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173話

ちょっと短め

学園長の訓練の鬼畜さを感じられるようにするのが難しい。


「死ぬって!!これマジで死ぬって!!」

「学園長!!加減してくれないとこれ危ないですって!!」

「あちちちちちちちちちちち!!ケツに火がぁぁぁぁぁぁあ!!」


 合宿3日目、今日の訓練内容は地獄ともいえるものであった。


「~~~~~~~『炎獄(インフェルノ)、~~~~~~~~~~~~~~『火炎地獄(ヘルファイヤ)』~~~~・・・」

「炎の魔法だろうけど区別がつかない!!」

「どっちも燃やすことは変わらないんですがぁぁぁぁぁ!!」



 現在、ジャックたちが受けている訓練は、足元から噴き出てくる炎への対処である。


 ここが火山というのを利用して、学園長がそのマグマとかを引き出しているようだけど・・・・・これは殺されそうなレベルである。


 炎が噴き出す前に、適当な岩を削ってふさいだりしてなんとかしているのだが、結構厳しい。


 加減は一応されているらしく、火傷してもすぐにシラタマやその他教師の方々が治療にあたってくれるのですぐに治る。


 だけど、これってはっきり言って虐待に近くないですかね?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・・妙ね?」


 アンド学園長は、魔法の行使の際にふと違和感を感じていた。


 先ほどから使用している炎の魔法だが、ここ『ゴドゥルウ山』の地下に眠るマグマの放出も兼ねてそれをここまで引き出している。


 だが、その地下にあるマグマの感触がどことなく違和感があった。



 普段は使うこともないような魔法だから、そのあたりの勘が鈍っているだけかもしれないが、どことなく妙な違和感を感じるのである。



「~~~~~~~~『炎の竜巻ファイヤストーム』~~~~~」


 まあ、連続で魔法を行使して探ってみることにして、訓練も兼ねてそのあたりの調査を学園長は行うことにしたのであった。


・・・・それに巻き込まれて訓練させられている適正者たちにとっては不幸でもあるのだが。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「右に3つ、左に1つ噴火口あり!!」

「あの岩とその岩を切り裂いてのせるのじゃ!!」

「わかった!!」


 この炎地獄とも呼べる訓練を乗り切るべく、ジャックは聖剣・魔剣を活用していた。


 シロとクロに素早く周囲を見渡してもらい、炎が噴き出す穴を見つけてもらって、その対処法を指示してもらうのである。


 この方法は意思がある武器があれば使用可能な方法で、今のところジャックはシロとクロの指示と根性で乗り切っていた。


 ロイスはケツに火がついて先ほどシラタマに治療されに行ったが・・・・・。


「にしても、この魔法本当に対処しにくいな!!」

「こういう感じの攻撃をするモンスターはいますよ。あ、右に2つです!!」

「サラマンダーやイフリート、煉獄大百足などがその例じゃな。そこの岩を切り裂くのじゃ!!」


 意外にも、今学園長がやるような攻撃をするモンスターは多いらしい。


 勇者と魔王の時代にも結構いたらしく、それぞれ苦労した相手でもあるそうな。


「高熱はこの刀身にも伝わってきますからねぇ・・・」

「赤くなってしまうが、まあ問題はないのじゃ!」


 下から噴き出てくる炎の熱によって、金属でできている武器は孫悦が伝わって赤くなっていたりするのである。


 一応、熱は所持者には伝わらないようなっているらしいが、それはあくまで所持者に伝わらないだけであって、他の者には伝わるらしい。


 訓練終了後は水で冷やされるらしいけど、加熱された金属を急速に冷やすの適正者の武器でも危険な場合があるので、特殊な冷水で冷やすらしい。



 しかし、高熱が伝わっているせいで普段は白い輝きと黒い輝きをしている聖剣と魔剣の刀身が少し赤くなっているのが珍しい感じである。


「シロたちは熱くないのか?」

「そのあたりの感覚は大丈夫です」

「まあ、さすがにまずくなる可能性もあるのでその時は伝えるのじゃ!!」



 とりあえず、大丈夫という事らしいのでジャックは訓練に集中するのであった。

 

 ロイスみたいなかちかち山状態というか、しりに火が付いた状態にはなりたくないからね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「・・・・・・・」


ゴドゥルウ山のマグマだまりの中に、ソレ(、、)は夢うつつの状態でいた。


 まだこの世界に出現したばかりで、はっきりと動けるわけではない。


 


 しかし、徐々に周囲のマグマにソレ(、、)の影響が出始める。


 ソレ(、、)がいるだけで、マグマの動きは活発化して、休火山であったゴドゥルウ山に火がともる。


 永い眠りから覚めて、ふたたび噴火をしようと山は活動を再開し始めるのであった。



 そんな中、ソレ(、、)は夢うつつな状態なのに、ふと何かに気が付いた。


 己を脅かせるような存在をいくつか感知し、更にそこに最も己を確実に葬り去れそうな存在を確認した。



 自身はこの世界が生み出した、生きるモノの敵。


 つまり、このまま目覚めれば確実にその存在と敵対をすることになり、確実に葬り去られてしまうであろう。


 ソレ(、、)はまだはっきりと目覚めてはいないが、殺されたくないという欲求が不思議と心に芽生えた。


 どうすれば敵対せずに済むのか、どうすれば自分は助かるのか・・・・・・


 思考が生まれ、その存在とどうしていくべきか、深く考え始めていくのであった・・・・・・・・・

 


しかし、よくよく考えてみたらこの場にシラタマがいるのは危険なような気がする。

焼き鳥になりそうだし、どこかで避難させておくべきか?

そして、火山の中で目覚めようとしているものは一体・・・・・・・?

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