170話
短めかな?
『ゴドゥルウ山』
温泉で有名な山。昔は活発な火山だったらしく、勇者や魔王がいた時代のころが最盛期だったらしい。だが、段々活動が衰え、今は休火山となった。
火口に水が長い年月をかけて貯まり、そこに地下水がつながってなぜか温泉が噴き出すようになったため温泉施設が設立されていった。
万が一の噴火に備えて、マグマの逃げ場を別の部分に採掘をしており、安全は保たれる模様。
山頂には年中雪が降り積もり、季節がいつでも温かい温泉を楽しめることでも有名である。
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「あの頃はしょっちゅう噴火してましたからねー」
「このようにおとなしくなるとはのぅ」
当時、活発だった『ゴドゥルウ山』を実際に見たことがあるシロとクロがどこか懐かしむようにそういった。
聖剣・魔剣ともに勇者と魔王の時代にあったからね。おぼえていても不思議ではない。
だが・・・・
「滅茶苦茶寒いんだが・・・・・」
「空気薄い・・・・」
「雪が降っているですわ・・」
「寒い」
現在、ジャックたちはその『ゴドゥルウ山』山頂にある温泉旅館へと合宿で来ているのだが、気温が低く、標高がそれなりに高いため空気も薄い状態であった。
しかも、今の時期は真夏であったのでいきなり寒いところに連れてこられるのは地獄でもあった。
「今回の合宿はここで行うのよ。訓練を終えた後は、温泉にすぐに入れるようにしているから頑張って」
学園長が全員にそう告げた。
今回、合宿には学園長も来ていた。
理由としては、去年のように多忙ではないことが原因らしい。あと、規則違反の取り締まりなどもあるのだとか。
さらに、合宿の訓練は学園長が決めるらしく、全員の顔が一気に絶望に染まっていた。
・・・・ここまで絶望に染まるのは、ジャックたちの学園長との訓練の様子を去年見た人や、今年の1年生との模擬戦で、ジャックが1年生を相手にするのではなく、学園長を相手にしていたところを見た人たちが、学園長の無茶苦茶さを理解しているからである。
なお、ずる休みはできないようになっているようで。
「ずる休みをした生徒がいた場合は・・・・・・まあ、社会的にね」
((((一体何を!?))))
その言葉に言いようのない恐怖を抱く人が多く、ずる休みをする人はいなかったようだ。
まあ、とにもかくにもこれから1週間は訓練漬けの毎日だと思うと全員気が重かった。
これも、適正者の運命というのだろうか・・・・・。
今回の合宿では、果たして事件が起きるのだろうか?
主にラッキーなんとやらとか、クラーケンのようなやつがまた出てくるとかそういった意味での心配がある。




