174話
さて、ひっさびさのシリアスへと入り始めますか
合宿4日目の朝。
「・・・・・」
「ん?どうしたんだジャック?」
起床し、朝食を食べているときにジャックの様子がおかしいことにロイスが気が付いた。どことなくジャックが辛そうなそうな顔をしているのである。
一応、親友でもあり、昔ながらの付き合いなどもあってなんとなくだがわかったのである。
ただの虐げられるようなドM疑惑がある男ではないという唯一の証明な様な気もしないが。
「いや、なんか頭痛がしてな、いまいち調子が出ないんだよ」
ジャックは今日、なんとなくだがずきずきと頭痛がしていた。若干吐き気もある。
「大丈夫ですかマスター?」
シロが人の姿をとり心配そうな顔をした。
「ふむ、熱はないようじゃし、疲れによってひこ起こされるただの体調不良じゃな」
クロがジャックのひたいに手を当ててその熱を測るが、平熱のようであった。
適正者とはいえ人であり、生きているものだ。体調の悪化とかはそれなりにある。
ここ最近の無茶苦茶な訓練のせいで、その疲れが出ているだけではないかというのがクロのみたてであった。
「でも、俺とかはぴんぴんしているぜ?」
ロイスがそう言い、周囲の皆をジャックは見渡したが誰も体調不良にはなっていないようであった。
「なんで俺だけ・・・・?」
「たまにはそういう日もあるってことじゃないか?」
とにかく、この体調だとちょっと厳しいので合宿中であるが、今日の訓練は休ませてもらえないかなと学園長に聞いてみようとした時であった。
「皆さん、すこしお知らせするわよ」
その学園長が、朝食をとっていた皆が見える場所に立ってそう言った。
「お知らせ?」
「ちょっと昨夜調べたのだけれども・・・・・・・」
学園長の知らせは皆にとって驚きであった。
今いるこの山、ゴドゥルウ山の地下にどうも異常があるらしい。
学園長が調べたところ、その奥不覚にあるマグマだまりの中に何かがいるらしいのだ。
「モンスターがそこに出現した可能性があり、山に何かしらの影響を与えているようなのよね」
モンスターの中には、周囲の環境を利用したり、意のままに操ったりするものがおり、今回のはそのタイプの物の可能性が高いという事の様だ。
モンスターであるならば、適正者たちでどうにかするというのができる。
だが、相手はマグマの中にいる。
地上に出現するときにそのマグマを吹き出して来たら、いくら適正者であってもただではすまないだろう。
なので、一旦ここから避難した後に様子を見ることにするのだとか。
とりあえず、まず全員の荷物を速やかにまとめて、避難を開始しようとした時であった。
・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「!?」
「揺れているぞ!!」
足元が揺れ、皆とっさに臨戦態勢をとる。
大昔の適正者が言った名言集にある「噂をすれば影が差す」とはこのことだろうか。
この揺れはモンスターが原因で起きているものの可能性があり、建物がきしみ始める。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ・・・・・・・
揺れが収まり、状況を確認する。
「今の揺れはマグマの中にいるモンスターが原因か・・・?」
「火山の活動を活性化させている可能性があるな」
「全員、揺れが収まっているこの状態のうちに、直ちに火山から避難を開始しましょう」
学園長の声が響き渡り、ジャックたち適正者一同は念のために下山をすることにした。
学園長の魔法で離れるという手があるが、一応隙も大きいのでその間にすぐに襲い掛かられたら対処が遅れてしまう。
そのため、全員崖を滑り降りながら下山をしていた。
「・・・まさか、2日目の時の垂直壁駆けあがりの訓練のありがたみを知るとはな」
訓練でやった垂直壁駆けあがりだが、あれは登るとき以外にも降りる時の訓練にもなっていたようで、何とか全員無事に一気に滑り落ちて着地していた。
数名ほどは失敗してしりもちをついたり、古典的な地面にめり込むという状態にはなっていたが、すぐに他の人達が助けて復帰していた。
「にしても、噴火の可能性があるから非難をするのが分かるが、モンスターが出てきたら討伐へ行かねばならないとはこれいかに」
「一応、足元の安全を確保してから戦うようにする予定の様ですのん」
駆け足で走りながら、その場の状況を皆冷静に分析していく。
「ジャック、頭痛が辛いなら体を持ちますわ」
「いや、一応こうして避難して走るだけなら大丈夫だ」
ジャックの顔色が少し優れていないようなので、ルナは心配したが、ジャックは何とか元気のように見せた。
頭痛はするが、恐ろしくひどいわけではない。普段健康な分、体調不良になったときにこの状態になるのだ。
「マスター、モンスターは今のところ周囲にはいません」
「山の奥深くに微弱な振動を感知。ちょっと揺れが来る可能性があるのじゃ」
だけど、ジャックの体調は万全ではないので、シロとクロはできるだけサポートをするのであった。
そうこうしている間にも、山の揺れがまた来たりしていた・・・・・
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ソレは今自分は目覚めようとしているのを自覚していた。
体を揺らし、周囲のマグマが揺れて、山自体に振動を引き起こす。
その揺れによって、自らを起こしているような感覚を感じたが、もう一つ別の感覚も感じていた。
先ほど山の頂上から多くの生き物の気配がしていた。
その生き物たちは今山から離れようとしているが、ソレはその中に明らかにモンスターである自分が化け物と言えそうな力を持つ者を感知した。
・・・・2人はいるだろうが、片方の方にはさらに自身を確実に葬り去れるようなものを2つは持っているのを感じた。
ソレにとっては、その存在が怖ろしく思え、敵対すればこの命はなくなるだろうと悟った。
だが、モンスターとして生まれたこの命、敵対するのは明らかそうである。
どうやってそれをせずにやり過ごせるかを考えていると、ふと気が付いた。
その恐ろしい存在の周囲には同じような生き物がいるが、その生き物たちには害をなしていない。
だとすれば、自身の外見もその生き物たちをまねればいいのでは・・・・・?
ソレはそう考えを導き出した。
だが、もう自分は目覚めてしまう。
目覚めれば、すぐにでも地上へ姿をさらけ出し、確実にその存在にやられてしまうであろう。
ソレは自分が目覚めて地上へ出る前に、何とかしてその生き物たちの姿に似るように、力を削りながらも必死で自分の身体を再形成していくのであった・・・・・・。
最近、シリアス展開が書きにくいんですよね。
重い話とか入れたいけど、作者のメンタルが悲鳴を上げてしまうんですよね。
あと、なんか危ない部分とかで引っかかりそうなのが怖いというのもある。




