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176話

本日2話目

ちょっとモンスターについての話が出てます。

・・・それにしても、構図的には物凄い背徳感があるような。

『モンスターとは』


・人間や魔族が互いにお前らが生み出しただろと言いあっていたものであり、勇者と魔王の死後にこの世界そのものが生み出していたものであって、互いに原因では無かったということが判明している。


・魔族の中には、モンスターに近い外見の者もおり、その違いとしてモンスターには「魔石」と呼ばれるようなものが体内にある。魔族にはない。


・陸上のモンスターの方が、海中にいるものよりも種類が豊富。


・人々を見境なく襲い、中には「オーク」などの様な自身の子孫を増やす目的で襲ってくる場合もある。


・ロイスの「シラタマ」のように人に懐き育っていくものもごく稀にあるようだが、たいがいは人を襲うしかないので、適正者たちが討伐していく。


・モンスターには、なぜか適正者の持つ武器でしか討伐ができず、適正者たちは対抗するかのように水晶の儀の際に、常人以上の身体能力を身に着ける。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・・とかが、一般的に知られているモンスターに対する常識よね」

「だけど・・・・」


 学園長が普通に知られているモンスターの常識をその場で語ったが、周囲にいる人たちはその光景を見て驚愕しているままであった。



 先ほど、火山から飛び出てきた大きな塊の中から、少女のようなモンスターが出てきて、ジャックの前で膝をついてまるで命乞いをしているかのような表情をしているのである。



 はっきり言って、この事態は予想ができず、誰もがしばし固まっていた。



 その少女の見た目は人間に近いが、鱗が点在し、角や翼、大きな尻尾など明らかに人とも違う。


 魔族に似たような外見を持つ者としては、「竜人(ドラゴニュート)」などがいるが、彼らの場合は、翼などはなく、せいぜい鱗とかその程度が目立つだけである。


 また、外見だけで似たようなモンスターが挙げられるならば、「リザードマン」などもあるのだが、こちらは見た目がトカゲが二足歩行しているので物凄くわかりやすいのだ。



 しかし、この少女はそれに当てはまらず、まるでモンスター(・・・・・)から(、、)人間へと(、、、、)変化しかけて(、、、、、、)中途半端に止まったような感じにも見えた。



「えっと・・・・・これどういう状況だろうか」


 ジャックからしても、この状況がいまいちの見込めない。


 だが、目の前にいるモンスター?の少女はまるで命乞いをしているようにも見える。




・・・・構図的に、なんかジャックが殺そうとしているのを少女が命乞いをしているように見えてかなり悪い感じである。



(シロ、クロ、これどうすればいいのかな?)

(いや、わかりませんって。初めての経験ですよ)

(同じく初めてじゃな。じゃが、モンスターの様じゃし・・・うーむ)


 小声で手にもつ聖剣(シロ)魔剣(クロ)に相談しては見るものの、答えはでない。


 かつて、勇者と魔王に所持されていた彼女たちにとっても初めてのケースなのである。


 モンスターが命乞いをするのはめったにない。


 というか、物凄くおびえているかのようにフルフル震えているようにも見えるのだが・・・・



(・・・・・・えーっと)


 物凄く必死感が伝わっているというか、まるでジャックにおびえているようにも思える。


 かと言って、危険なモンスターだとしたら結構危ないだろうし・・・でも。


 

 ジャックは迷い、悩み・・・・結論を出す。



 シロとクロ・・・聖剣と魔剣を腰の鞘に戻す。


 いざとなれば素早く出せるのだが、いったん戻してみてその反応を見ることにしたのだ。


 

 敵意を持たないようにして、その命乞いを受け取ったかのような感じの姿勢をとる。


 周囲の他の適正者たちは一応いつでも動けるように警戒しておく。



「・・・・殺されたくないって言うことはわかったよ」


 そうジャックが告げると、少女は顔を上げて驚くような表情と・・・・涙を流しながらもうれしそうな表情をした。



 そしてすぐにその場から立って、くるっとジャックに背を向ける。


 そして、翼を広げて一気に突風が巻き起こったかのように感じられると、すでにその少女は大空に飛び立っていたのであった・・・・・・。







「・・・・ふぅっ」


 少女が飛び立った後、その場にいた全員が緊張の糸が切れて安堵の息をはく。


 万が一、攻撃してくる可能性もあったのだがそのまま大空に飛び立っていったので全員緊張がなくなった。


 あの少女が他に危害を加える可能性もあるが、その時はもう討伐をするだけである。


 だが、なんとなくあのモンスターの様な少女は危害を食わないかもしれないと、その場にいた居た全員は不思議とそう思ったのであった・・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 助かった。


 上空を飛ぶ少女のような見かけをしたモンスターは内心そう思った。


 あの目の間にいた生き物・・・・・頭の中では人間という知識があったが、確実に敵対した場合こちらの命がないという感覚があった。


 そこで、自分が目覚める前にどうやって敵対せずに済むかと考えて言ったのが、あの人間と同じような姿をとって、命乞いをすることであった。


 いささか目覚めが早くなって、いまいち体の形成が中途半端になって、あのような姿をさらしてしまったが・・・結果として自分は見逃されたのだと思えた。


 あのひざまづいて命乞いをしている間、物凄く緊張し、このまま殺されるのではないかとも思えたのだが、あの人間は恐ろしく思えた武器をしまって、こちらの懇願の意図を分かてくれたようである。




 ・・・・彼女はモンスターであるが、今は人を襲う気にもならなかった。というか、襲ったらあの人間たちが確実に殺しに来るだろうと理解ができていた。


 自分はなぜあそこで生まれたのかはわからぬが、モンスターとしての本能は生きとし生ける者たちを襲えというモノがある。


 だが、彼女はその本能は抑え込まれ、すでにモンスターとは違うような思考になっていることに気が付いた。


 人の姿に体を近づけてしまったせいか、その考え方も近くなったのだろうか。




 彼女は、すでに本来あるべきような本当のモンスターとしての姿には二度と戻れぬことも理解している。


 かと言って、この姿のままで生き延びることもままならぬだろうということも理解していた。


 モンスターからも、人としても、そして魔族とかいうものに関して外れたような存在。


 これからどうやって生きていくべきか、彼女は飛びながら思索した。



・・・・そして、その思索の最中にふと見逃してくれた人間の顔が思い浮かぶ。


 敵対せずに済んだ時の安心感と・・・・どことなく惹かれるかのような思いがその時生まれた。


 そして、彼女は答えを出した。


 人としても、魔族としても、モンスターとしても生きていけないのであれば・・・・・・・・






File01

今回、確認されたモンスターの正確な種族特定は不明。新たに確認された新種、もしくは既存のモンスターの何かしらの変異種の可能性がある。

角や翼の形状と色の特徴からして「火炎竜ファイヤードラゴン」に類似したものがあるが、詳細は不明。

逃亡により行方不明だが、様子を見る限り人を襲う可能性は極めて低そうで有り、危険性はない模様。

ただ、少女に近い見た目をしており、その美貌から考えるとろくでもない者たちが捕縛しようとする恐れあり。危険性が低そうだとしても、その潜在能力は不明であるため万が一の恐れもあり。

引き続き、観察の機会があり次第報告をする。

・・・・ついでに、ドラゴン系統の可能性もあるのか、胸のサイズもDくらいだと目測で確認し、数名の女子が非常に落ち込んだようである。byアンド=レアス学園長

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