解とでもいうかのように、鳴き声を上げた彼女は少しスピードを緩めた。
モンスターの娘の名前は、とりあえず「スカーレット」と言うことにした。
赤いイメージがあり、名前を気に入ったようで抱き着いてきたけど・・・・ルナとカレンの視線が怖いからやめてもらった。
そりゃ、見た目が角とか翼を除けば美少女だし、胸とかも大きいから面白くないのはわかるけどさ・・・いつか後ろから刺されそうである。
そんでもって、ジャックたちは馬車を降りていたのでここから徒歩で村まで行く予定だったが、リアカーを見たスカーレットがこれに乗って自分が引っ張るみたいなジェスチャーをしたので、やらせてみたところ・・・・超早い。
翼があるから飛行が彼女の主な移動方法かと思いきや、脚力とかが適正者以上である。
見た目は美少女でも、中身はモンスターだから納得はできる。
やはり、見た目以上の能力があるのだろうと全員推測できた。
でも、構図は悪いように思える・・・・・。傍目から見ればいじめにも見えるかな。
ともかく、スカーレットのおかげで夕方前にはジャックたちは故郷の村に到着した。
ただ、山道に入ると揺れるのに、高速で移動して物凄くガタガタ揺れるものだから、到着したときにはジャックたちは全員酔っていた。
「うぇ・・・・吐きそう」
「風は気持ちよかったけど・・・揺れは気持ち悪かったですわ」
「がたがたうぇぷ・・」
「(ロイスはすでに表現できない状態となっております)」
「シラタマが皆に回復魔法をかけてくれたけど、酔いと怪我はまた別ものね・・・」
「ぐぎゅぅ・・」
申し訳ないというかのように、頭をかくスカーレット。
というか、一応5人分と車体の重量をほとんど走りながら引っぱっていたのに、ちょっと呼吸が荒くなっただけで、疲労したかの様子は全くない。
「うーむ、やっぱ火炎龍のモンスターにあたるのかのぅ」
「確か、そのモンスターも走るのが早いらしいですからね」
シロとクロは、その様子からスカーレットが元は何のモンスターなのか大体目星がついたようである。
・・・・というか、この二人も全く酔ってない。ジャックの腰に帯刀された状態でいたので振動はまともに受けていたと思うが、剣の姿の時は酔わないんだろうか。
とにもかくにも、ジャックたちは無事(?)に全員故郷の村へと帰郷したのであった。
もうペット枠とかいうよりも移動手段としても優秀すぎるような気がする。
・・・これ皆での移動方法だけど、ジャック個人だとどう運ぶのかな。




