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閑話 船旅道中記

本日2話目

ジャックたちと行動を別にしている人の記録です


「海は広いぜよなぁ・・・」

「世界はこうしてつながっていると感じるでごじゃるね、ミツ先輩」


 ジャックたちが村に向かっている頃、ミツはジポン行きの船に乗っていた。


 そこで偶然、1年生の適正者の後輩キヨを見つけて同室となり、今は船旅を楽しんでいた。


「ジポンまで、船旅で1週間ほどなのが長いぜよなぁ」

「しかも、故郷につくのにまた時間がかかるし、実質そこまで里帰りにはならないのでごじゃる」


 互いに模擬戦で戦い、同郷出身ということで意気投合したのであった。


 

「にしても、海にもモンスターはいるぜよが、そうやすやすと出てこないぜよね」

「まあ、ほとんどただの旅に出来ているのでごじゃるから、別にいいではないでごじゃるか?」


 

 海にもモンスターが出現するのだが、出現確率は陸地より低い。


 だが、海上なので万が一出てきたらかなり大変なことになりやすい。


 そこで、その対処ができる適正者の方は無料にして、出来るだけ早めに対処できるように制度が整えられているのであった。


 モンスターが出たら陸地とは違ってより苦戦するだろうが、出なければただで済むので悪くもない話でもある。


「そういえば、ミツ先輩。先輩は帰郷したら何をするのでごじゃるか?」

「ん?拙者は交際ができていて、今も仲は円滑だという報告と、父上に腕試しをするのでごじゃる」

「交際というと、ジャック先輩の事でごじゃるか」

「そうぜよ」


 ・・・・キヨはシノービンと言われるところの出身であり、その主な役割は情報を集めることである。


 今は適正者として過ごしてはいるものの、なんとなく情報を集めたくなる癖があった。


(学園長とほとんど引けを取らぬ戦いをし、聖剣・魔剣という武器も扱っていた先輩でごじゃったな・・・。正直なところ、人かと疑いたくなるレベルでごじゃった)


 正直に抱く感想としては、畏怖を抱くといったところであろうか。


 一応、調べてみたところ、問題点はないようで、人気もあり、隠れファンもいるらしいが・・・・・・・・


「でもミツ先輩、ジャック先輩にはほかにも彼女がいるのに気持ち的にはいいんでごじゃろうか?」


 ふと、なんとなくそんな疑問をキヨは思った。



 ジャックの交際相手には、帝国の皇女がいて、その場合皇族の仲間に入ることになって別に一夫多妻となってもいいらしいが、それを受け入られるのかが気になったのである。


「ふむ、正妻にはまあルナ殿がしっかり入って、拙者は側室のような立場になるぜよが・・・別にいいんだぜよ」


 考え込むような表情をしたが、すぐにすっきりとした顔になって言い切った。


「それはどういうことでごじゃるか?」

「ジャックは誰にでも優しく、等しくしてくれるぜよ。そして、一度愛せば本当に心の底から愛してくれるような人物だと理解しているぜよからなぁ」



 ・・・・ミツは思う。


 もともと、自分がジャックに近づいたのは勇者崇拝集団に引き込む役割があった。


 だけど、行動を共にしているうちにいつしか惹かれ始めて、いつのころからか恋心が芽生えていた。


(気を惹こうとして、逆にいつのまにかこちらが惹かれてしまった・・・・・と言ったところぜよか。まあ、単純に言えば、いつの間にか籠絡していく男ともいえそうぜよな)


 天然ジゴロとかいう言葉を過去の適正者が使ったという記録がある。


 その言葉がまさしくジャックに当てはまりそうで、なんとなくクスッとミツは笑う。


「どうしたのでごじゃるか?」

「いやぁ、ジャックは罪作りな男でもあるぜよなとも思ったのだぜよ。いつの間にか、周囲の者たちを自身に惹かれさせ、一体化していく。ある意味不思議な御仁でもあるぜよ」


 キヨが疑問の声を出したが、ミツは素直にそう述べた。


「案外、キヨも共にして居ればジャックに惹かれるかもぜ・・・・でも、まあ出来るだけ現状維持が良いぜよな」

「ちょっと先輩?なんで刃物を持ってこっちを見るんでごじゃるか!?」



 なんとなく、ふと惹かれる前に人を切ったほうが良いのではないかと思ったミツであった。





若干ヤンデレ気質あるのかな・・・ちょっと怖いような気がする。

たまにはこういう閑話もいいかもしれないね

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