18話
感想の方に、「漆黒の愚者」様が書かれた名前が気に入りましたので、その名前に決めさせていただきました。
さまざまなアイディアどうもありがとうございます!!
「・・・よし、これに決めた」
聖剣の名前は『シロ』
魔剣の名前は『クロ』
まあ、ほぼイメージカラーでつけたが。エクスカリバーとかそういうものとかも考えていたけど、そんな名前よりも親しみやすく覚えやすく、そこまでおかしくない名前(重要)の方がいいと思ったからな。この名前なら白黒はっきりしていてわかりやすいし。
なので学園長、「それでいいの?」みたいな目線を向けないでください。
「私の名前が『シロ』ですか・・・いいですね」
「妾の名が『クロ』か・・・・うむ!!」
2人とも笑顔でそう言ってくれた。どうやら気に入ってもらったようである。内心、犬みたいな名前とか言われたら困ったからな・・・・。
「で、ついでなんだけど・・・・」
学園長が何かいたずらを思い浮かべたような顔をした。
「ジャック君、君がモンスターを退治できるようになるのはあと3か月後になるのだけど、私の訓練受けて見ないかしら?いや、受けて」
「命令!?」
それ完全に受けろと命令しているよね!?
「だってねぇ、いくら聖剣・魔剣と言っても所持者が弱かったら意味がないでしょ?ある程度実力をつけて活躍してもらわないと」
「いやいやいや!!普通に学園の訓練だけでいいですけど!?」
学園長の訓練はロイスみて、実際に戦ってみて分かったけど、モンスターより先に命落としかねないじゃん!!
「ああ、ジャック君が弱いという言い方はおかしかったかな?私基準でだとそうなるのよ」
「学園長の基準ででしょ!!だいたい俺は命が惜しいって!!」
モンスターと戦うのは嫌だが、学園長の訓練を受ける方がより命を落とすよね!?
学園長はいきなりふざけた顔から、急に真面目な顔になった。
「でもね、聖剣・魔剣を持っているのが厄介ごとよ?」
「厄介ごとって・・・学園長の訓練の方がより厄介だと」
「政治的な意味でよ?」
「・・・はい?」
学園長のその言葉に、ジャックは疑問を持った。
現在、人間も魔族も仲良くしていて、互いに交流し、交わり、差別がないようにしている。
だが、大昔勇者と魔王が争った時の様にいまだに互いに嫌悪しているような人々がいるという。
魔族を差別し、人間を差別し、そのハーフはどちらからも差別される。
「そのような人たちがいまだにいるのよ・・・その中で、彼らは聖剣を持つ勇者、魔剣を持つ魔王のことを神聖視したりして、探したりしているのよ」
魔王が神聖視されるって言い方はおかしいような・・・・。
なんかクロが「魔王様はそれだけ慕われていたりしたしな!!」と言っているが。
「で、ここで問題となるのは、聖剣・魔剣両方に選ばれたあなたよ」
「俺がですか?」
「ええ、聖剣を持つのが勇者、魔剣を持つのが魔王なのにジャック君はその両方を持っている。つまり、ジャック君はその人たちからしてみれば勇者でもあり魔王でもあるのよ」
「ややこしいような・・・」
「そこが厄介なところよ。ジャック君をやれ勇者だ、魔王だと騒ぎ立てられたらそのうち今の人間と魔族の良好な関係に亀裂が生じかねないのよ」
めんどくさい話になるよな・・・・。
ジャックとしては、そういったことに巻き込まれたくはないのだが。勇者、魔王と言われても今の自分とは全くの別物でもあるのに。
「私たちがマスターを選んだせいで苦しめてしまうのですかね?」
「全く・・妾たちは選んだだけなのに、なぜそういった面倒なことになるのじゃ」
シロが悲しそうな顔をし、クロがどこか文句を言いたげな顔になった。
「いえ、あなたたちのせいではないわ。聖剣・魔剣も勇者や魔王が使ったから騒がれるものだけど、普通の適正者の武器であるのよ。武器は適正者の魂で選ばれる、と言うか武器が選ぶ。選んだからって責任は武器にはないのよ」
学園長が二人の頭をやさしくなでた。
こうしてみると優しそうな綺麗な人なんだけどな・・・・。ジャックは一瞬そう思ったが、
「と言うわけで、私の訓練を明日の放課後からビシバシ受けてね」
「拒否権はないのですか!?」
「ないわよ」
と、学園長が笑顔で言い放ったその言葉で速攻で鬼畜な人だと再認識するのであった。
学園長未婚の理由の中にはその性格があるからと言うのもあるそうな・・・
考えたらまだまだ出そうな気がする。
 




