プロローグ2
この辺は王道かな?
魔王と勇者の魂は何処かに二つとも運ばれた。
彼らがいた世界とはまた異なる世界、神々が住む世界にと。
そのまま二つとも、ある神のもとに届けられた。
『ふむ・・・また相反する者同士の魂か』
この神はこういった特別な魂の管理をしていた。
『どうしても、どの世界にも相反する魂を持った者が生まれ、互いに争う運命となる』
神としては、この問題をどうにかしたかった。だが、どうしても相反する魂を持つ者が生まれてしまうのだ。
相反してこうしてこの場に来た魂を一つにまとめようかとしてみたこともあった。
だが、物質と反物質の様にいつも対消滅をしてしまっていた。
『・・・・この魂は互いに死闘を繰り広げ、認め合ったか』
魂にかすかに残る記憶を読み取り、神は思った。この魂同士なら一つになっても大丈夫かもしれないと。
『混ざれ、混ざれ、相反するものよ、認め合い、互いを知った魂よ・・・・』
神だが、神頼み的な感じでこれまでの様に魂の合成を試みた。
互いに認め合ったこの魂同士なら、相反するもの同士でも1つになるかもしれない。そして、それを世界に再び命として送り込めば今度は大丈夫かもしれないと。
神の力を注ぎ、念入りに混ぜ合わせるようにすると、勇者と魔王の魂は互いに消え始めた。
『・・・・今回も失敗か』
今度は大丈夫かもしれないと思っていたが、いつものように消えるのかと落胆した瞬間だった。
急に魂が輝きだし、消えて言った部分が戻り、そのまま混ざり合った。
そして、輝きが収まると同時に、その場には新たな魂が生まれていた。
『お、おおおぉぉぉ!!苦節何千、何万回目でついに魂の合成に成功したか!!』
神は歓喜した。これまで幾度もやり失敗してきた魂の合成が、今この瞬間成功したのだから。
『もはや魔王でも、勇者の物でもない全く別の新しき魂・・・・・命を吹き込み、世界に送り出せば何になろうか?』
そこはもう、神にも予測不可能である。魔王と勇者の魂が混ざり合った魂はもはや未知数。
世界を破壊し、不幸をもたらす完全なる魔王になるか
それとも世界を再生し、幸福をもたらす完全なる勇者になるか
はたまたは、そのどちらでもない全く別のものになるか
『何になるかはこの魂を取り巻く者たちと、この魂次第。だが、自由に世界へ羽ばたけ!!「新たなる魂」を持つ者よ!!』
神は歓喜したまま、その魂をもとの二つがもともとあった世界へと命を吹き込んで送り出したのであった・・・・・。
この神様再登場までに時間がかかりそう